原宿が好き。きゃりーぱみゅぱみゅを入り口に日本をもっと伝えていきたい。アソビシステムが仕掛ける、日本のカルチャーを伝えるプロジェクトとは/ イベントサロン with TOKYO ART CITY by NAKEDレポート

2017年8月4日、TOKYO ART CITY by NAKED展示会場にて、NAKED IncとPeatixの共催となる「イベントサロン with TOKYO ART CITY by NAKED」を開催しました。

今回のテーマは「都市」。都市の魅力や都市で行われる人の営みについて考え、活動するトップランナー4名のゲストをお迎えしました。アートから都市デザインまで幅広いお話で盛り上がりました!

 

原宿が好き。きゃりーぱみゅぱみゅを入り口に日本をもっと伝えていきたい。アソビシステムが仕掛ける、日本のカルチャーを伝えるプロジェクトとは

アソビシステム株式会社 中川 悠介氏

原宿からブームではなくカルチャーをつくる

ブームではなくカルチャーをつくろうと、10年前につくった会社です。もともと原宿という街がすごく好きで、高校時代からずっと原宿で遊んでいました。そして自分たちがファッションショーやプロイベントを始めるときにも「やっぱり原宿でやろう」ということになったんです。

以前GAPがあったところに土日ずっと張り付いて、いろんな人と喋ったり、ビラを撒いたりしながら、街にいる人たちと段々仲良くなっていって。その中で商店街の人と出会ったりしながら会社になっていって、朝のゴミ拾いや、お祭りの神輿担ぎなど商店街の行事に参加しながら、少しずつ街に根付くことを目指してやってきました。

 

そんな僕たちなんですけども、もともとイベントから生まれた会社です。そしてファッションショーからきゃりーぱみゅぱみゅ、クラブイベントから中田ヤスタカというアーティストが生まれました。

中田ヤスタカは、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅの曲をつくっているんですけど、この前リオのオリンピックの閉会式の音楽も担当したり、日本のトップクリエイターとして、沢山のことをやらせてもらっています。そして増田セバスチャン。彼もアートディレクターなんですけど、20年以上前から原宿で自分のお店をやっていて、6%DOKIDOKIっていう変わったお店です。そしてまた新しいプロジェクトを始め、今だと原宿のKAWAII MONSTER CAFEというカフェのプロデュースなどですね、さまざまな場所で活躍をしています。

このように「人」を中心に、その他のイベントや自社メディア、アパレルブランド、お店やサロン、飲食店などをやりながら自分たちの会社を運営しています。

外国に対して日本をもっと発信したい

その中で海外へ出ることが増えたことをきっかけに、自分たちも外国に対してもっと日本を発信していきたいと思うようになりました。きゃりーのワールドツアーを3回やって、北米、ヨーロッパ、アジアの都市を沢山まわったときに、様々な国に日本のファンが沢山いるんだと感じて。そういうファンの子たちをもっとつないで、日本を知ってもらうことができるのではと思ったんです。

入り口は何でもいいと思うんです、きゃりーのライブとか、たまたま観たアニメとか、いろんな入り口があると思っています。例えば、カナダのトロントのツアーに来た17歳の子や、「たまたまインターネットで見て楽しそうだから来た」というサンフランシスコの70歳のおじいさんが、きゃりーのライブやDVDを見て原宿を知って、「いつか原宿に行ってみたいんだよね」と話してくれる。きっかけが大事なんだとを身をもって感じたんです。

もしもしにっぽん:ミニオールジャパンとして新しい日本を発信するプロジェクト

それで「もしもしにっぽん」というプロジェクトを始めました。簡単にいうとミニオールジャパンとして新しい日本を発信するプロジェクトです。

その中の1つとして原宿で観光案内所をやっています。渋谷区観光協会と一緒に、竹下通りと明治通りがぶつかったところで運営しています。観光案内以外にも無料で充電できたり、水を飲めたり、パソコンで検索できたり。あと今は着物の着付け。そこで着物を着て街を歩き、写真を撮れるという体験などエンターテイメント混ぜながらやっています。東京都の観光案内窓口としての指定ももらっています。

