知り合いベースではない、全く新しい層からも集客できた。 WCCインタビュー

 

 

Web Creator Conference主催 シスウ株式会社
代表取締役 星野 善彦氏

 

 

イベント主催にはノウハウが必要ですが、誰でも初めからプロだった訳ではありません。Web Creator Conferenceを主催されたシスウ(株)の星野様も、普段はプラグインなどの開発をしているエンジニアです。このイベントにはそうそうたる登壇者が参加していますが、どういう目的でどのように企画されたのかお話を伺いました。

 

実体験に基づく問題意識もあり「コンテンツとシステムが交わる場」というテーマに

 

  −− Web Creator Conference を企画された経緯を教えて頂けますか。

私はエンジニアで、WordPress のプラグインを2014年11月頃に開発しました。ユーザーはブロガーや編集者を想定していました。 具体的なユーザー候補のリストアップは既に済んでいたので、次にどうしたら彼らと接点を持てるか考えました。

今回のイベントの共同主催者でもある同僚に相談したところ、WEBライターなどコンテンツを作る人とシステムの人が出会えるイベントがいいのではないかとアドバイスいただき企画しました。 実は、このテーマは私たち二人の実体験から来ています。共同主催者の鳥井さんは「灯台もと暮らし」 というメディアを運営しており、コンテンツ作成や編集のプロです。このサイトのシステム構築をお手伝いしたきっかけで、私は彼と知り合いました。

その際に、自分たちのように、コンテンツを作る人とシステムの人が分断されてしまっている問題点について話をしました。 例えば、コンテンツ作成者はいい文章やバズるコンテンツの作成は得意ですが、サイトのモバイル対応などシステムの問題に弱く、システムの人は解決策を見つけ出すのに時間がかかります。

しかし、私のようなシステムの人間は最適な解決法を知っていて、的確なアドバイスが直ぐに出来ます。この体験が「コンテンツとシステムが交わる場」という、今回のイベントのテーマへと繋がっています。 当初は、ユーザー対象者との出会いが目的でしたが、同時にこういった問題意識からイベントを企画しました。  

 

−− どうやって具体的な企画に落とし込みましたか?

イベントの大きなテーマが決まったところで、次に、イベントを広める為にインフルエンサーの方を無料で招待しようと考えました。 招待したい方はリストアップできていたので、彼らに来てもらうにはどんな内容がいいかという観点から詳細を練りました。登壇者は友達経由で連絡をとれる範囲で考えました。

 

セッションは「最新」であることを重視メディアを無料で招待したら自然と記事が出ていた

 

  −− とても魅力的な登壇メンバーですが、セッションではどういう話をしたのですか?

LIGとサイボウズ式のセッションでは、「PV至上主義を捨て、ブランディングへ」というタイトルで企業メディアの新しい形について話して頂きました。セッションの企画では、「最新」であることを重視していたこともあり「脱PV主義」のような少し煽る感じのテーマにしました。

詳細はログミーの記事でも紹介されていますが、両社の考える企業サイトのメディア運営や目的、さらにはSEOの考え方などについて話していただきました。両社ともスタンスが違いとても興味深かったです。 この、LIGの朽木誠一郎編集長とサイボウズ式の藤村能光編集長のセッションは、ログミーで4本の記事になって紹介されています。 いいね!やツイートも沢山つきました。

このように、魅力的なイベントを企画して記事を書いていただきたいメディアを無料で招待したら、自然と記事が出ていました。特に記事の仕込みはしていません。

セッションテーマは、イベントに参加いただいた編集者が、次の企画会議で取り上げたくなるトピックを意識して選びました。 または、ブロガーの方が次の日に書くブログのネタになる事も意識しています。お陰様で、ブロガーの「gori.me」「男子ハック」 にも次の日に記事を書いてくださいました。 このように、多くの方にイベントに関する記事を出してもらえ、狙った通りの結果が得られました。

 

「相談ブース」のような細かい企画も集客に役立った

 

  −− やはり登壇者やセッションの企画は集客の成功の鍵ですね。

もちろん、登壇者やセッション企画の魅力は、イベント集客に役立ったと思いますが、それだけではなかったと思います。

イベント内に設定した「相談ブース」の存在もよかったと思います。 セッション以外に、有識者にその場で相談できるブースを作りました。WEB集客のコンサルタントやシステムのコンサルタントの知り合いに頼みブースに常駐してもらいました。コンサルタントの人は潜在顧客と出会える場になり、参加者にとっては直接相談できるという、両者にとって利点がある企画でした。 こういった細かい企画もイベント集客に大変役立ったと思います。

 

 イベントのクオリティ感を大切に、ページのデザインにも手を抜かず 

 

  −− 100名規模の大きなイベントだったと思いますが、企画はいつ頃からしましたか?

