東京カルチャーカルチャーとPeatixがタッグを組んで、素敵なコミュニティを紹介するイベントを、2018年7月19日に開催しました!
ユニークな人の集まりを作り出しているキーパーソンの活動を、一挙ご紹介します!
Session3 メディアとコミュニティ
柏井 万作さん(CINRA.NET)
藤田 遼平さん(iDEAKITT)
藤村 能光さん(サイボウズ式)
藤田さん:
ChatCastという、チャットを使った”チャット記事”を作れるプラットフォームを運営しています。インタビューや座談会って、会って話して、録音して書き起こして……と工数がかかると思うのですが、それをチャット形式でやってしまおうというコンセプトのサービスです。チャット自体をラジオのようにライブ配信するという機能も提供しています。コミュニティの方の交流会などにも使われているんですよ。
藤村さん:
サイボウズの藤村です。グループウェアを作っている会社ですが、私の仕事は会社の価値を伝えていくブランディングの仕事です。具体的には「サイボウズ式」というオウンドメディアの編集長をしているのですが、新しいチャレンジとして今年からコミュニティ運営を始めてみたところです。
ーチャットメディアがコミュニティを持つという発想……なんですか?
藤田さん:
チャットメディアがコミュニティを持つというよりも、コミュニティの方が僕らのサービスを使ってファンのエンゲージメントを高めたり、メンバー同士のコミュニケーションをしているという感じですね。リアルイベントってすごく楽しいですが、毎日やるのはなかなか大変。それをチャットライブで行って、コミュニティメンバーにも入ってもらいながら、質問形式でセッションをやったりするという感じです。
ChatCastで作ったチャット記事を、自社サイトの中に埋め込めることもできるようにしていて、様々なメディアでも使っていただいています。僕ら自身もコンテンツを配信していますし、ユーザーさんに自由にコンテンツを作ってもらっています。
ーCINRAは、今までユーザーさんとコンテンツを一緒に作るというようなことはあったのですか?
柏井さん:
あまりそういうことはないですね。あまりできていなかったのですが、最近CINRAの中にShe isという女性コミュニティメディアというものができて、そこは双方向のつながりを意識していますね。
6年ほどやってきたメディアの読者の顔を知りたくなった
藤村さん:
サイボウズ式では昨年から毎月ミートアップをやっています。毎月やるので大変なのですが。サイボウズ式自体は6年ほどやっていて、目的はサイボウズのことを知っていただくということだったんです。
メディア運営は6年ほどで目的も達成し、次は何をやる?というところで、読者の方、将来サイボウズのお客さんになってもらう可能性がある方と、どのようにつながりを作っていくかというテーマについて、マーケティングやブランディングという文脈で取り組んでいくべきではないかと思ったんです。
もう一点は、単純に、僕自身がサイボウズ式のメディアの読者の方の顔を知らなかったんですね。これは結構まずいなと思いまして。数字とかじゃなくて、実際に「この方だ」とお顔を思い浮かべて思い起こせる必要があるのでは、というのがもう一つの理由です。そこでコミュニティを立ち上げ、「サイボウズ式第2編集部」というものを作りました。6月にできたばかりで、これから詰めていくのですが、「新しい価値を生み出すチームと働き方を考えて、実践していく」というコミュニティになっていきたいですね。
メディアとしては、コミュニティになるのではなく、面白いコミュニティのハブになりたい
柏井さん:
CINRAはあまりコミュニティ性を追求しないようにしていた面があるというか……。メディアって、特定のコミュニティと結びついてしまうと透明性がなくなってしまうじゃないですか。CINRA.NETみたいな批評をやっていこうとするメディアは、あまりコミュニティ作りを考えないのかなと思うのですが、アーティストさんを見ると、どんどんコミュニティを作って、ファンの方と交流して、新しいビジネスモデルを作っていくということが活性化しましたよね。
メディアとしては、コミュニティを作るというよりも、面白いコミュニティを紹介してそのハブになりたいという考え方ですね。
藤田さん:
ChatCastも同じような思想ですね。
コミュニティは、オーナーが物事を決めてはいけない
ーその点でいくとサイボウズ式の取り組みはチャレンジなんですかね
