<イベント考察> チケット販売のコンバージョンについて考える。

イベントに限らず、様々なジャンルでのEコマース(オンライン販売)の売上を構成する要素として、一般的には下記の3つの指標が最も重要だとされています。

集客(トラフィック)×  購買率(コンバージョン)×  客単価(オーダーサイズ)

例えば、あるサイトにユーザーが100回訪れ、3人のお客様が5,000円の商品をそれぞれ2個注文をしたという場合は、

  • 訪問回数(トラフィック) = 100セッション
  • 購買率(コンバージョン) = 3 ÷ 100 = 3%
  • 客単価(オーダーサイズ)= 5,000円 × 2個 = 10,000円

となり、100セッション × 3% × 10,000円 = 30,000円が総売上になります。
売上を倍にしたい場合、「訪問回数」や「客単価」を倍にするのは一朝一夕には難しいことではあったりすのですが、「出来るだけ多くの方に買っていただく仕掛け」すなわちコンバージョンを向上させる施策は工夫次第では実現可能なことも多くあります。
前回の投稿では、イベントに活用すべき集客チャネルについての考察を紹介ましたが、今回はこの購買率(コンバージョン)についての考察をPeaTiXのデータを交えて紹介します。

下記のグラフは、PeaTiXで公開されたイベントページのうち、ある程度の訪問回数(セッション)が集ったイベントより20件ほどのイベントをサンプル抽出してコンバージョンを計測したグラフになります。なお、併せて計測した「チケット完売率」の意味するところはチケット販売の上限数に対して何枚販売できたかを示した指標になります。(すなわち100%はチケット完売となります。)

青い棒グラフが示す通り、これらのイベントのコンバージョンは2%弱から14%強まで最大で 7 倍以上の開きがあることが まず目につきます。一方、赤い棒グラフが示す完売率については、コンバージョンが低くても100%(すなわちチケット完売)のイベントも数多くあることも確認できます。当たり前ではありますが「コンバージョンが低くても、告知が成功して注目が集ればイベントは満席になる」ということをデータは表しています。

conversion_graph

仮にチケット販売上限(=会場のキャパシティ)の8割を越えた枚数を販売できればプロモーション成功という目標を立てたとすると、上記イベントのうちC、H、O、P、Q、Sの6つのイベントは成功に至らなかったということになります。ただし、上から2つのC、Hイベントについてはいずれもコンバージョンが11%/7%強と世間一般のEコマース平均を上回る実績になるので、これらについてはトラフィック不足(=告知不足)ということになりますので今回の考察対象からは除外します。

さて、それでは残りの4つのイベントは何故、コンバージョンが低かったのでしょうか?
こちらについては定量的な分析が難しいので、あくまでも主観的かつ定性的な分析にはなりますが、下記の考察を共有します。

イベントO: 多くのセッションが集る注目イベントではあったのですが、土曜日の早い時間帯からスタートでありながらイベントの告知文を見る限りでは途中参加が難しそうな「ちょっと敷居の高いイベント」という印象をもたれてしまったことが想定されます。

イベントP: 社会人だけでなく多くの学生をターゲットにしたイベントではあったのですが、学割チケットのお手頃が足りなかったために「参加したいけれどちょっと費用が…」といった学生の方々が多かったことが想定されます。

イベントQ: アーティスト、コンテンツともに魅力的な音楽ライブだったのですが、都内近郊の駅から徒歩10分以上と「アクセスの良くない会場」であったことがひとつの要因であった思われます。

イベントS: とても魅力的なキャッチコピーと画像素材が入ったイベントページではありましたが、「自分が参加したらどのように楽しめるのか」という点においてはイメージが沸きにくい告知コンテンツであったことが考えられます。

このように、「気軽さ」「参加費」「会場アクセス」「告知文」など、コンバージョンを左右する要因は数多く存在します。ただ、いずれも「告知サイトへの訪問者数(セッション)」や「客単価」を倍にするよりも「企画や運営の創意工夫で高いコンバージョンが実現できる」ことは間違いありませんので 、ぜひ皆さんも「コンバージョン」を意識したイベント企画を実践してください。

より具体的なアイデアについても、今後ブログで投稿してゆきますので乞うご期待!

 

 

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