プログラミング教育とは?なぜ女の子へのきっかけづくりが大切?女の子にプログラミングの楽しさに触れてもらうKIKKAKE(きっかけ)’22 レポート

”女の子にプログラミングを始めるきっかけを提供する30日間”ガールズプログラミングフェス「KIKKAKE’22(きっかけ)」が、2022年6月1日〜6月30日に行われました。

PeatixがKIKKAKEのPR支援をさせていただくのも2年目。今年のレポートでは、KIKKAKEを改めてご紹介するとともに、KIKKAKE’22が提供された保護者向けプログラムの内容や意義、実際のプログラミング体験の内容などを中心にお話を聞いていこうと思います。

 

KIKKAKEとは

KIKKAKE(きっかけ)は、小学生へのヒアリング調査で、女の子は男の子と比較してプログラミングを学ぶ機会が少ない、という課題を受け、女の子にもプログラミングを始めるキッカケを提供したい、という想いではじまったプロジェクトです。

6月1日〜30日の間、趣旨に賛同した全国のプログラミング教室が、女の子を対象にさまざまな体験コンテンツを提供し、プログラミングを始めるきっかけとしてもらう1か月間のイベントです。2021年、2022年に実施されています。

KIKKAKE’22 オフィシャルサイト

 

KIKKAKE実行委員会 株式会社アフレル様のお話

株式会社アフレルの谷口花菜子様に、2年目となるプロジェクトの狙いや、保護者の方にプログラミング教育の内容や必要性を伝えるためのご活動についてお話を伺いました。

株式会社アフレル 経営企画室
谷口花菜子様

2年目開催の今年、プロジェクトの拡大のためにどんな点を意識されましたか?

KIKKAKEは、「IT分野における女性の活動者の少なさ」という社会課題の解決からスタートしています。2年目は、プログラミング関連事業者様や女性活躍を支援する団体様に加えて、一般の事業会社や大学などの教育機関にも参画いただき、より広い視野で、より大きなムーブメントづくりを意識しました。

昨年に引き続き、保護者向けのセミナーをいくつか開催されていましたが、保護者向けセミナーではどんなお話を提供されたのでしょうか?

これらのような保護者向けセミナーを開催しました。
※アーカイブ動画がこちらからご覧いただけます

Waffle田中さんに聞く「今、女の子が体験すべきITの世界」
全国の女子中高生向けアプリコンテストや、IT系のキャリアに興味がある女子大学生・院生向けの研修など、女性がテクノロジー分野で活躍するための総合的支援を実施されており、2020年には“世界を変える30歳未満30人の日本人”にも選出されているWaffle田中さんに、女の子がITに触れること、学ぶことの必要性、女性にとってのIT業界における未来、女の子の保護者の皆さまができることなどをお話いただきました。

 

現役大学生Tinaと考える、「コンピューターサイエンス」で拓く私のミライ(山田進太郎D&I財団)
子どもにプログラミングやコンピューターサイエンスを学んでほしいけど、「本人に関心を持ってもらうのが難しい」「理数科目より文系科目の方が得意なので勧めづらい」と感じておられる方もいらっしゃいます。このイベントでは、山田進太郎D&I財団の公認アンバサダーで現役大学生のTinaさんをゲストにお呼びし、理系科目への苦手意識を抱えつつもコンピューターサイエンスに興味を持ったきっかけや、将来のキャリアにどのような展望を描いているかについてお話していただきました。

 

プログラミング教室に通った女子生徒の成長の実例紹介 (ITeens Lab)
プログラミング教育、プログラミング教室といっても様々なものがあります。「どのような内容を学ばせるといいの?」、「どのようなスキルが身につくの?」、「子どもに合っている教室の探し方がわからない」というお悩みを持つ保護者へのご参考として、ITeens Labというプログラミングスクールに通った女子生徒さん約5名の成長の軌跡を紹介しました。

 

キャリア支援のプロが語るキャリアの「いま」と「これから」~IT社会で、子どもたちが“イキイキ”活躍するために~(キャリア教育ラボ)他
パーソルホールディングス株式会社のメンバーで構成された「キャリア教育ラボ」様に、いまの子どもが将来就職する頃に産業界の動向や、求められるスキルなどについてお話を伺いました。

 

保護者向けセミナーはどのようなねらいで開催されているのでしょうか?

社会においてIT分野での女性の割合が低い状況は、大学の情報系の女子学生の割合の低さがそのまま影響しているようです。そこには、女の子が幼い時期から「女の子は…」「女の子だから…」という声をかけられ、大なり小なりバイアスのある環境で生活していることの影響もあると言われています。

私たちは、そういったバイアスを取り払って、苦手意識のない幼い時期からITやプログラミングに自然に触れて、楽しんで、その嬉しさや喜びを体験してほしいと考えています。しかし、子どもたちへの機会づくりは本人だけではなかなか難しいのも現実です。ですので、親御さん側にも働きかけて、お子さんがプログラミングに触れるきっかけづくりや、ご家庭でのバイアスのない環境づくりの大切さを知っていただきたいと思ってこのような活動をしています。

株式会社アフレル

株式会社アフレルは、全国の民間子ども向けプログラミングスクールの開設・運営支援を通じてプログラミング教育の普及に努めています。

2021年、2022年のガールズプログラミングフェスKIKKAKEでは、保護者・お子さん向けにプログラミング教室の情報提供を行う「コエテコ byGMO」と共にプロジェクトの運営を担っています。

https://afrel.co.jp/

Peatixが企画・運営するオンラインイベントシリーズ「Think and Talk with Peatix」で、株式会社アフレル谷口さんをゲストにお迎えし、プログラミング教育におけるジェンダーギャップの課題と、プログラミング教育自体の重要性、可能性についてお話を伺いました。ご興味を持ってくださった方は、ぜひアーカイブ動画をご覧ください!

