大都会の中のローカルメディア。彼らが大切に書いているものとは/ コミュコレ!渋谷2017 Session6

コミュコレ!渋谷2017session6_key

2017年6月17日、東京カルチャーカルチャーにて、ニフティとPeatixの共催イベント、「Community Collection Shibuya ( コミュコレ!渋谷 ) 2017」を開催しました!

土曜日の夜の開催にも関わらず、スピーカー25名、参加者総勢100名近くの方々にお集まりいただき、大盛況となりました!

大いに盛り上がった9つのトークセッションのレポートです!

 

Session6「渋谷メディアx コミュニティ Part2」

今回のコミュコレ!で唯一2つのセッションができたのは「メディア」。新たな渋谷のメディアの皆さんが登場です。今回は特に「ローカルメディア」に絞り、地域により密着しながら活動をされている方をお迎えします。

 

ゲストスピーカー

・大倉 曉さん(渋谷新聞)

・植原 正太郎さん(greenz.jp コミュニティーエディター)

・高橋 けんぢさん(恵比寿新聞)

 

ー それではみなさん自己紹介からお願いします。

渋谷新聞 大倉さん

渋谷新聞の副編集長を務めております、大倉と申します。渋谷新聞は、シブヤ経済新聞とよく間違えられるんですけど、2015年からスタートして3年目を迎えました。今日はみなさん、「渋谷」というキーワードで集まってらっしゃると思うんですけど、僕たちが扱っているものを一言でいうと、「渋谷で起こっている物事の背景を伝える」ということです。

 

渋谷のファッションとか音楽とか、渋谷で今起こっていることについては知られていると思うのですが、その裏側についてはよく知らない。「渋谷」というと外から来ている人のイメージが強いですが、先ほどのセッションでも出た「町会」とか「商店街」など、それを受け止めている地元の人だとか、そこに昔から住んでいる人がたくさんいるんです。そういうところに光を当てていきたいという思いでやってます。

 

ー 植原さんはさっき出てもらったから飛ばして……と思ったけど、greenz.jpの話してもらってなかったですね!?(笑)

 

greenz.jp 植原さん

greenz.jpというのは2006年に創刊しまして、街づくりとか子育てとか、教育とか、社会づくりをしている人を紹介しています。「ほしい未来は、つくろう。」というスローガンでやってまして、世の中の問題や社会課題を企業や行政に丸投げして解決してもらおうとするのではなくて、市民が一個人として取り組んでいくということを応援するメディアです。

 

恵比寿新聞 高橋さん

恵比寿新聞の高橋です。始めたのはもう9年前くらいですね。元々、「街の人面白いなー。なんか漫画に出てきそうな人いっぱいいるなー。なんで誰も取り上げないんだろう。」と思っていて。いま渋谷新聞さんと同じ系列で仲良くさせてもらっていて、だからなんか格好も帽子と黒Tシャツって合わせてきたみたいになっちゃって(会場笑)

で、9年前から始めてるんですけど、どちらかというとヒト語りをするようなメディアです。ものを取材するメディアが多いと思うんですけど、そうじゃなくてヒトに焦点を当てる、というのをやってます。なので、恵比寿にいる人の図鑑だと思ってますね。

 

あと僕、半分は新聞の編集長やってるんですけど、半分は「地域コーディネーター」っていう渋谷区の非常勤職員をやっています。で、地域と保育園をつなげたり、企業と保育園をつなげたり、いろんなものをがっちゃんこするようなこともやってます。

 

ローカルメディアだからこそ大切にしていること

ー ローカルメディアと都市の関係性について、なにか意識していることはありますか?恵比寿新聞は「ヒト」ということでしたが、渋谷新聞はいかがでしょうか?

大倉さん:

ヒトとかコトとか、起きてることの裏側や背景を掘り下げていきたいと思っていますね。例えば最近の事例でいくと、例代祭といって、渋谷の109の前に神輿が14〜15台集まって、道玄坂を一気に担いで上がってくというお祭りがあるんですが…….見たことある人いますか?

