しくじりはチャレンジの産物。三者三様の経験を経て、進み続ける挑戦者が語る「しくじり」観 : パネルディスカッション/しくじりCEO powered by Logicool

2017年11月14日、「しくじりCEO」あのCEOが失敗談を語る!powered by Logicoolというイベントを開催しました。今をときめくCEOの知られざる失敗談から学び、挑戦する勇気をもらおうという趣旨のイベントです。

本イベントは株式会社ロジクール様との共催で、プレゼンテーションをより伝わりやすくする革新的なツール(プレゼンター)「SPOTLIGHT」を登壇者に使いこなして頂きました。

 

本編でお話いただいたアフロマンス氏、須藤氏、宮田氏と、モデレーターのPeatix原田が、プレゼンテーションでのしくじり話や、しくじりそのものについてざっくばらんに話しました。

 

[しくじりCEO powered by Logicool その他のトークレポート]

▶︎ Afro&Co. アフロマンス氏:派手に打ち上げ、派手に転んできた。華やかに見える表舞台の裏で綿密にイベントを設計する、アフロマンス氏のしくじりの数々とそこからの教訓とは

▶︎Kaizen Platform 須藤 憲司氏 : スタートアップが本当に息絶えるときとはいつなのか。Kaizen Platform須藤氏が語る、資金ショートの危機に陥ったときにCEOがなすべき仕事とは

▶︎わかっていても陥りがちな「スタートアップあるある」のしくじり。SmartHR宮田氏の失敗の経験と、そこから今思うこと

 


しくじりはチャレンジの産物。三者三様の経験を経て、進み続ける挑戦者が語る「しくじり」観 

【原田】どうですか、失敗談を話してみて。成功体験より、失敗談を話した方が意外と分かりやすいのではといつも思うんですけれど。

 

【アフロマンス】失敗談の方が学びはありますよね。話す方としては、自慢話はそれはそれで気持ち良いので、ついつい「こういうことをやりとげたぜ」と話しがちですが……。失敗談の方がためになると思います。

 

プレゼンをスムーズに進行するために意外と大切なツール。今日のSPOTLIGHTはどうだった?

【原田】今日使っていただいたロジクールさんの「SPOTLIGHT」の使い勝手はどうでした?ハイライト機能やズーム機能は、見ていて面白かったです。

 

【須藤】最初にソフトウェアを入れたり充電したりするんだけど、UXがとてもよかったですね。ガイドがとにかく気が利いていて、わかりやすかった。

 

【宮田】本当にそう思いました。Peatixさんとの打ち合わせのとき「使い方教えてください」と言ってPCに挿したんですけど、どんどんチュートリアルが進めてくれたので「すいません、聞かなくて大丈夫でした」って感じでした。

プレゼンの失敗談はある?

【原田】お三方ともプレゼンされること多いですよね。何かプレゼンの失敗談はありますか?こういうツール、もっと良いツールがあったらな、という小話みたいなものはあります?

 

【アフロマンス】手元で操作できるデバイスを用意していないイベントも意外と多いですね。そうするとプロジェクタのそばでしか話せなくなる。今回のようなデバイスがあればいいですね。

プレゼンの失敗談としてはやはり、聞く側が求めているものとマッチしないときは最悪なきがします。僕がイベントのノウハウみたいな話をしているのに、誰もイベントをやる気はないという場とか。マッチングにミスがあると「今日は失敗したな」と思いますね。

 

【須藤】僕は毎回「すべっていても、とにかく楽しくやろう」とだけ思ってますね。多分かなり失敗していますが、本人はご機嫌にやっているので、すごくハッピーです。

 

【宮田】この直前に大学で話をしてきたんですが、そのときに機材チェックを「大丈夫です」とすっ飛ばしちゃったんです。ところがいざ挿してみたら動かなくて……。5分間焦りました。ツールは大事ですね。

日本社会は失敗に不寛容なのか?

