2017年11月21日、東京カルチャーカルチャーとPeatixの共催イベント、「コミュコレ!×イベントサロンvol.1」を開催しました!
2017年6月、渋谷のコミュニティのキーパーソンが集結した「コミュコレ!渋谷」を拡大し、東京カルチャーカルチャーとPeatixの「コミュニティソムリエ」がイベント・コミュニティに関わる人たちを紹介していくイベントです。
Peatixは2013年よりイベント・コミュニティ主催者のためのイベント「イベントサロン」を開催しており、そこに登場していただいた素敵な主催者さんを紹介しました。
多岐にわたる7つのトークセッションレポートです!
記者が取材して書くだけがメディアじゃない!情報が溢れるいま、コミュニティとなるメディアを作るには
[Session5:コミュニティ×メディア]
ゲストスピーカー
鵜飼 誠さん(朝日新聞社)
市川 裕康さん(ソーシャルカンパニー)
三石 原士さん(パーソルキャリア株式会社 未来を変えるプロジェクト編集長)
<鵜飼さん>
朝日新聞マーケティング部の鵜飼と申します。先ほど登壇した白石とはこの近くのメディアラボ渋谷で一緒に働いていました。今は築地でマーケティングをやってるんですけど、渋谷に3年いたので、そのコミュニティと一緒に繋がりながらイベントをプロデュースしたり。あとは未来メディアキャンプという、いろんな参加者の方が一緒にチームを組んで地域の課題を解決するためのプロトタイプを作るというプロジェクトに関わったりしています。
<市川さん>
こんばんは、市川と申します。渋谷のビルに入居していたということで渋谷というキーワードと、あとはコミュニティというテーマにすごい興味を持っています。CMC HUB (Community Manager Community HUB/コミュニティマネージャーコミュニティ・ハブ)という団体など、草の根活動をやりながら、ミートアップというプラットフォームの日本語版をやっています。今は海外のトレンドとかをリサーチしながら、日本に入ってこない情報を伝える係をやっています。
<三石さん>
パーソルキャリアの三石です。インテリジェンスという会社が7月に社名変更しました。何をやっているかというと、「これからの働き方を考える」ということをテーマにしたオウンドメディア運営です。2年半くらいやっています。イベントもやっていて、2年半で36回、月1回以上のペースでやっていますね。
メディア立ち上げの前からイベントをやっています。先に仕掛けを話しますと、本来メディアを作るには取材や編集があると思いますが、僕らのところは始点がイベントなんです。40~50人くらいでディスカッションイベントをやるんですね。そこを編集会議として捉えて、その中で発見したアイデアや切り口を活用させて下さいと。そこで出たテーマを取材したりもします。そうした成果物をメディアとして出すんですけど、コミュニティの人たちと一緒にSNSでシェアして、みんなで活動をやっています。
これからは「良い」、「面白い」と思えるものを拾い上げ、一緒に共感して作っていくことが求められていく
鵜飼 誠さん(朝日新聞社)
<ソムリエ河原>
さっき、大企業もコミュニティから逃れられないという話が出ましたね。鵜飼さんはメディアラボ時代からコミュニティ作りにずっと取り組まれてると思いますが、どういった問題意識を持っていますか?またはどんな未来を作りたいという気持ちでやっているんですか?
