敏腕プログラマーたちが各地で活躍! 地域の課題を解決する「CODE for JAPAN」 #EventSalon レポート

自治体に腕利きのプログラマーを約1年間派遣し、市民が行政に参加しやすくなるためのアプリなどを開発する非営利団体「Code for America(コード・フォー・アメリカ)」。この団体の日本版として、2012年6月に発足したのが「CODE for JAPAN」です。まだまだ耳慣れないこの団体、いったいどんな活動をしているのでしょう? 発起人の関治之さんのご登場です!


ITで世の中をもっと楽しく、便利にしたい!

「バスが来る時刻がアプリで簡単に閲覧できたら便利だなぁ。ゴミ出しの日がいつもよくわからない。もうすぐ市長選挙だけど、誰に投票したらいいんだろう? 自分の税金はどう使われているんだろう? などなど、日々暮らしていると、いろんなお悩みが出てきますよね。そんな地域の課題を、インターネット、ウェブサイト、モバイルアプリなどのITテクノロジーを使って解決しようとしているのが、ぼくらCode for Japanです」

CODE for JAPANのウェブサイト

CODE for JAPANが掲げるコンセプトは「ともに考え、ともに作る」。プログラマー、市民、行政などが一体となって、地域の課題を見つけ、ウェブサービスやアプリなどをはじめとするITの力、そしてデザインの力を駆使して課題を解決していこうという試みを行っています。

とはいえ、これらの課題は地域ごとに多種多様。そこで今、「Code for Japan」の旗印のもとに、各地で「Code for Kanazawa(金沢)」、「Code for Sabae(鯖江)」「Code for Aizu(会津)」などがぞくぞくと立ち上がりつつあるのです。

ちょっと各地の実例をご紹介しましょう。

まずは金沢から! ここでは、“いつどのゴミが収集されているのか”を一目で見せるアプリ『5374.jp』を開発しました。

“いつどのゴミが収集されているのか”を一目で見せるアプリ『5374.jp』

鯖江では、お年寄り向けのIT講座を開いてiPadの使い方を教えたり、ソフトバンクモバイルや鯖江市と共同で写真関連アプリを作成したりしています。会津では、福島県・会津若松市のオープンデータを使用して、公共施設をカテゴリーごとにマップに表示。気になる施設の詳細情報を表示できるアプリなどを作りました。

「このように、それぞれの地域で成功した事例を共有したり、ITで解決したい課題を抱える自治体とプログラマーを結び付ける役割を担っているのが、Code for Japanなのです」


誕生のきっかけは東日本大震災

「ぼくの本職は、位置情報を扱うエンジニアです。つねづね、位置情報やモバイル端末を使って、世の中をもっと楽しく、便利にする仕組みを作りたいと考えていました。エンジニア界ではおなじみの“ハッカソン”と呼ばれる開発イベントに参加したり、企画したりする日々を送ってきました。そんな時に起きたのが、ハイチ地震です」

2010年1月、マグニチュード7の直下型地震がハイチの首都を襲いました。従来の地図が役に立たなくなった時、世界中のプログラマーが立ち上がり、無償提供されている衛星写真をもとに数日のうちに支援用の地図を作り上げたのです。

「このときの経験は、東日本大震災震の際にも生かされました。地震が起きてすぐ災復興支援アプリ開発コミュニティ『Hack For Japan』が立ち上がり、これにぼくも参加したんです。多くの優秀なアプリが生まれ、被災地支援のためのハッカソンが数多く開催されました。でも、2年以上続けてみてわかったのは、ITでボランティア活動を続けるということの厳しさでした。最初は情熱を傾けて、必死で制作に没頭する。でも、現地の人とリアルにつながることはできず、『ありがとう』という言葉を直接聞ける機会はありません。モチベーションを保つのがむずかしかったのです」

とはいえ、IT面での震災サポートは長く続けてこそ、ようやく価値が生まれることもまた事実。震災復興に手をかすプログラマーたちを手助けする仕組みが必要でした。


TED Talkにヒントを得て、アメリカへ!

「手助けする仕組み作りに悩んでいた時、たまたま目にしたのが、NHKで放映された大人気番組『TED Talk』です。Code for Americaを主催するジェニファー・パルカ氏が、テクノロジーを使った市民と行政の新しい協力体制の形に関するプレゼンを行っていました。もう、ビビッときましたね! Code for Americaは政府や自治体を巻き込む仕組みを作り上げ、政府からも信頼される組織になっている。日本でも同じことができるのではないか。そう思ってアメリカへ飛び、パルカ氏に話を聞きに行ったんです」

帰国後、Code for Japan設立を決意した関さんが着手したのは、イベントを立ち上げての“仲間作り”。構想を説明し、協力してくれるプログラマーやデザイナー、地域の課題を見つけてくれる一般の人たちの参加を広く呼びかけました。

「どのくらいの人が参加してくれるか、正直わかりませんでした。でも、ふたを開けてみたら、実はCODE for JAPANのような組織があればいいなと思っていた人が多かったのです。アメリカで聞いた話をシェアする勉強会として、意見交換をしました。こうして、多くの仲間たちとともにCODE for JAPAN設立が実現したんですよ」


エンジニアたちの活躍の場を広げたい!

「今はまだ、自分のスキルが地域で生かせる、身近な人たちの役に立てるということを、考えたこともないプログラマーも多いようです。でも、自分が作ったアプリでお母さんがめちゃくちゃ喜ぶ、リアルな場で『ありがとう』を聞けるというのは、やっぱりとてもうれしいことなんです! CODE for JAPANで活動をはじめてから、ガラッとITの捉え方が変わったプログラマーもいるくらいですよ(笑)」

今ではアメリカからもオフィシャルパートナーとして認められ、国内に拡大し始めたCODE for JAPAN。関さんの夢をかなえる第一歩となったのは、イベントでの仲間作りでした。

「自分が思い描くことを実現するためには、たよれる仲間が必要です。イベントは、仲間集めの手段としてもってこい。夢があるなら、まずは自分の思いを言葉にすること。そして、それを伝えるイベントを企画してみること。最初は小規模でいいんです。トライ&エラーを繰り返すなかで、きっと思いに共感した仲間たちが集まって来てくれますよ」

昔に比べ、今は無料で使えるイベントサービスも増えてきました。FacebookやTwitterは告知ツールになり、誰でもイベント管理やチケット販売ができるサイトも登場しています。みずからの思いや願いを伝えるイベントが、“運命の出会い”を引き寄せてくれるかもしれません。


(文章:矢口あやは)



関治之(Haruyuki Seki)プロフィール
CODE for JAPAN 代表/Georepublic Japan CEO
位置情報系シヴィック・ハッカー。「テクノロジーで、地域をより住みやすく」をモットーに、会社の枠を超えてさまざまなコミュニティで積極的に活動する。東日本大震災時にsinsai.infoという震災情報収集サイトの代表を務めて以降、Hack for Japanというエンジニア系プロボノ集団のメンバーとしてハッカソンやマッピングイヴェントなどを主催してきたが、地域との長期的な関係構築をより組織的に行うことの必要性を感じ、2013年6月にCODE for JAPAN を設立。Code for Americaと連携しながら、テクノロジーによる地域課題解決コミュニティづくりを行っている。内閣府IT戦略本部オープンデータ実務者会議委員なども務める。

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