お土産物を自分たちでつくって売ったりもしながら、いろんな活動もしています。ここはかなりカラフルで目印になっているので、外国人にはホットスポットとして使ってもらっている印象です。この場所を起点に、行政や地元の方と、いろんなことをやっています。

 

例えば、渋谷区観光協会の方に観光案内してもらったり、「あいりっすん」という渋谷区のPRキャラクターの運営をしたり、商店街の皆さんと外国人向けの観光案内ツアーも積極的にやっています。この場所を使って色々な方と連携しながら、この場所から始まるきっかけをつくっていこうとしています。あとは、ウェブサイト。日本のキュレーションサイトみたいなものをつくって、外国人に発信しています。

 

もしもしにっぽんプロジェクトでは、海外のイベントにも積極的に出ています。3年間で世界14カ国、17箇所、38回のイベントに出て、来場者約250万人の外国人に対して、もしもしにっぽんプロジェクトを発信しています。自分たちがやるものもあれば、フランスのJapan Expoや、サンフランシスコのJ-POP SUMMIT、ロンドンのHYPER JAPANとか、さまざまなイベントと連携しながら、そのイベントの中で自分たちでメディアをつくって、いろんなものを発信するということも積極的にやっています。

 

インバウンド、アウトバウンドの集大成として、日本でもイベントをやっています。去年まで3年間、東京体育館で、外国人はパスポートで入場無料、日本人はチケット制でイベントをやっています。去年だと外では肉フェスと連携いしてフードフェスをやったり、ステージではファッションショー、ライブをやりました。

あとはブースでの体験。着物の着付けや書道教室、お茶点て、畳の体験ができたりとか。その他にも最新鋭の日本のクリエイティブ、例えばバイオハザードVR、きゃりーのVRライブ体験、ドローンアスレチックというドローンを実際に操縦できるものなど。そんなことをしながら、日本のいいものを、昔のものから新しいものまで混ぜたイベントをやっています。

原宿から飛び出し、日本各地でポップカルチャーを魅せるイベントを

原宿以外の場所でもいろんなことをやっています。もともとHARAJUKU KAWAii!!というイベントを原宿でやっていました。街のお店を100店ぐらい巻き込みそこで買い物をするとバッジをもらえて、そのバッジを集めるとイベント会場に入れるという企画だったのですが、これを大阪や名古屋、広島、沖縄、それ以外の場所でもやっています。

 

金沢ともいろんなプロジェクトが始まっていて、「かわいいね!金沢プロジェクト」として、金沢の文化伝統をビジネスにつなげることもやっています。金沢の駅の鼓門の下でファッションショーをしたり、伝統工芸品をポップカルチャーに混ぜて販売したり、実際に売り場をつくったりなどしています。音楽フェスもやっています。中田ヤスタカが金沢出身なので、地元で7,000〜8,000人ぐらい入るフェスをやったりなど。

 

最後にTAKENOKO!!!というイベントをやっています。これは中田ヤスタカと、きゃりーぱみゅぱみゅがDJやライブをするイベントなんですが、ちょっと変わった場所でやっています。例えば閉鎖した渋谷東急東横線のホームや、東京以外でも東大阪市の花園ラグビー場でやったり。奈良の橿原神宮、京都の平安神宮の境内など、地元の活性という文脈でも色々な取り組みをしています。

アソビシステムは芸能事務所なのか、イベント会社なのか、PR会社なのか、分からないとよく言われますが、僕たちは原宿で街に根付いて、原宿からカルチャーをつくっていこうっていうことをテーマに、そこで生まれたカルチャーを日本各地そして世界へ持っていこうと考えながら会社をやってます。

 

[Q&A]

原宿カルチャーの魅力や特徴とは

[Q]原宿のカルチャーの魅力や特徴は、例えばどういうところにあると思われますか。

 

[A] もともと原宿ってすごく自由でいい街だなと思っていて、いろんな歴史があったと思うんです。竹の子族などいろんな昔のカルチャーがあって。僕も当時、藤原ヒロシさんなど裏原カルチャーが大好きで。それは今のカワイイって言葉にも根付いていると思いますが、何でも自由にしていていい街というイメージがあります。ファッションもバラバラなんだけど何か通じるものがある。

あとはやっぱりストリートというか、小さな場所からいろんなことを始められると思っています。原宿で初めて借りた事務所は10畳なくて、10万ぐらいで借りた事務所です。大家さんに「ちょっとお金ないんですよね」って言ったら、「じゃあいいよ。敷金とりあえず出してあげる」なんて言ってもらえたり。何かいろんなことを始めやすい街なのかなと思っています。

 

外国に対して日本を発信していこうと思った理由とは?