<鵜飼さん>
先ほどお話があった通り、マスメディアが広く一つのテーマを投げかけて、それが単純に読まれるという仕組みはもう終わってると思うんですよ。では次は何をキーワードにしていくかというと、私みたいな「人」だったり「メディアラボ」だったり「記者」だったりするんですけど、人として人を惹きつけられうかどうか。視点を変えることが必要かと思います。イベントに来て、その後にコトが起きて記録されるという順番なのかなと。
それはジャーナリズムとはまた別なんですけど、世の中を大きくしながら、そこから「良い」とか「面白い」と思えるものを拾い上げていって、共感して一緒に作っていくことはこれから求められていくと思います。そこからできたコミュニティってLikeよりもLoveになると思うので。そういう風になっていきたいです。
シェアされるべき情報がきちんとシェアされる方法づくり
市川 裕康さん(ソーシャルカンパニー)
<ソムリエ藤田>
市川さんがやられている、がんサバイバー・クラブというのは、医療情報をキュレーションして情報提供するというものですよね。通常だと「記事を生み出す」のがメディアだと思いますが、市川さんの場合は「生み出された記事を精査・整理してメディアを作っていく」活動で、そこからさらにコミュニティに発展していってるように見えますが、どのような考えで運営されていますか。
<市川さん>
キュレーションからコミュニティ、イベントはどう連携するのか模索しています。ちょうど昨年頃に、キュレーションメディアの一部は強く批判されましたが、今後トピックやテーマに基づいたコミュニティはすごく重要だと思っていて。それをメディアで発信することで、その場に来れない人にも見えるようにする。シェアされるべき情報がきちんとシェアされる方法づくりには模索が必要です。
みんながライターにはなれないけれど、面白いと思った記事を毎日シェアするだけでもそこがコミュニティになる。今日コミュコレのハッシュタグでツイートした人ってどのくらいいますか?先月ワシントンDCで開催された「オンラインニュースアソシエイション」というジャーナリズムのイベントに参加したのですが、参加者は3,000人くらいで、2日間のイベントで10,000件のツイートがあったんです。
それぞれ、例えば今日であれば「#コミュコレメディア」、「#コミュコレエンタメ」など詳細のハッシュタグがあって、セッションが終わるとハッシュタグを使ってツイッターまとめみたいなことをやる人がいる。だから来てない人はもちろん、参加した人も2度、3度楽しめるんです。1つのイベントを通していろんな楽しみ方ができます。
活動を自分ごとにし、一緒に動いてもらうための工夫
三石 原士さん(パーソルキャリア株式会社 未来を変えるプロジェクト編集長)
<ソムリエ藤田>
三石さんのイベントの場合、そこで生まれたコンテンツが後日配信されて広がっていくんでしたよね。
<三石さん>
はい、いろいろ工夫もしていて。記事のドラフトができた時点で、その時の参加者に「読んでみて、よかったらコメント下さい」と言うんです。そこで集まったコメントを記事の中に入れる。そうするとちょっと自分ごとになるので、記事公開時にシェアをお願いするとすごいシェアされる。そんな感じで、イベントでコミュニティを作ってコンテンツで運営しています。
<ソムリエ藤田>
そういうコミュニティに呼ぶ人をどう選ぶかということについては、なにかお考えがありますか?
<三石さん>
もう36回やっているので、リピーターと、その人たちが誘ってくれる人が、6対4くらいですね。やっぱり最初が一番難しかったですね。最初はこういう人に来て欲しいという人を集めて、その人たちに満足してもらえるように意識しました。
そうすればあとは、このイベントに興味を持ちそうな一番面白い人を誘って下さいとお願いすると、知り合いの中で一番面白い方を連れてきてくれるので、新陳代謝が起こるという仕組みです。
情報が溢れる世の中で、どんなメディアとしてあり続けたいのか
<Peatix 宮田>
今の情報社会はメディアとか情報にあふれていると思います。そういう中でみなさんはどういうメディアを目指していて、どういう存在になりたいと思っていらっしゃいますか?
<鵜飼さん>
私は新聞の記者として働いていた経験はないんです。営業系の仕事をして、9年間くらいメディア系の仕事、事業作りをやってきましたが、その中でやっぱりメディアという場があるということは重要です。場を設けて、そこに人が集まり、安心して自分の思いや相手の考えについてディスカッションする場にするという意義は持ち続けなければいけない。主義・主張があるわけではなくて、ここは安心してしゃべれるという場所が合ったり、喜怒哀楽を出せるという場所の提供って意外と大事なんだなと。
だから、私は五感を刺激するイベントだったり、そういうものに目がいってしまって。そこでみなさんが楽しんでいる姿を見るのが好きですね。そこがメディアに繋がると良いなと思います。
<三石さん>
僕は働き方についてのメディアをやっているので、指針になる情報を提供できたらいいなと思っています。例えば副業とかリモートワーク、働き方改革とかキーワードはいろいろあるけれど、指針ってよく分からない。でも自分の能力を発揮をするためにどうすれば良いかは、一定の指針という知識を持っているとできたりするんです。そのナレッジというところを作っていきたいですね。指針になるような情報はアクションに繋がるんじゃないかなと。
<ソムリエ河原>
そうですね。それではお時間となりました。みなさんありがとうございました。