藤村さん:
そうですね。今までメディアを通して情報を広く伝えてきましたが、コミュニティは狭く深くというもの。真逆のことですし、コミュニティは人と人とのつながりが圧倒的なので、初めてのことににチャレンジするという感覚がすごくあります。もしかしたら僕が一番苦戦しているかも知れないのですが、すごく面白いです。
一番感じたことは、「僕が決めちゃいけない」ということですね。会社や仕事の進め方とは全然違う感覚で、大きな方向性は見せるものの、そこに至るプロセスはコミュニティのメンバーに作ってもらう。そういうやり方で進めています。
藤田さん:
最近企業さんと話していても、コミュニティづくりやイベント企画について相談を受けることが増えてきたんですよね。なので最近はコミュニティというところに軸足を置き始めました。
例えばこの前の事例でいうと、バスケットボールファンを抱えているアプリの方からお話をいただき、ChatCastを使って試合を実況中継してもらうという企画をやりました。
メディアとコミュニティの両方を使って、今後チャレンジしてみたいと思うこと
ーメディアとコミュニティの両方を使って、今後チャレンジしてみたいと思うことがあれば教えてください。
柏井さん:
She isでやろうとしていることは、コミュニティをベースにメディアで新しいビジネスモデルを作るということなんです。従来のメディアビジネスだと、どうしても広告収入を得るというモデルになるかと思うのですが、そこで別のビジネスモデルを作ろうと思うと、コミュニティにはとても可能性がある。
ファンの人が「価値がある」と認めてくれたものに対価を払ってくださるというのは新しい形ですよね。CINRA.NETでは僕らがいいと思うものを幅広く紹介していきながら、一方でコミュニティ性の高いメディアの方では深いものを作っていくということを、ゆくゆくはやってみたいですね。それをまずはイベントからやってみたいと思っています。
藤田さん:
僕らはユーザーが自由にチャンネルを作ってコミュニティを作っていけるサービスです。メディアというと、どうしてもPVがいくらという話になりがちですが、そうではなく、人数は少ないんだけれどもすごく熱量のあるコミュニティが生まれて、コメントのやりとりも活発で……ということになるんですね。「その分野ですごく有名になる番組」を増やしていきたいと思っています。
藤村さん:
サイボウズはサービスも組織も、チームワークの会社です。ですので、この第2編集部のコミュニティでは、「新しいチームのあり方」を模索してみたいと思っています。コミュニティって、会社や組織、プロジェクトチームとはまた違ったものだなという感覚があるんですが、それも次のチームのあり方になっていくのではないかと思っていて、それを読者さんと実現していくというのがとても楽しみです。
Session3に登場いただいた方たちが活動する企業/団体/コミュニティはこちら
柏井 万作さん(CINRA.NET)
藤田 遼平さん(ChatCast)
藤村 能光さん(サイボウズ式第二編集部)
コミュコレ!Community Collectionは今後も開催していきます。今後の情報は東京カルチャーカルチャーのPeatixグループをチェック!
コミュコレ!2018 Sessionレポート一覧
Session1 [街とコミュニティ]
常に変わる、どんなチャレンジも受け入れる、カオスなパワーで溢れる街SHIBUYA
Session2 [カルチャーとコミュニティ]
カルチャーは変わる、作れる、生まれていく。カルチャーと人のつながりを見つめ、新しい動きを仕掛ける人たちが考えていること
Session3 [メディアとコミュニティ]
メディアとコミュニティという新しい挑戦。広く・中立に伝えることを意識してきたメディアが新しく考えるコミュニティとの関わりとは
Session4 [渋谷とコミュニティ]
異なる人々の力をあわせて、街にイノベーションを起こす。これからの渋谷のつくりかた
Session5 [働き方とコミュニティ]
働くことと、つながることの相互作用。新しい働き方の鍵となる「コミュニティ」の力とは
Session6 [健康とコミュニティ]
健康を目的にしなくても、体に良いことはたくさんできる。楽しく、心も豊かになり、パフォーマンスも上がる健康への向き合い方とは
Session7 [未来とコミュニティ]
つくれる「未来」は無限にある。様々な未来をデザインする挑戦者たちが見つめるこれからの世界とは