変化し続ける渋谷。副区長・大手デベロッパー・NY&渋谷拠点のスタートアップが語る、都市とコミュニティのこれからのあり方とは / コミュコレ!×イベントサロンvol.1 [Session1:コミュニティ×渋谷]

2017年11月21日、東京カルチャーカルチャーとPeatixの共催イベント、「コミュコレ!×イベントサロンvol.1」を開催しました!

2017年6月、渋谷のコミュニティのキーパーソンが集結した「コミュコレ!渋谷」を拡大し、東京カルチャーカルチャーとPeatixの「コミュニティソムリエ」がイベント・コミュニティに関わる人たちを紹介していくイベントです。

Peatixは2013年よりイベント・コミュニティ主催者のためのイベント「イベントサロン」を開催しており、そこに登場していただいた素敵な主催者さんを紹介しました。

多岐にわたる7つのトークセッションレポートです!

 

変化し続ける渋谷。副区長・大手デベロッパー・NY&渋谷拠点のスタートアップが語る、都市とコミュニティのこれからのあり方とは 


[Session1:コミュニティ×渋谷]


▶︎ゲストスピーカー

澤田 伸さん(渋谷区副区長)
貴島 邦彦さん(東急電鉄)
原田 卓(Peatix Inc.)

 

<ソムリエ河原>
渋谷区は再開発や区長の元の改革など、変化の時期ですね。その中に「コミュニティ」というキーワードがあるので、それを掘り下げていこうと思います。

まずは東急電鉄の貴島さん。どんどんビルが建ってますね。開発を進めていく中で、東急さんは「エンターテイメントシティ渋谷」をスローガンにしていますが、基本的には街づくりの中でどうコミュニティに関わっていきたいとお考えですか?

 

貴島 邦彦さん(東急電鉄)

「日本一訪れたい街」に。面白い人に集まってきてもらいたい

<貴島さん>
「エンターテイメントシティ」もそうですが、「日本一訪れたい街」という言い方もしていて、基本的に人に集まってもらいたい。人が集まるとそれがまた更に人を呼ぶと思ってます。

そのために大切なのは、面白い人がたくさんいるということです。渋谷には昔から面白い人が来ていて、ギャルとかその前はチーマーとか、かなり個性的な人が集まっていたんです。それと同じような形で人を集めていけると新しいコミュニティも構成できるし、面白い人も集まるし、街として良いかなと。

ただ、やり方が難しくて……。東急一社だけで面白いことをやるのは難しい。なので、渋谷区の方針にも重なるかもしれませんが、プラットフォームとして、チャレンジしたり表現したりする人に開かれた街を作っていきたいと思っています。そうすることにで面白い人が来やすいし、表現も増え、それを面白がって来る人も増える。こんなやり方でいけたら良いなと。

 

 

<ソムリエ藤田>
続いてPeatixから今回CEOの卓さんが来ています。Peatixの本社はニューヨークにあり、卓さんも普段はニューヨークにいるんですけど、ちょうど日本に来ているので、この一週間で4個くらいのイベントに参加しています。

 

原田 卓(Peatix Inc.)

街のソフト面やカルチャーをあと押ししてくれるのがNYと渋谷の共通点

<原田>
渋谷とPeatixというところで言うと、Peatixを出す前の創業時からずっと10年近く渋谷区にオフィスがあって。実は我々前職でも渋谷のクロスタワーで働いていました。そこから円山町の真ん中のマンションで起業して、千駄ヶ谷、原宿と、渋谷のディープなところからユースカルチャーの中心地までいろんな場所を経験しています。

 

<ソムリエ藤田>
渋谷で働き、今はニューヨークに住んでるということで、ニューヨークと渋谷の似てる所、違う所ってどんなところでしょうか。多様性という意味では渋谷もかなりの多様性があると思いますが。

 

<原田>
ニューヨークは行政や自治体がカルチャーなど街のソフト面を強く後押ししています。たくさんある古いビルを活用したコワーキングスペースやアクセラレーターの仕組みなど。

渋谷区も東京都や国をすっ飛ばしてそういう動きを後押ししているということで、そこは似ていると思います。あとニューヨークの面白いところは、オフィス街や中心部にたくさん人が住んでることです。そこは結構面白いところで、住まいと職場と商業地帯が融合するとまた違った面白さが出てくるのかなという気もします。

 

澤田 伸さん(渋谷区副区長)

