カルチャーは変わる、作れる、生まれていく。カルチャーと人のつながりを見つめ、新しい動きを仕掛ける人たちが考えていること/コミュコレ!2018 [Session2:カルチャーとコミュニティ]

コミュニティのお祭り、コミュコレ!Community Collection2018

東京カルチャーカルチャーとPeatixがタッグを組んで、素敵なコミュニティを紹介するイベントを、2018年7月19日に開催しました!

ユニークな人の集まりを作り出しているキーパーソンの活動を、一挙ご紹介します!

 

 

Session2 カルチャーとコミュニティ

柏井 万作さん(CINRA)

泉 幸典さん(Rocket Road)

細田 幸子さん(渋谷ズンチャカ!)

柏井さん:
CINRA.NETというWebサイトの編集長をやっています、柏井です。CINRA.NETは2007年くらいから、カルチャーを紹介するメディアとしてやっていますが、最初は学生団体みたいな感じで、みんなで面白いカルチャー紹介しようぜ、というところから始まったんですね。なので、思い返してみると自分たちもコミュニティのようなところがあったんだなと。そこから会社化して、10年くらい経ったカルチャー系のWebメディアです。

 

泉さん:
Rocket Roadの泉です。ロボットの衣装、ユニフォームを作っているメーカーです。コミュニケーションロボットという人型ロボットに特化した衣装を作っています。

 

細田さん:
渋谷ズンチャカ!という、渋谷の街を舞台にした手作りの音楽祭をやっています、ヤマハミュージックジャパンの細田です。

 

渋谷の音楽カルチャーの移り変わり:Suchmos,セカオワが駆け出しの頃に登場した渋谷の無料音楽イベントを開催し続けて見てきたも

ーCINRAさんは、exPoP!!!!!という入場無料の音楽のイベントをかなり前からやってらっしゃいますが、もう何回くらい開催してるんですか?

柏井さん:

実はまさに今日もやってるんですが、今日で111回ですね。10年やってます。Suchmosとか、セカオワとか、ああいうバンドが過去に出てくれています。みんな渋谷にある小さなライブハウスから出ていってるんですよ。そういう、今まさにこれから出て行きそうなイキのいい素晴らしいバンドに出会う場を作ろうということで、入場無料でやり続けています。

 

当時から渋谷のO-nestという場所でやってたんですが、そこにはもう「nest系」という独自の文化があったんです。それが好きな人たちがたくさんきて、洋楽のアーティストも来日して盛り上がっていて。そういうコアな人たちが集まる場だったんですが、10年もやっているとどんどん変わりますね。

 

10年前はSNSもmixiくらいしかなく、スマホない、YouTubeもないという中で、新しい情報を見つけるのがすごく難しい状況でした。その中で「その場所に集まる」ということにすごく熱量があったと思います。今も同じ場所でやっていますが、雰囲気は変わってきたなと思います。

 

渋谷の街の変化をワクワク楽しみにできる雰囲気を。街を舞台に作る音楽祭

細田さん:

渋谷ズンチャカ!は、渋谷の街の中で音が鳴っているという良い前例を作ることを大事にしています。今年で4回目ですね。私は2014年のプレイベントから関わってます。

 

今の長谷部区長の前の、桑原区長にお声がけいただきまして。これから街の再開発が始まって、街はどうなっていくんだろう?という雰囲気になってくる中で、街のこれからを楽しみにしてもらえる状態を作りたい、そのための音楽祭をやろうということで始まったプロジェクトです。

柏井さん:

10年間ライブハウスでやり続けてきたCINRAと、街に出ていったズンチャカと、形は違いますが「音楽が好き」というところは一緒ですよね。

 

「服」が縁を結んだ?ロボット開発会社同士のつながり

ー泉さんとはこの前ここ渋谷でロボットのファッションショーのイベントをやりまして、メディアの取材28社ほど、TVの取材も複数社と、大変な盛り上がりでした。その中で、「ロボットを開発している各会社の間に、あまり横のつながりがなかったんだけれども、泉さんと出会うことでそこにつながりが生まれていった」というエピソードが印象的でした。

 

泉さん:

特に僕はそれを意識はしてなかったんですが、イベント開催ちょっと前くらいからロボットメーカーさん側に言われるようになりましたね。ロボット開発をされている企業は大手かもしくはベンチャーであることが多いですが、既存の流通や取引相手がなんとなく分かれて出来上がっていたり、しがらみがあったりで、一斉に集まることがなかったみたいなんです。それがたまたま僕が「ロボットの服」ということで、各社さんとお話しさせていただくうちに、皆さんと繋がっているのは僕だけという感じになり……。

 

ロボットを作ってらっしゃる方には、本当にロボットや技術が好きな方もいるんですが、僕のお知り合いに多いのは、たまたま仕事がIT系で、普段の趣味なんかは僕と変わらないような人です。

