歩いても、交通機関を使ってもOK!? 新感覚のマラソンイベント「シャルソン」のつくりかた #EventSalon4 開催レポート

2012年に誕生し、いまや日本全国に広がりつつある「シャルソン」。なんと、走る距離もコースも自由で、スマホを片手に走って見つけた“楽しいこと”をSNSで発信するのが特徴とか。その発起人にして「パクチーハウストーキョー」(世田谷区経堂)のオーナーでもある佐谷恭さんが、現代の新しいマラソンを語ってくれました。


「シャルソン」の仕掛け人、登場!

「ぼくの事業は、何カ国も旅した経験を日本社会に生かして、楽しく遊びながら世界を面白い方向に動かすというもの。シャルソンの前にも、人が気軽に交流できて、旅人の気分を味わえるパクチー専門店『パクチーハウストーキョー』や、みんなでパーティをするように働けるシェアオフィス『PAX Coworking(パックス・コワーキング)』などを手掛けてきました」

佐谷恭

“交流”をキーワードとする飲食店、そしてオフィス。これらの次に手掛けたのが“交流するマラソン(シャルソン)”だったといいます。

第1回ウルトラシャルソン

2014年8月に行われた「第1回ウルトラシャルソン」の模様

「『シャルソン』とは、ソーシャルマラソンの略。『走ることを通じて街を再発見し、人と人がつながる』ことを目的としたランニングイベントです。もともとは2012年2月に『経堂マラソン』としてスタートし、2年4カ月たった今はシャルソンの名で、北は北海道、南は宮崎まで広がりました」


フランスの「メドックマラソン」がヒントに

とはいえ、とにかく走るのがきらいで、高校以降は35歳になるまで一度も走らなかったという佐谷さん。しかし、ひょんなきっかけからマラソンを始め、フランスで毎年9月に行われる『メドックマラソン』に参加したことがシャルソンの発想を得るきっかけになったといいます。

「普通のマラソンは水を飲み、時間のロスをしないことが大切ですよね。富士山マラソンや京都マラソンでも、景色を心から楽しむ余裕はなく、“沿道の応援がうれしい”と思っても、沿道の人と言葉を交わす時間もありません。その点、このマラソンがすごいのは、なんと給水所にワインが置いてあるところです」

しかもワイングラスで出てくるから、立ち止まってワイングラスをクルクルと回したり、ランナー同士でカンパイしたり、『このワインはいいね!』なんて話をしたりしながら走るんだとか。

しかもランナーたちはみんな仮装のいでたち。「それ、何のかっこう?」「面白いね!」なんていいながら走る様子は、佐谷さんいわく「ずーっとパーティしてるみたい」。

メドックマラソン

メドックマラソン公式サイトより

「パーティは楽しいけど、普通は2時間もすると飽きるでしょう? でも、メドックマラソンは6時間ずっとやっていられる。これはすごいなと思った。普通とは違うコミュニケーションを生み出すしくみがあったのです。だから、マラソンイベントを開催するなら、全部を逆にしよう! と思いました」


"記録"より"記憶"で勝負!?

普通のマラソンは、スタートが一緒で、決められたコースを走り、ゴールをしたら自由解散です。その点シャルソンは、スタートは自由、コースも自由でゴールが一緒! 走っている時はスマホで町の魅力を発信し、ゴールした時は自分が発見した面白いものをみんなとシェアする――と、一般的なマラソンとは大きく異なる「“記録”より“記憶”」勝負のイベントなのです。

「申し込むときは、あらかじめ走る距離を決めてもらいます。が、歩いてもOK。バスやタクシーに乗ってもOK。でもパーティは来てね! というルールです。朝10時くらいから夕方6時くらいまでウロウロしてれば10㎞くらいあっという間。でも当人は10㎞いけるなんて全く思ってない。距離に対する感覚がガラッと変わります」

過去に開催されたシャルソンの模様

さらに当日は、飲食店などがボランティアで、“給水ポイント”としてドリンクやごはん、“給電ポイント”として電源などを提供してくれるんだそう。

「これらの給水ポイントは、シャルソン初参加の人、どこに行っていいかわからない人用のスポット。でも、ここを2つくらい巡ると雰囲気がわかってくるので、あとは『この店に行きたい』『あの場所が気になる』と自由きままに動いてもらえばOK。そんなわけで、シャルソンは、参加者の4~5倍の人が関わるといわれています」


自分の街を再発見するマラソン

また、シャルソンは走りながら街の面白いもの、面白い人を積極的に探すので、地元の人にとっては街の再発見になることも。一方、観光客として参加するときは、ガイドブックに載らない場所に触れる機会に。観光地よりも人に会うのが楽しくなってくるんだとか。

さらに、彼らランナーが発見したネタをどんどんSNSで発信していくことで、「そんなにユニークな街ならぜひ行ってみよう!」と新たな観光客への呼び水となることも。参加者にとっても地域にとっても、まさにいいことづくめ。

「ちなみに、ランナー同士のコミュニケーションを生み出すツールは“Tシャツ”。おそろいのTシャツを町で見かけたら、仲間のサイン。イエーイって話しかけたり、エアカンパイをしたりして楽しみます」

おそろいのTシャツは参加者同士の仲間意識を高めるとともに、街ゆく人に対してイベントのPRにもなります。街を巻き込むイベントを画策中の皆さんはこのシャルソン、ぜひご参考あれ!


(文章:矢口あやは)



佐谷 恭

佐谷 恭(さたに きょう) プロフィール
株式会社旅と平和/ご当地シャルソン協会

株式会社旅と平和代表取締役社長。1975年生まれ。
京都大学総合人間学部卒業後、富士通株式会社に入社。関西の新卒採用の責任者などを勤める。
その後、株式会社リサイクルワンの創業期に参画。
株式会社ライブドアの報道部門立ち上げなどを経て、2007年株式会社旅と平和を創立。”交流する飲食店”というコンセプトで「paxi house tokyo」をオープン。
2010年にコワーキングスペース「Pax Coworking」を設立し、「コワーキング」という新しい働き方を東京で初めて実施。そして、International Cialthon Association創始者 として、日本中にCialthonを広めている。




 


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