Peatixイベント協賛 インタビュー vol.2 [とくらく(東急電鉄)]

「沿線価値の向上」を見据えたイベント協賛

地域コミュニティの活性化×オウンドメディア・コンテンツが生む新たな可能性

東京急行電鉄株式会社 都市創造本部 開発事業部
佐藤 雄飛さん
山口 恵美さん

東急電鉄 佐藤さん 山口さん

東急沿線のまちづくりに関連する記事や駅周辺のニュース、イベント情報などを網羅。東急電鉄のオウンドメディアである『とくらく』は、情報発信はもちろん、沿線住民、沿線コミュニティからの情報、活力をあわせたリアリティのある良質な記事が特徴だ。今回、Peatixの「イベント協賛」を利用。東急沿線でまちづくり活動にかかわるイベント主催者に活動経費の一部や広報などを支援する『シビックプライド支援キャンペーン』を実施し、さらなるコミュニティの活性化、これを通じた『とくらく』自体の活性化を図った。経緯、目的、成果について、担当されたお二人に聞く。


沿線の活性化が、鉄道会社としての発展の源泉


『とくらく』は、2007年、「東急沿線のカスタマーのリアルな声を収集・発信しよう」という目的をもって生まれた情報サイトだ。初期から運営に関わっている山口さんが振り返る。

東急電鉄 山口恵美さん

「当時はSNSの芽生えの時期。沿線の皆様の有益な情報や活動を共有、更新、シェアしていこうという目論見がありました。たとえば、駅周辺のおススメを紹介しあったり、コミュニティをつくっていただく。それを事務局として吸い上げて、ページとして立ち上げるという取り組みをしてきました」 いくつかのフェーズを経て、現在では、沿線でさまざまな形でまちづくりに関する取り組みをしている人、コト、場などを発信するフェーズに移行するなど、沿線の方々のニーズや状況をくみ取りながら「とくらく」のあり方を変えている。


そもそも、鉄道会社の取り組みとして、なぜ、カスタマーと直接コミュニケーションがとれるメディアが必要なのだろうか?単体のビジネスで見れば、旅客を輸送することで、切符を買ってもらうことこそが重要なミッションだ。従来のビジネスモデルでは、そのためにターミナル駅をつくり、デパートなどの商業施設、文化施設、就労場所などを開発することで沿線の魅力と価値を高めてきた。「その流れが変わってきた」と、都市開発、不動産事業と、沿線の価値向上施策にかかわり、『とくらく』の運営に加わった佐藤さんが、東急沿線の特殊性を含めて解説する。

東急電鉄 佐藤雄飛さん

「たとえば1950年代からスタートした、田園都市線沿線の開発。そこから考えればもう3世代です。余白を開発し埋めていくことで、我々の会社も発展してきました。しかし今では、東急沿線全体として、250万世帯、500万人が暮らす街ができ、生活の質の向上が必要な時代に入っています」

当時必要だったのは利便性であり、施設の網羅性だった。

「東急沿線の価値を上げていくことが使命であることは変わりません。しかし、その源泉はなにか?これは私の仮説ですが、我々がゼロから開発を進めていき、ハードとしての街が出来上がっていくことだけではなく、沿線の皆様が活動することによって沿線が活性化してゆくことなのではないか。関係性が変化し、我々と沿線の皆様の相互作用が大切なのではないでしょうか。」

東急電鉄の沿線に住んでいることそのものに価値があるところから、ここに生活しているからこそ自分たちらしいことができる。こうした住民が増えることが東急電鉄の価値につながっていく。300万人を超えれば世界的にはメガシティ。物理的な新規開発や再開発だけではなく、シビックプライドを刺激する取り組みが必要とされるのも世界の潮流といえる。だからこそ『とくらく』を通じてできること。それは地域での動きや取り組みを拾い、すくい上げ、可視化すること。

「街の価値をつくっていく際に、単なる顧客とサービス提供者の関係ではいけない。地元の商店街を活性化する取り組みと、大きな商業施設をまわすやり方は違う。だから、500万人の中から丹念に街の活性化に対してのおもしろい取り組みを探す。それをちょこっと手助けするレベル感。それが記事化して紹介することであるし、5万円という小額でイベントを後押しすることもそのひとつです」(佐藤さん)


「やりたい」という気持ち。その背中を押すために


このような背景からスタートした「シビックプライド支援キャンペーン」。常時、地域イベントの情報は紹介しているが、「ただ情報が集まって、それを紹介するだけ」ではなく、Peatixイベント協賛を利用し、メディアとして「掘り起こし、可視化すること」を狙った。

3週間という短い募集期間だったが予想を上回る応募があり、うれしい誤算となった。結果、「世田谷線沿線でのソーシャルマラソン」「高津区での新旧住民の交流イベント」「港北区での地域・子育てイベント」の3イベントが選ばれた。山口さん、佐藤さんが審査を振り返る。

とくらく(東急電鉄) × Peatix キャンペーン

とくらく(東急電鉄) × Peatix キャンペーンページ

「5万円があることでゼロベースで立ち上げようという方、『とくらく』と組むことで、今までの取り組みに、東急のなにかと組み合わせて充実させていきたいという団体、いろいろありました。その中から、街の取り組みとしてユニークな内容であることはもちろんですが、一発勝負ではなく、今後の活性化に継続や展開が考えられるイベントを選出しました。とはいえ…」(山口さん)

「そう、本当にいいアイデアばかりで迷いましたね(苦笑)。私としては、今回のキャンペーンはテスト的な意味もあって、すぐに始めて、早く検証したい。1月から2月の募集で、3月には実施していただきたい。ですからスピード感、すぐにできそうだ、ということも判断基準にしました。このキャンペーンがひとつのきっかけになればという気持ち。数字だけではなく、沿線の皆さんを応援している、紹介させていただいている。その旗印としてのキャンペーン。主催者のノリと勢いを大切にしながら良いものにしていく上で、Peatixイベント協賛は、スピードと金額感がちょうどよかったですね」(佐藤さん)

「キャンペーンって、どかんとお金と手間をかけるだけじゃないなと。今回少しは皆さんの背中を押せたかな、と思います」(山口さん)

また、今後への布石としても活用できる。

「こうした記事を、主催者の皆さんが事例として使っていただければ、2回目、3回目と続けていく際にいいツールにもなります」(佐藤さん)


メディアが後押しすることの好循環。街の人がやりたいと思っていたことや、身近な困りごとを支援する。それが記事になり、活性化につながる。サポートすることによってイベント主催者の真剣度があがることは、アメでもあり逆にムチであるかもしれない。沿線の活性化、価値を高める施策に、Peatixイベント協賛を組み合わせたキャンペーン。5万円も記事化も、決してご褒美だけではないけれど、『とくらく』にとっても沿線の方々にとっても、小さくともハッピーで、力強い実感を伴ったアクセルになったようだ。


(インタビュー・文:岩瀬大二)


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