今回のイベントは、2014年12月はじめころに話がでてきて、1ヶ月後の1月18日にはイベントを開催しています。とてもタイトな時間で準備を進めました。

Peatixは、もともとユーザーで知っていたので、自然とイベント作成と管理に活用しました。イベントページ作成は簡単で、ベースは1-2時間で作れました。Peatixのイベントページにはトップ画像を設定できますが、知り合いから、イベントページのトップ画像は大切だから手を抜かないようにアドバイスを受けました。(※1 このページのトップ画像) そこで、登壇者の一人でもあったデザイナーに画像を作ってもらい、イベントページに使いました。イベントのクオリティ感を大切にしていたので、必要であればプロに依頼して、ページのデザインにも手を抜かないようにしました。

その後は、イベントの詳細が決まる度にページを更新していきました。 イベント公開が、年末だったということもあり、12月末の段階で応募者は10名程度しかいませんでした。この頃は、登壇者や主催者レベルでFacebookやTwitterを中心にイベントの告知をしている程度でした。 目標は100名以上だったので、何かしなくてはと考え、年明けの早い段階で興味を持ってくれそうな知り合い80名に個別に連絡をとりました。 Peatixはイベントページ上で参加者名や参加者数の表示を自由に切り替えられますが、参加者が16人になった段階で、それまで非表示にしていた参加者数を公開しました。参加者名を公開してからは、毎日順調に応募が増えていきました。

 

小さなアップデートを重ねながら、最後にPeatixのイベント紹介メールを送る

 

  −− 年末という事もあり、はじめは集客に困られていたようですが、他に何か工夫はされましたか?

プレゼント企画やスポンサーなどの小さなおまけを、イベント公開後に徐々に追加していくようにしました。 そうすることで追加情報として重ねてイベント告知を方々でしてもらえ、イベント集客に効果があるという同僚のアドバイスを実践しました。このような小さな特典も集客の後押しになったと思います。 こういった小さなアップデートを重ねながら、最後にPeatixの「イベント紹介メール」を送りました。お陰様でイベント前にチケットは完売しました。

 

参加者のターゲットは「ブロガー」「WEBメディア」など職業で考えていた

 

  −−  Peatixのイベント集客サービスはどういった経緯で依頼することにしたのですか?

応募者の情報を見てみると、知り合いベースではありましたが、接点を持ちたいWebメディアや大手ブロガーの方々に申し込んで頂いていました。 しかし、まだ私たちと接点がないメディアなどからもご参加いただきたいと考えていました。

そこで、ターゲットに合ったイベントをキーワードで抽出し、その参加者へレコメンドメールを送れるPeatixの有料の「イベント紹介メール」を使うことにしました。

 

−− Peatixのイベント紹介メールのターゲット設定はどのようにされましたか?

ターゲットは職業で考えていたので、Peatixの担当者へは、例えば「ブロガー」「WEBメディア」「システム」などの職業名をキーワードとしていくつか知らせました。 このキーワードをもとに、Peatixのユーザーから対象者を抽出していただきました。配信数で値段が決まる仕組みだったと思いますが、最低予算の30,000円(※)でメール配信を依頼しました。 (※)2014年12月の情報で、現在は最低予算は変更しています。詳細はこちら

 

とても質のよい配信先グループを抽出できた

 

  しかし、はじめに設定したキーワードでは対象者がとても多くなってしまいました。もっと濃いターゲットグループを抽出するために、さらに絞り込んだ方がいいのではないかと、Peatixの担当者からアドバイスをいただきました。

そこで優先順位が低いキーワードを削除すると同時に「編集長」というキーワードで絞ってもらいました。とてもいいアドバイスだったと思います。結果、とても質のよいグループを抽出することができ、限られた予算でも効果的にメールを送ることができました。 ターゲットを絞るやりとりは数日で済み、メールを配信しました。さらに担当者には、メールの開封率がよい日時までアドバイスしていただきました。 「イベント紹介メール」の依頼をしてから配信するまで、1週間以内で済んだと思います。

 

−− Peatixのイベント招待メールを配信した後、応募者に何か違いはありましたか?

