イベントの写真、なんとなく撮っていませんか?イベントフォトの撮り方について、プロの秘訣を聞いたことはありますか??
今回は、”イベントの魅力・空気感まで映し出す”と評判の、フォトグラファーきるけさんに、イベントフォトの撮り方、プロへの依頼の仕方をインタビューしました
きるけさんは、泡パやtamapa、バーニングジャパンなど、ピーティックスを利用して開催されている人気イベントのイベントフォトも多数手がけられています。いつも気になっていた素晴らしいイベントフォトの秘密に迫ります!
プロフォトグラファーは、どんなことを考えながら撮影をしているのでしょうか?
プロでない方も参考にできるポイントがたくさんありましたよ。
前編は、イベントフォト撮影者が意識すると良いことについてお届けします。
イベントの写真を撮る時に意識しているポイントは何ですか?
1. 会場の雰囲気
屋内の場合、会場の照明を活かすことを考えます。クラブであれば、ミラーボールの反射した光やスポットライトなど。光は照明さんが作ってくれているので、撮影の際に不必要なものが映らないように構図を決めていきます。
「写真は引き算」という言葉があるようにゴミ箱、会場の荷物やトイレなどは省きます。止むを得ず写ってしまう場合は、カメラの絞りを開放側にしてぼかし、視線がいかないようにするなどの工夫をします。
2. 写真の明るさ
イベントの種類によって変えます。人が盛り上がるようなイベントなら、ハイキーと呼ばれる全体的に明るめの写真に。一般的には明るめの写真のほうがウケがよく、イベントの告知などで使う際にもいい印象を持たれますよ。
3. 人の表情
大半の方がそうですが、知らない人にカメラを向けられてもいい表情ができないと思います。イベントは友達同士で来ている方が多いので、盛り上がってる人たちがいればこっそり撮っちゃいます。爆笑している顔、踊っている、お酒を飲んでいる所など、少し長めのレンズでカメラに意識がない表情を押さえる。
その後で声をかけて使用の許可を頂き、集合写真を撮らせてもらったりします。
事前に撮った写真を元にコミュニケーションを取れば、集合写真も笑顔が出やすかったりします。撮らせて頂いた人たちには必ず「ありがとう」と伝えます。
4. その他
僕がいつも考えている事は一つのイベントが写真集になったら?ということ。
ウェディングフォトの場合、式の準備やメイクの段階の撮影から始まり、会場風景、料理、人の表情、式本番から見送りまでと、非常に多くのバリエーションを撮影します。
これはイベントやフェスなどでも同じ。人の流れがあるということは、必然的にその中でストーリーが生まれています。
よくあるイベントレポートだと、お客さんがピースしているスナップ写真とDJだけで、数枚見ているとすぐ飽きてしまうものばかり。周りを見渡すと撮る所って意外とたくさんあるんです。記録写真と考えれば必要ない写真でも、見る人が飽きないように、寄り、引き、イメージ写真、DJ、お客さん、と緩急をつけて構成する。
ぶっちゃけ記録写真なら誰でも撮れます。このイメージ写真が一番大事で、ここは腕の見せ所だと考えています。
また、”撮って出し”と呼ばれる、カメラで撮ったままの無調整の写真はNGです。
よっぽどクオリティが高い写真が撮れるなら話は別ですが、今の若い子たちはinstagramや写真アプリで、加工が当たり前の感覚になっています。目が肥えており、色味や写真にシビアですので、写真は必ずRAWで撮り、写真編集ソフトを使って色味などを調整し、イベントに合わせたイメージを作り込んでいくことが大切です。
アマチュア撮影者でも取り入れられそうなコツもいくつかありましたね!次回イベントフォトを撮るときには意識してみてはいかがでしょうか?
きるけさんインタビュー、後半はもう少し高度なプロの仕事術と、プロに依頼する場合のコツ・注意点をお届けします。お楽しみにしていてください!
きるけさんプロフィール
photographer きるけ。
1985年 徳島県生まれ 東京都在住
2012年 フリーとして独立
アーティスト写真、広告、美容室、雑誌、club、LIVEを主に撮影
http://kiruke.jp
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