 

ー 会場のみなさんどうでしょう?1割程度かな……あんまりいませんね。

 

大倉さん:

そうなんですよ、ほとんど知らないんです、そういうローカルで行われていることって。もともとあるお祭りなんです。でも実はそういうお祭りって、渋谷に住んでいる人たちの心のよりどころになっていたりする。神社が、その街の町会のつながりの中での一番小さなコミュニティとして、しっかり成り立っているということを、僕らも取材をする中で知りました。

 

そこで、実際にそのお祭りをやっていく神社の方に話を聞いたり、お祭りの準備をする町会の人に話を聞いたりしながら、そういうことの裏側を探るということを意識してやっています。

 

あとは、渋谷だとチェーン店などたくさんあるのですが、そうではなくて独立開業してやっている人たちだとか、渋谷に根付いてやっている人を取り上げています。ビジネスのためにやっているというよりは、渋谷というこの場所でやる意味や、そこにいる人とどうつながってやっていくかということを考えている人や、その背景をとりあげていきたいですね。

 

渋谷と恵比寿:同じ渋谷区のエリアの違い

ー 高橋さん、渋谷と恵比寿っていうのは同じ渋谷区ではありますが、土地のカラーの違いはあるんですか?

 

高橋さん:

全然違いますね。恵比寿は「住みたい街ナンバー1」と言われて2年目なんですが、全然下町なんですよ。おしゃれして歩いてたら、オバちゃんが「あれ、デート行っちゃうの?」とかそんなツッコミ入れてきますからね(会場笑)。メディアに出てる恵比寿と、住んでる感じは違うんです。

 

でも色々問題もあって。いますごく地価も上がってるんで、どんどん元々住んでた人たちがいなくなって、マンションができる。そこに新しい人たちが住んでくるんですよ。すると全くコミュニティに溶け込めない。で、お子さんとかいる世代が多いので、僕ら「こども食堂」もやってるんですね。渋谷区で一番最初に始まったこども食堂です。

 

ー こども食堂ってどういう取り組みなんですか?

 

高橋さん:

近所の子どもたちが集まってくる場所です。最近だったら「貧困」とか「孤食」といったテーマを解決する為にやっているところが多いですが、ぼくらはそうじゃなくて、「21世紀型のご近所づきあいしませんか?」という感じでやってます。そしたら美人の奥さんがいっぱい集まっちゃって……!(会場笑)。まぁそういう訳でこちらも一生懸命やってます。

 

ー せっかくいい話だと思って聞いてたら(笑)

高橋さん:

(笑)  いま事務所の1階で月に2回やっているんですけど、ほぼ満席ですね。

 

いろいろな「ローカル」のかたち

ー greenz.jpさんも「ローカル」という点で関わることもあるかと思いますがどうでしょう。

植原さん:

greenz.jpは今までは日本全国のそれぞれの取り組みを紹介していくという点でローカルだったんですね。グリーンズは2年前に神宮前にオフィスを引っ越したんですが、すぐにはあまり渋谷とのつながりもなくて。そして先ほどの「渋谷をつなげる30人」に参加したのがきっかけで、渋谷とのつながりができてきた感じです。

 

高橋さん:

この前一緒に、ガーデンプレイスで畑やったよね。

渋谷のローカルっていう、渋谷で農家やってる人がいるんですよ。小倉さんっていう。その彼が監修した畑がガーデンプレイスにできて、グリーンズさんと一緒にゴールデンウィークに行って楽しんできました。

 

ー グリーンズさんの「ほしい未来は、つくろう」というコンセプトは面白いと思うのですが、この着想はどこからきているんですか?