カルチャーは新しいモノ、新しい担い手を受け入れながら進化していく

ー柏井さんはexPoP!!!!!!に加えて、フェスみたいなものも始められてますよね。

柏井さん:

フェスというほどの規模ではないんですが、NEWTOWNというイベントを始めました。僕、多摩ニュータウン生まれなんですけど、母校が廃校になりまして、そこで文化祭やりたいなと思って。それで調布市にお願いして、そこでライブとか美術展とか全部、文化祭やってみました。

あとは渋谷のライブハウスを4軒くらい借りて、2,000人くらいの規模で、いろんなアーティストがコラボレーションする音楽フェスを始めてみたいと思って。そういうのをやってます。

CINRAは10年くらいWebメディアをやってきて、ある程度読んでくれる人は増えていたのですが、本当にカルチャーの面白さを伝えたいと思ったときに、Webで紹介しているだけだと手応えがないなという思いもあり。exPoP!!!!!には手応えのようなものを感じていたので、それをもうちょっと大きな規模でやってみたらどうなるんだろうと思い、始めてみたという感じです。

純粋に音楽だけのイベントと、NEWTOWNといういろんなカルチャーの文化祭と。こういうところでロボットのパフォーマンスとかもやってもらえたら最高ですね。

 

細田さん:

ズンチャカ!でロボットが演奏してくれるというのもすごく面白いですね!演奏ができる人、できない人に関わらず誰もが参加できるというコンセプトでやっているので、ロボットにも登場してもらえたら良いなと思います。

これからカルチャーに対してどう関わり、どんな役割を果たしていきたいか

柏井さん:

CINRAはずっと一貫していて、「知らなかったものを知ってほしい」という思いがずっとあるんです。Webは知っているものを掘り下げていく力が強いので、音楽なら音楽、映画なら映画と、メディアも細分化していきがち。そうじゃなくて、CINRAみにいったら好きな音楽はあるんだけど、アートの情報もあるし、知らなかった演劇もある、ということをやっていきたいですね。

 

細田さん:

渋谷ズンチャカ!は、有志のボランティアチームが一年間MTGを重ねて企画を考えて、商店街、警察、渋谷区の方と話し合いをしながら作っていきます。下は大学生、年配の方でくと50代近くの方が関わって、そういう「カルチャーの担い手」をつくるという意味でズンチャカが何か貢献できたら嬉しいです。

 

企画の初心者の方であっても、自分のアイデアがハチ公前で実現されたりするんです。それまでは自分は文化を消費するだけだと思っていた人にも、文化を作る側になってもらえたらと思います。

 

泉さん:

ロボットは人型はしていますが基本的には電化製品・工業製品なので、世の中の人に使ってもらって、役に立ってこそだと思うんです。ただ、人型をしているがゆえに、逆に受け入れがたいと思われてしまったりしてきた過去がありました。

 

今までは人間が社会の中で共通に使っているアイコンのようなものがロボットにはなかったんですよね。「社会性」がなかった。その社会性の中の一つとしての「服」というものをロボットに着せることで、人間に受け入れやすくする、そして使ってもらって人間の生活をロボットがより豊かにできたらいいなと思います。


Session2に登場いただいた方たちが活動する企業/団体/コミュニティはこちら

柏井 万作さん(CINRA.NET

泉 幸典さん(ROBOUNI

細田 幸子さん(渋谷ズンチャカ!)

 

コミュコレ!Community Collectionは今後も開催していきます。今後の情報は東京カルチャーカルチャーのPeatixグループをチェック!

 

コミュコレ!2018 Sessionレポート一覧

Session1 [街とコミュニティ]
常に変わる、どんなチャレンジも受け入れる、カオスなパワーで溢れる街SHIBUYA

Session2 [カルチャーとコミュニティ]
カルチャーは変わる、作れる、生まれていく。カルチャーと人のつながりを見つめ、新しい動きを仕掛ける人たちが考えていること

Session3 [メディアとコミュニティ]
メディアとコミュニティという新しい挑戦。広く・中立に伝えることを意識してきたメディアが新しく考えるコミュニティとの関わりとは

Session4 [渋谷とコミュニティ]
異なる人々の力をあわせて、街にイノベーションを起こす。これからの渋谷のつくりかた

Session5 [働き方とコミュニティ]
働くことと、つながることの相互作用。新しい働き方の鍵となる「コミュニティ」の力とは

Session6 [健康とコミュニティ]
健康を目的にしなくても、体に良いことはたくさんできる。楽しく、心も豊かになり、パフォーマンスも上がる健康への向き合い方とは

Session7 [未来とコミュニティ]
つくれる「未来」は無限にある。様々な未来をデザインする挑戦者たちが見つめるこれからの世界とは

 

 

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