異なる人々の力をあわせて、街にイノベーションを起こす。これからの渋谷のつくりかた/コミュコレ!2018 [Session4:渋谷とコミュニティ]

コミュニティのお祭り、コミュコレ!Community Collection2018


東京カルチャーカルチャーとPeatixがタッグを組んで、素敵なコミュニティを紹介するイベントを、2018年7月19日に開催しました!

ユニークな人の集まりを作り出しているキーパーソンの活動を、一挙ご紹介します!

 

Session4 渋谷とコミュニティ

澤田 伸さん(渋谷区副区長)

吉澤 裕樹さん(東急電鉄)

小池 ひろよさん(渋谷区観光協会)

 

ーそれでは自己紹介をお願いします。

 

澤田さん:
渋谷区副区長の澤田です。よろしくお願いします!今日は楽しみにしておりました。

 

吉澤さん:
東急電鉄で、ヒカリエと渋谷ストリームを兼務している吉澤です。ヒカリエの8F Courtというスペースの担当をしています。

 

小池さん:
渋谷区観光協会に4月から事務局長を勤めています、小池と申します。

 

 

どんどん変わる渋谷。新しいものが生まれ、多様なプレーヤーが集まる

澤田さん:
先ほど、渋谷ヒカリエ COURTでのイベントに出てからこちらにきたのですが、現在東急さんが作っている渋谷スクランブルスクエアという建物に来年秋くらいにできる、テック系大学と連携したイノベーションハブについてのイベントに行ってきました。大学と行政と企業が連携して活動できるスペースです。

 

ー東急電鉄がインキュベーション施設を作っているということでしょうか。

吉澤さん:
そうですね。渋谷の駅の真上にできます。渋谷ってITの色が非常に強い街でもあり、いろんなベンチャーの方が集まってくる状態ができているのですが、そこにもう少しアカデミックな風を入れて新しいイノベーションを起こそうという試みです。

 

ーストリームはGoogleさんも入居されるということで話題になっていますね。

吉澤さん:
Googleさんは来年から入居されるようですね。246の南側って、あまり強い印象がなかったような気もするのですが、今回ストリームを建てることで、渋谷駅の南側にも象徴的な場所を作り、そこから恵比寿方面に歩いていける渋谷川の遊歩道を作り、そこにまた遊びの要素を作っていけたらと思っています。

 

変わっていく渋谷をどうアピールするか

ー現在東急さんがどんどん開発をして渋谷が変わっていっていますが、渋谷区観光協会としては、変わっている渋谷をどうアピールしようと考えていますか?

 

小池さん:
そうですね。変化が本当に早く、地図なんかは、良くも悪くも一ヶ月後にもう変わってしまうような状況なので、観光の基本であるマップ作成などは大変なところもあります。でもそこを逆手にとって、変わっていく渋谷を楽しんでもらう、毎回新鮮な気持ちを感じて楽しんでもらえるようにソフト面を作っていきたいと思っています。

 

ー観光協会は昨年、DIVE DIVERSITY SUMMITを開催されてましたが、今年リニューアルすると聞きました。

小池さん:
私も、観光協会の代表理事の金山も、渋谷区観光協会に所属しつつ、渋谷未来デザインという社団法人にも所属しています。そこでは渋谷の街や、渋谷に集う人を色々な形に変えて、活性化していくということを考えていて、DIVE DIVERSITY SUMMITもリニューアルするSOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAという名称にしました。

 

観光協会としては観光振興になり得るものを作りたいという思いを込めていて、将来的にはSXSW*みたいな大きなイベントに育てていきたいと思っています。今年は日本財団さんと渋谷区とのパートナーシップのもと企画していますが、これを数年間かけて育てていきたいです。

*SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 毎年アメリカのテキサス州オースティンで行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模なイベント

 

多様なプレーヤー同士の力を合わせ、スピード感を持って物事に取り組んでいきたい

ーこのような渋谷未来デザインを立ち上げた意図はどのようなものなのでしょうか。

澤田さん:
この組織は今年の4月に立ち上がりましたが、実は1年半以上前から準備をしていました。区長の長谷部も私も、民間の出身ですが、行政の仕事のしかたの大きな課題はスピード感がないことです。様々な手続きが必要で、一つの事業を始めるのに3年程度は時間がかかってしまう。

 