 

植原さん:

震災の以降に暮らし方とか働き方とか、社会全体を考えたいと思ったときに、自分たちでアクションしないと何も変わらないっていう思いがあったんですね。なので、そういうプレイヤーを紹介して、取り組みを1,000字くらいで紹介するだけじゃなくて、その人の思いだとか目指している方向をちゃんと4,000字くらいのインタビューで紹介していく。

 

人がこれに参加したいな、とか協力したいなって思うときって、その相手の思いに共感するときだと思っていて、greenz.jpはそういうところを扱うメディアとしてやっていきたいと思っています。

 

ー ローカルメディアは特に、「ヒト」というところを大切にしていくという感じなんですかね。

 

高橋さん:

取材で出身地などを聞いてそれを記事にすると、「おれも(出身地が)ここなんですよ」という人たちが集まってくる。ハコになっちゃうんですよね。渋谷に住んでて、同じ出身地っていうことで人が集まってきちゃう。そういう共通のキーワードを取材してあげるっていうのはローカルなメディアが大切にするポイントだと思うんですよね。そうするとつながりが見える。

 

Session6を終えて……

ー 皆さんが扱うテーマにはギャップがあると思うんです。渋谷と恵比寿を切り出してみても「大都会の側面と下町の側面」、「働きにきている人と住んでいる人」というギャップ。greenz.jpさんにしてみても、「世の中を良くする為に活動しようとする人と、そういうことを知らない・または関心がない人」のギャップがあると思うんですね。

皆さんはそういったギャップをどのように捉えているか、それをどのようにつないでいこうと考えておられるのか、お聞きしたいです。

高橋さん:

それはやっぱり「場」ですね。イベント。わかりやすくいろんな人をつなげられる。住民と、そうでない人をつなげる場所をメディアも提供できると思います。

 

植原さん:

「社会活動」、「街を良くしよう」とかって、あまりにも高貴な活動で、煙たがられることもあるんですけど、街づくり自体が楽しいということになれば誰でも参加してくれると思うんです。

 

恵比寿新聞さんが恵比寿ガーデンプレイスで農場をやることって、「子どもに野菜を作る体験をさせたい」っていうことで親御さんが来て、それが結果的に街づくりになっていくと思うんですよね。その「楽しさ」をメディアとして発信していきたいと思います。

 

大倉さん:

ふたつあると思っていて、まず「場」というのは僕も大事だと思います。このプロジェクト以外にも国内外で「野外の映画館を作る」という旅をしているんですけど、スクリーンという共通の装置があると、その周りに大人も子どもも集まってくる。そこでみんなが楽しめたり、違う文化を体験しあったりできると思うんです。

 

特に渋谷は音楽や映画、ファッションなど、いろいろなものの土壌がすごく豊かですから、そこにどうやって木を生やしていくかっていうことを考えてます。

 

あとはLGBTとかもそうなんですけど、自分と人の理解の境界線っていうのがあって、違うんだなって理解することは多様性を理解する上で重要な一歩だと思います。

「境界線」と「違い」ということでいえば、「昼と夜の違い」というのも渋谷のこれからの新しい側面です。今、渋谷のナイトカルチャーをもっと発信していこうという動きが起こっていますが、昼の顔と夜の顔の境界線も、まずはそれを認識して、それをどうつないでいくか考えていくと面白いのではと考えていますね。

 

そういう境界線をみんなが理解して興味を持つといいなと思います。そのために場だとか、メディアが重要なキーになってくると思います。


大都会だからこそ見えにくい物事の背景や、そこにいる人を丁寧に追っているローカルメディアのみなさん。読んでみると新しい「シブヤ」感が得られるかも!

[ご登場いただいた皆さんが活躍されている場所はこちら!]

渋谷新聞

greenz.jp

恵比寿新聞

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PeatixのマーケティングとPRを担当。Peatixの思いやサービス内容を伝える仕事をする一方、イベント・コミュニティ主催者の魅力やストーリーに迫るイベントサロンの運営メンバーでもある。人に会って話を聞くこと、自分の知らなかった世界に触れることが好き。