すべての子どもになぜ必要?プログラミング教育ーITのジェンダーギャップに向き合うKIKKAKEフェスが考える子どもの未来とプログラミング教育| Think and Talk with Peatix#4

KIKKAKEに賛同し、体験プログラムを提供されたプログラミングスクール様のお話

KIKKAKE’22に参加し、体験プログラムを提供された株式会社ミマモルメの楠本千尋様にお話を伺いました。

株式会社ミマモルメ プログラボ教育事業運営委員会
楠本千尋様

KIKKAKE’22に参加した理由はなんですか?

『女の子は理工系に興味がないのではなく、きっかけがないだけ。女の子がプログラミングを 始めるきっかけを提供する』という趣旨に賛同したためです。

 私自身も普段プログラボの教室や小学校などで授業をした際に、性別に関係なくロボットやプ ログラミングを楽しんでいる子どもたちの姿を見ていつも同じように感じておりました。

また、KIKKAKEに推進委員として参加することにより、「プログラボでは男の子も女の子もみんなを歓迎しているよ!」というメッセージを社会に発信したく参加しました。 

 

どんなプログラムを提供されましたか?

関西では「回るケーキスタンドをプログラミングして動かそう♪」、 関東では「くるくる回るオリジナルオブジェをつくろう!」、 愛知では「きらきらスティックを作ろう!」を実施しました。 

例として、私も関西で実施した「回るケーキスタンド」のプログラムを紹介します。毛糸や折り紙を材料にして、カップケーキやわたあめなどのスイーツを工作し、別途制作したケーキスタンドに盛り付けます。ケーキスタンドにはモーターとユカイ工学のココロキットを接続し、 Scratch でプログラミングをして動かしました。 

 

子どもたちは、工作はもちろん楽しそうに取り組んでいましたが、プログラミングでケーキスタンドがくるくると回り出した時のわくわくした表情がとても印象的でした。イベントが終わっても、まだ作りたい、プログラミングをしたいという子も多く、ものづくりやプログラミングの楽しさを感じてもらえるイベントになりました。

 

KIKKAKEで提供されたプログラムではどのような力(論理的思考力など、アカデミックな力)をつけることが狙いだったのでしょうか

KIKKAKEに参加したプログラミング初心者でも無理なくたのしんでもらえるよう、基礎的な内容を中心としました。「動く」、「音が鳴る」、「画面に変化がある」などのプログラムの順番を考えてもらい、基本的なプログラミング的思考を体験してもらえるようなカリキュラムにしました。

 

女の子に興味を持ってもらうためにどんなポイントを設定しましたか?

どのプログラムにおいても、「デコレーションして自分だけのオリジナルの作品を作ることができる」というのがポイントでした。自分で作ったものをさらにプログラミングしてモーター で動かすことで、女の子が楽しんでロボットやプログラミングに取り組めるように工夫しまし た。

興味を持ってもらいやすいかわいらしい見た目や、工作などの親しめる活動を入口に、プログラミングにもハードルなく取り組んでもらえたらと考えました。

 

KIKKAKEに参加した生徒さんと接したことで、普段のスクールでのプログラム企画や教え方においてなにかヒントを得られたことはありましたか?

参加した子どもたちが、基本的なことを教わったあとは自分でどんどん工夫して取り組んでいく姿が印象的でした。子どもたちの創意工夫を伸ばせるように、授業やイベントでも「子どもが自由に工夫できる余地」をより意識するようになりました。

 

KIKKAKE 以外でも『プログラボガールズプロジェクト』として女の子向けの電子工作イベントなどを実施しておりますが、幅広い学年の参加者が楽しめるよう難易度の設定を見誤らないようにすることも大切だと改めて感じました。

子ども向けロボットプログラミング教室<プログラボ>

ロボットプログラミング教室「プログラボ」では、”私たちは、ロボット・プログラミング教育 を通じて、 未来を担う子ども達の「夢を実現するチカラ」を育みます。”という教育理念のもと、STEAM教育を軸に様々な学びを提供しています。2022年10月現在、全国77 校に約7,100名 が在籍し学んでいます。

https://www.proglab.education/

プログラボガールズプロジェクト Instagram

これからの世の中においてますます必要になっていくプログラミング教育。プログラミング教育を受けた実体験のある大人がまださほど多くはない今、子どもたちがプログラミングに触れるきっかけを得るためには、周りの大人の興味や理解が深まることもとても重要です。

規模も内容も拡大し、多くの女の子にプログラミングの「きっかけ」を提供されているKIKKAKEプロジェクト。これからの活動にもぜひ注目してみてください!
 
 

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