はい、ありました。私が把握しているだけでも、大きなメディアの編集長や編集者、大手企業からも参加者が多くいて驚きました。 EC系のWEB担当者の方もいました。とにかく、いろいろな方にご参加いただけたので、びっくりしました。彼らがどこからイベントに来てくれたかまでは追っていなかったのですが、明らかに知り合いベースで集客していた段階ではリーチできない、全く新しい層でした。 配信後に申し込みがあったので、Peatix経由でイベントを知って参加してくれたと思います。

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イベントページへの流入は、 SNS経由が40%、Peatixから20 %あった

 

  −− Peatixの管理画面でイベントページの流入元は確認しましたか?

はい、しました。Peatixの管理画面でページ流入元を見てみると、FacebookやTwitterなどのSNSが40%、ブロガーの記事 5%、Peatixからは有料のイベント紹介メール含め20%くらいきていました。 Peatixからの自然流入もとても多かったです。あくまでもイベントページのPV数になるので申込者数ではありませんが、参考になりました。

 

−− 参加者がどこから来たかデータを回収しなかったそうですが、Peatixのフォーム機能は知っていましたか?

確かにフォーム機能はありましたが、今回は時間もなくフォームを使って認知経路をとる余裕がありませんでした。しかし、今後は是非利用してみたいと思います。 また、今回は受付で名刺も回収しなかったのですが、今後のイベントではきちんと名刺を集めてその後のセールス対策もきちんとしたいと思います。

 

−− プラグインに関しては、イベントでプロモーションなどされましたか?

はじめの主催者挨拶で、少しだけ宣伝させていただきましたが、そこまで効果を期待していませんでした。ユーザー対象者のブロガーや編集者を無料でイベントに呼んでいたので、そういった方々と個別に名刺交換やFacebookで繋がれればいいと考えていました。 しかし、結果的にイベントが成功し、想像以上に多くの魅力的な方にご参加いただけたので、受付で名刺回収などしておけばよかったと感じています。

 

ターゲットを具体的にリストアップしてから企画を考える

 

  −− こういったプロモーションも含んだイベントの企画で何かコツはありますか?

参加者のターゲットを設定するイベントでは、まずはリストアップありきだいと思います。呼びたいターゲットをリストアップして、彼らを呼ぶために企画を考えます。 リストアップする際は、例えば「編集者」といった曖昧な設定ではなく、今回であれば、LIGの朽木さん、gori.meといった感じで、具体的な名前を出します。彼らに登壇してもらったり、参加してもらう為にはどういう企画がささるのか、という観点から企画を考えます。 今回は結果がついてきて、想定していた方に参加いただき、こちらから頼まなくてもイベントの記事もいくつか書いてくださいました。 あとは、当日の対応面でもう少し効果的な方法があったかもしれません。具体的には、受付での名刺回収と誰が誰なのかといった顔のチェックまでできると理想的です。イベント内でも必要であれば直接コミュニケーションをとれればいいと思います。

 

−− Peatixの主催者フォロー機能はどうでしたか?また、次回の開催は考えていますか?

フォロー機能は、イベントに参加した人はデフォルトで主催者をフォローするようになっていて、次回イベント開催の際に自動でお知らせが流れる機能だったと思いますが、1回目のイベントの後は、フォローが70名ほど付いていました。 当初は継続開催は考えていなかったので、フォロー機能の存在は知っている程度でした。しかし、現在は第2回目を検討しているので、その際は役立つ機能だと感じています。

次回開催の日程は、具体的に決めていません。現在は、新たなアプリの開発をしておりそちらを優先しています。

第一回目に劣らない魅力的な登壇者のリストアップはできていて、実際に登壇いただけそうなのですが、まずは開発を進めている段階です。やはりこの規模になるとイベント運営もある程度の時間が必要になるので、もう少し時間ができそうな、春以降くらいに第二回目を検討したいと思います。

共同主催者の鳥井さんはこのWCCとは別に編集者向けイベント(編集女子が“私らしく生きるため”の紙コンテンツ作戦会議)を企画しています。ご興味あれば参加いただければと思います。

2015年3月

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