【原田】ちょっと「失敗」の話をさせてください。そもそもこのイベントを企画したのは、よく言われる「日本社会は失敗への許容度がすごく低い」ということからです。その雰囲気は少しずつ良くなっていると思いますか?スタートアップに失敗はつきものだと思いますが、投資家、株主、従業員も含めて、そこは浸透していると思います?個人的には、少し変わってきたような気がするのですけれども……。

 

【須藤】変わってきたんじゃないですかね。結局どこの国に行っても、失敗したら冷ややかな空気が流れると思います。だからキャラクターが重要な気がして。「失敗をすりぬけられるヤツ」というキャラクターをいかに確立するかだと思ってます。社会がどうであれ、不寛容であってもしょうがない。「アイツはまぁしょうがない」と思わせるキャラクターで頑張っていこうと思ってます。

 

【宮田】資金調達するときは自社の情報を相当共有します。過去の失敗の経験もけっこう書くんですよね。いつも「大丈夫かな?大丈夫かな?」とドキドキしながら出しますが、大体通っているので、割と大丈夫だと思います。

 

【アフロマンス】僕、「しくじり」という言葉が良いと思っていて。混同しがちだけど「しくじり」と「失敗」は違うと思うんです。「売り上げ30%ダウン」も結果的に回復しているわけで、失敗じゃない。しくじりを堂々としゃべれるのは、失敗したと思ってないからだと思うんです。要するに「痛い目」であって、まあまあ勉強になったなという許容範囲なのかなと思います。

 

スタートアップに出資するベンチャーキャピタルのしくじりに対する態度は

【原田】いろいろ問題にぶち当たっていくのは、ビジネスや会社を作っていく上で、不可欠だと思います。競合がいれば同じ問題にぶち当たるんですよ。でもタイミングの差があって、こっちが先にしくじってそこから学んでいれば、先に行ける。なので、小さなしくじりを重ねていくのは本当に良いことだなと。しすぎは良くないですが。日本のベンチャーキャピタリストはどうですか?失敗を承認してくれるかどうかとか。

 

【宮田】割とみんな奨励していますね。例えば、夏にテレビCMをやったときもみんな「いいね、いいね!」という反応で。VCは「早く失敗してね」とよく言いますね。ギリギリまで粘って失敗されると取り返しがつかないけれど、早めに失敗してリカバリーしようというのは、割と認識が合っているように感じます。

 

【須藤】さっきのアフロさん話に通じますが、死ななければ良くて。死なない程度の失敗ならしても良い。ぶっちゃけ過ぎかもしれませんが、人の言っていることはそんなに気にしません。結局、事業を真剣にやろうとか、これをやりたいと思っていたら、失敗するとか言われても知ったことねぇよ、ということがあるじゃないですか。

要するに、人の言うことに耳を傾けなきゃいけない状況をどうやって避けるか、ということも結構大事だなと思ってまして。ピンチになったときも、「とりあえず今何とかしているようだから放っておこう」と思ってくれるような人、自分たちがフィットする人たちと仕事をしていくべきだなというのは、すごい学びでした。

 

会社内でも、しくじりを奨励する文化を作っているか

【原田】社員の皆さんにもしくじって良いよという雰囲気を積極的に作っていますか?最終的な経営陣の責任もあると思いますが、その辺りはどういう感覚ですか?

 

【宮田】うちはほぼ、ハンズオフで任せています。情報を本当にオープンにして、僕が持っている情報とメンバーの持っている情報を同じにすることだけ気を付けています。あとは任せて、失敗して勝手に伸びて、という感じですね。

 

【須藤】そんなに奨励はしてませんが、まぁ失敗しますよね。それってあまりコントロールできないと思うんです。わざと失敗する人もいないので、そういうものじゃないかなと思ってます。

 

身の丈以上のことをやろうとするとしくじりが起こる。しくじりは挑戦の産物だ

【アフロマンス】しくじり推奨という話でいくと、「年に1回くらい、でかいしくじりをしている」と話しましたが、それって大体、でかいチャレンジと紐づいてるんですよ。多分しくじりって、自分ができないレベルのことをやろうとするから発生する。そりゃそうじゃないですか。自分が10個できるという中の10個をこなしている限り、基本的にしくじりなんて起こらない。

要は、自分の身の丈以上のレベルにいこうとするから、しくじる訳であって。そう思うと、年に1回くらいでかいことをやろうとすると、初回にだいたい失敗というか、しくじりがある。赤字になるとか(笑)

 

 

実は今年あまりしくじっていなくて。今回のプレゼン資料を作るときに、「今年はまだでかいしくじりをしていない、つまり挑戦してないな」と自分で実感したんです。やったことをないことをやるなら、うまくできないに決まってる。だとすると、しくじりは挑戦の産物ですから、そういう意味ではどんどんやったほうが良いんじゃないかと思います。

 

【原田】ちょうど時間も来ました。本日はありがとうございました、本当に。皆でしくじっていきましょう。これをシリーズ化したいと思っているので、今後ともこれがコミュニティになって、どんどん挑戦が広がっていくことを期待しています。本日はありがとうございました。

 

 

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