2017年11月21日、東京カルチャーカルチャーとPeatixの共催イベント、「コミュコレ!×イベントサロンvol.1」を開催しました!
2017年6月、渋谷のコミュニティのキーパーソンが集結した「コミュコレ!渋谷」を拡大し、東京カルチャーカルチャーとPeatixの「コミュニティソムリエ」がイベント・コミュニティに関わる人たちを紹介していくイベントです。
Peatixは2013年よりイベント・コミュニティ主催者のためのイベント「イベントサロン」を開催しており、そこに登場していただいた素敵な主催者さんを紹介しました。
多岐にわたる7つのトークセッションレポートです!
もはや企業も避けて通れないコミュニティ。大手企業・スタートアップ・アクセラレーターはどう捉えてる?
[Session4:コミュニティ×スタートアップ]
ゲストスピーカー
若宮 和男さん(株式会社uni’que)
鈴木 貴歩さん(ParadeALL)
小田嶋 太輔さん(EDGEof)
白石 健太郎さん(朝日メディアラボベンチャーズ)
<ソムリエ河原>
ではみなさん簡単な自己紹介を。
副業を推進している経営者
若宮 和男さん(株式会社uni’que)
<若宮さん>
若宮です。スタートアップを始めてまだ半年くらいなんですけど、いろいろな立場で仕事をしてきました。いわゆる大企業のNTTドコモから、DeNAにも勤めていま起業しているので、いろんなコミュニティをかいつまんでいるところが変わった経歴なのかなと。今は女性向けのスマホサービスをやってます。
あとは、ランサーズというクラウドソーシングの会社でも働いています。副業を推進するというのも自分の裏テーマで、経営者なんですけど就職してみました。
日本だけを見ていてはもったいない。エンターテインメント×テクノロジーで世界を目指す
鈴木 貴歩さん(ParadeALL)
<鈴木さん>
鈴木と申します。元レコード会社で今はPARADE ALLという会社で「エンターテインメントアクセラレーター」として仕事をしています。エンターテインメント×テクノロジーの分野で、クライアントはレコード会社や大手企業、スタートアップまで色々です。
アクセラレータープログラムって、場所やプログラムを作って、申し込みを待つことが多い気がしますが、僕たちが考えるアクセラレーターはテレアポみたいな感じで、こちらから勧誘に行きます。そうやってエンターテックのスタートアップをいくつか背負って、自ら海外のコミュニティに売り込んでいくという感じですね。日本市場だけを見ていてはもったいないので。
スピードアップして進むため、たった3名で運営する投資機関
白石 健太郎さん(朝日メディアラボベンチャーズ)
<白石さん>
朝日新聞社から独立した形で、朝日メディアラボベンチャーズという会社で働いています。会社の投資機関みたいな感じですかね。事業会社の投資って時間がかかりがちなので、スピードアップするため3名でやってる小さな会社です。
日本のスタートアップ界隈には多様性があるのか
<ソムリエ河原>
そして、さっきお話し頂いた小田嶋さんはスタートアップのサポートをしていると。会社の投資担当の人、個人で活動をしている人と実際の起業家と、多様な組み合わせですが、こんな感じで日本のスタートアップの中で多様性が出てきたら良いんですかね。どう思いますか。
<小田嶋さん>
そうですね。スタートアップ界隈のの多様性という意味で言えば、最近ちょっとスタートアップの世界は強欲になってるのではと思います。 儲からないところには投資してくれない。
一方海外では、プロジェクトが面白ければ、ある程度投資してもらえるんですね。なので、100億円以上にはならないんだけど、一部の人に強烈に突き刺さるサービスが生まれていく。
<鈴木さん>
あと、ヨーロッパの投資家って文化などにも造詣が深くて、普通にアーティストの話で盛り上がったりする。なのでそういうところを目指している人はヨーロッパのVCにも目を向けるべきだと思います。あと、中東とかの投資家もとにかくエンタメに注目している。
スタートアップもコミュニティを意識するべき?
<ソムリエ藤田>
海外のケースだとコミュニティやファンを作りから丁寧に始めるスタートアップも多いと思うんですけど、日本におけるスタートアップとコミュニティの関係は作った方が良いのか、それはサービスによるのか、お考えはありますか?
<小田嶋さん>
スタートアップに限らずで、大企業もコミュニティを意識していかないとダメだと思います。マスメディアに同じ情報を乗せれば広まる・売れるという時代は終わっているので。自分たちのプロダクトのファンになってくれる人を見つけることがすごく重要です。
<ソムリエ藤田>
細かい話になりますが、コミュニティを作っていくとマスにはリーチしない。濃いコミュニティを作っていくためには、1回100人、時には30人くらいがちょうど良いと言われます。そういう少ない人数に丁寧にアプローチするのはビジネス面からは効率悪く見えると思うんですけど、その辺りはどう思いますか。
<小田嶋さん>
昔勤めていた会社で、日本の大企業のコミュニティの立ち上げなどもやっていました。そういう活動を見ていると、やっぱりその100人が生み出す熱量はすごい伝播するんですよ。たった100人と言っても、大企業ならまだしも我々スタートアップレベルからすると、1000人本気のファンを集めたらアーティストが生きていけるという時代です。本当にそこで100人と関係を構築できるかどうか、そのための努力を惜しまないことが重要だと思います。
ユーザー同士の小さなコミュニティも集まれば大きな動きになる
<若宮さん>
今やってる女性向けサービスは、ネイルをソーシャルでデザインするオンラインコミュニティです。スケールは小さくても熱量が高いという話でいうと、ユーザー主導のコミュニティにはやっぱり適切なサイズがあると思います。コミュニティサイズが大きくなってきたら小分けにしていく。分かりやすく言うと、ユーザーの中での地域別のチームになってそれぞれが競うみたいにする。
熱量を保ちながら分ける。有名なのだとAWS (Amazon Web Services) のJAWS (AWSが提供するクラウドコンピューティングを利用する人々の集まり) もそうだと思いますが、あそこまで行くと完全にユーザー主導のコミュニティで、企業が何らリソースを割かなくても自然発生的に膨らんでいく。熱量は保ちつつ、小さなコミュニティがたくさん集まるのでトータルで見るとスケールもしていると。
<鈴木さん>
この前サンフランシスコ ミュージックテックサミットというイベントに参加しましたが、そこがすごく良いコミュニティだなと思いました。初日の早い時間に誰でも30秒ピッチできるセッションがあるんです。で、それを聞いて後からしゃべりたい奴にとにかく名刺を渡しに行く。で、後から会って話をしたり。ネットワーキングってうまく声をかけられる人とそうでない人がいますよね。でもここで30秒自分のやりたいことを話したら、逆にみんながオレに話に来るんですよ。日本でそういうことやったら面白いし、それは多分すごいコミュニティだなと思って。
無理やりではなく、自然にコミュニティを育てていくために大切なこと
<Peatix 宮田>
いまコミュニティに関心が集まっていますが、コミュニティって作るものなのかなって疑問に思うんです。どういう場を提供するとコミュニティが育っていくのかとか、コミュニティを育てるために心掛けていることとかがあれば教えて頂きたいです。
<白石さん>
いろんな人がいますからね。僕らも3回アクセラレータープログラムをやっていますが、3回やっているうちに卒業生の人達がいっぱい顔を出してくれるようになって。どこのアクセラレーターも、うちは良い所ですと言うと思いますが、参加した人が率直なフィードバックをくれる。そういうことができる関係になっていくことが大事かなと。
<Peatix 宮田>
なるほど。たしかに本音が伝えられるってすごく良いですよね。それではお時間となりました。みなさまありがとうございました。