官民がお互いを活かしあい、もっと面白い渋谷へ

<澤田さん>
今年の夏休みにニューヨークに行きました。自費で行ったのに、ずっと向こうで仕事をして…….。ちょっとだけ真面目な話をさせてくださいね。

私もニューヨーク市の動向は研究してまして、副市長やハイライン (ニューヨーク市にある全長2.3mの線形公園。廃線となった鉄道の高架に設営された) のディレクターとも情報交換をしてきました。それを受けて色々な動きをしているところです。例えばそこの宮下公園を民間企業と一緒に新しくしていこうとしています。

 

あの公園は坪単価1,000万超の物件なんですが、全然活用できていない。都市公園の生産性を上げたら、それが付加価値サービスになると思っています。宮下公園に区民よりは来街者の方の利用率の高い公園なのでパブリックスペースとしての公園のマネジメントを民主導に変えて付加価値生産性を上げていきたい。行政がやるといろんなルールや規制があってつまらない公園になる。それをできるだけ緩和して、3階建ての立体都市公園にします。

1階と2階が渋谷区で最も大きい床面積を持つ商業施設。その上に公園ができます。公園の約40%半分はスポーツパークになりますが、そこでパラリンピスト達がデモンストレーションをしたりできるようにします。渋谷区はパラリンピックの競技会場なので。

あとは、マイナースポーツをやりたいです。例えばスケートボード。スケートボードは昔は不良がやるスポーツなんて言われてましたが、今やオリンピック競技です。それから砂場も作ってビーチサッカーなど。残りの半分には天然芝を敷いて、ヨガやピクニックができたりとか。

更に全体をルーバーという屋根で囲み、その上を全部植栽にするので、森に囲まれているような公園になります。おそらく日本でナンバーワンの公園になると自負しています。

うまく官民連携でやることで、新しいイノベーションが起きているということです。行政が自分たちだけで考えるのではなく、官と民の違いをリスペクトし合いながらお互いのリソースを出し合って化学反応を起こしていきます。

 

 

宮下公園以外にもどんどん面白いことをやっていきます。ニューヨークには新しいパークマネジメントの仕組みを導入しているブライアントパークという有名な公園があります。レストランがあったり、夜は映画を観れたり。そして年間で10億円程度の収益を生み出し、運営しているんです。

渋谷はもっと進化できる余地がいっぱいあります。行政が行政としてやらなきゃいけない責任は当然ありますが、東急グループをはじめ、様々な民間企業との協働により、魅力的な街づくりが可能になると信じています。 

<ソムリエ河原>
ニューヨークには貴島さんも行かれてましたよね。ニューヨークのビルも参考にしたとかしないとか。

 

<貴島>
いろいろ刺激を受けて来ました。例えばタイムズスクエアって、地元の人たちを運営に巻き込み彼らがルールを決めているんです。普通は「活動時間・音のボリュームはこれ以下にしろ」とか抑え込む方向に流れがちですが、むしろサイネージはこの数以上は必ず付けてとか、営業のギリギリまでちゃんと点灯しようという意見が出てくる。

そのランドマークの運営自体に地元の人を参加させて、運営を一緒にやっているからこそですね。どちらかというとスクランブル交差点に近い形かもしれないですけど、ああいう考え方は本当に参考になりました。

 

面白い人を呼び、イノベーションが生まれる土壌を作るために意識していることは

<Peatix宮田>
面白い人を呼びたい、新しいことを生み出したいと仰っていましたが、そういう人たちが来て、イノベーションが起こるためにどういうことを心掛けていらっしゃいますか?面白い人を呼びイノベーションを起こすための心構えみたいなものがあれば。


<澤田さん

まずは我々の区のビジョンになっている、「ダイバーシティ」です。誰でも互いに尊重し合い寛容に受け入れる町になることで、交流が盛んなコミュニティを作っていく。

そのためには産官学民だけじゃなくて、我々が力を入れているLGBTパートナーシップのような、マイノリティの方や異なる背景を持つ人たちの力を合わせた場作りやコミュニティの形成が重要だと思っています。必要であればルールの変更などもが同時に行われる必要がある。それが今の渋谷の注力ポイントです。

 

はい、ではそろそろお時間でございます。これからまた6個くらいセッションがあるので、いったんこれでお開きということで。また、話の続きを聞いてみたりしてください。ありがとうございました。

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