しかし渋谷を取り巻く環境は刻々と変わっていて、3年間も経ったらより問題が複雑化してしまう。今ある問題を解決するのに5年もかかっていると、それが解決されないまま10年後にはもっと複雑な問題になってしまうので、スピードが重要なのです。

 

また、社会の課題を行政だけが解決するという時代はもう終わっていて、産官学民が協力して取り組んでいくことが必要です。行政の一つの価値観だけで物事を変えていくこと自体がおこがましい。様々なステークホルダーがみんなで知恵を出し合って解決していく新しいモデルでのアプローチが大切だと思います。渋谷区が45%出資し、残り55%を13社に持ってもらっています。

 

行政が解決できることはもちろんやりますが、スピードが必要なことはどんど企業にも動いてもらう。これだけの大企業と行政が共同出資してイノベーションハブを作っていくという動きは、世界的に見ても非常にレアケースだと思います。ぜひ期待していただきたいですね。

 

渋谷のこういうキーワードを大切にしたい

ー渋谷にいろんな面・いろんな魅力があると思うのですが、渋谷のこういうキーワードを大切にしたいという思いがあればぜひ教えてください。

 

吉澤さん:

いろんなことが起こる街ですが、最終的には人が「これやりたいな」と思う、あたたかさを大切にしたいですね。街の開発って、最近は高いビルを立ててクールにするという面も強く感じますが、渋谷に来るとなんか人間くささがあるというか、居心地いいな、自分もこれやってみたいなと思えるような街にしたいと思います。

 

小池さん:

観光協会で仕事を始めて、ただ住んでいるだけではなく、渋谷区を”地域”として見るようになりましたが、その中でも渋谷はより一層、いろんなことに寛容な街になりたいなと思います。ズンチャカさんのような街中の音楽祭や、道の使い方だったり、人の受け入れの仕方だったり、子どもに対することだったり。

 

いろんなことに対して、ダメですよという規制や課題云々というだけではなく、もう少し未来を見据えて、どうしたら良くできるかという考え方をしていきたいなと思います。

 

 

澤田さん:
わかりやすくいうと、「今ない未来をつくる街」。今ないものをつくるというのは、まさにイノベーションですよね。それを起こすための人のあり方、サービスのあり方、資金のあり方、情報や文化のあり方を徹底的に多様化したい。

 

「渋谷ってどんな街ですか?」と聞かれた時に、一言ではうまく表せない。それが真の多様化だと思うんですよ。人によってそれぞれ感じ方が違う。それが渋谷で2年10ヶ月仕事をしてきて思うことです。

 

人それぞれにとってイメージや価値がバラバラになって、カオスになっていくことが渋谷の魅力に繋がっているので、行政としてはそれを絶対に守っていきたいと思います。

 


Session4に登場いただいた方たちが活動する企業/団体/コミュニティはこちら

澤田 伸さん(渋谷区

吉澤 裕樹さん(8/01/COURT

小池 ひろよさん(渋谷区観光協会

 

コミュコレ!Community Collectionは今後も開催していきます。今後の情報は東京カルチャーカルチャーのPeatixグループをチェック!

 

コミュコレ!2018 Sessionレポート一覧

Session1 [街とコミュニティ]
常に変わる、どんなチャレンジも受け入れる、カオスなパワーで溢れる街SHIBUYA

Session2 [カルチャーとコミュニティ]
カルチャーは変わる、作れる、生まれていく。カルチャーと人のつながりを見つめ、新しい動きを仕掛ける人たちが考えていること

Session3 [メディアとコミュニティ]
メディアとコミュニティという新しい挑戦。広く・中立に伝えることを意識してきたメディアが新しく考えるコミュニティとの関わりとは

Session4 [渋谷とコミュニティ]
異なる人々の力をあわせて、街にイノベーションを起こす。これからの渋谷のつくりかた

Session5 [働き方とコミュニティ]
働くことと、つながることの相互作用。新しい働き方の鍵となる「コミュニティ」の力とは

Session6 [健康とコミュニティ]
健康を目的にしなくても、体に良いことはたくさんできる。楽しく、心も豊かになり、パフォーマンスも上がる健康への向き合い方とは

Session7 [未来とコミュニティ]
つくれる「未来」は無限にある。様々な未来をデザインする挑戦者たちが見つめるこれからの世界とは

 

 

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