[Q] きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーでいろんな国に日本のファンがいるって思われたんですよね。そこで、「もしもしにっぽん」やろうと思われたのは、何でなんでしょう。もっとアピールしたいと思ったのか、日本を打ち出せるもっといいプロデュース方法があると思われたからなのか……きっかけは何だったんでしょう。

 

[A] 純粋に、自分たちにできることがあるならやらないと、と思ったのがきっかけです。原宿の観光案内所をつくったのも、原宿には観光案内所が必要だという話を、商店街の方やいろんな方がお話しているのを聞いていて、やっぱりあるべきだなと自分でも思ったんで、やろうと決めたんです。

原宿のどんなところが好き?

[Q] 中川さんが元々、原宿で何をして遊ばれていたのかと、原宿の何が好きなのかっていうのをお伺いしたいです。

 

[A] 本当に何もしなかったっていうのが正しいんですけど……。GAP前にひたすら1日座っていて、そこでどんどん入れ替わり立ち代わり来る友だちと喋っていくうちに友達の友達が増えたりとか。一時期GAP前にいたら原宿歩いている人全員友だちじゃないかと思うぐらいの感じになっていましたね。高校、大学ぐらいのときがそんな感じで。でも、人と喋ることは楽しくて、人と喋っていられるのがいい感じだったんだろうなと改めて思っています。だからずっと座っていた。

 

原宿でやりたいこと

[Q] 原宿の中でいろんな活動をするにあたって、法律やお金の制約がなく、何でも好きなことをやっていいとなったら、何をしたいですか?

 

[A] 表参道の歩行者天国の復活ですね。歴史を振り返るとやっぱり、あれによって集まってきたカルチャーがたくさんあると感じます。歩行者天国だけがカルチャーを生むわけではないだろうけど、もう1回復活させるべきなんじゃないかとは常に思っています。

 

原宿をもう一度「カルチャーが生まれるところ」に

[Q] 歩行者天国のお話があったんですけど、以前FRUiTSなどストリートの雑誌を手がけていた青木さんという方から、「昔はいろんなカルチャーがあったけれど、段々メッカになってきたら、撮ってもらうため、雑誌に載りたいがためにメイクして気張ってくる人ばっかりが集まって、面白くなくなっちゃった」という話を聞いたことがあって。原宿とかを見ている中で何か感じることとかありますか。

 

[A] 再開発でビルができたり、外国人がくるようになって、いいことも沢山あると思うんですが、逆に言うと、ちょっとストリート感や自己発信が強い子が減っていったなと思っています。そういう子は時代的にもSNS、インスタグラムなんかにいるのかなと思いつつ、一方でもう一度集まれる場所が増えれば、そういう人がまた来るのではとも思います。ご質問のFRUiTSの青木さんの話のようなことがあるかもしれませんが、だからこそホコ天をやったり、原宿をカルチャーが生まれるところとしてもう一度つくり直すことがす重要なのではと考えています。

アソビシステムという社名の由来とは

[Q] アソビシステムって社名が非常に象徴的だなと思うんですけど、どういう由来でつけられたんですか。

 

[A] 最初は、「なめてんの」などと言われましたが、元々は自分たちがエンターテイメントや、遊ぶことが好きだったというのが理由です。

高校時代に屋号みたいなものが時流行っていたので、自分たちでアソベシステムというのをつくってイベントやったり、勝手にロゴをつくってやっていたんです。その後一度会社をつくって失敗して、この会社を作る10年前に借金が5,000万ぐらいできました。そのときに、もう一度やり直すなら遊びまくるしかないなと思ったんで、アソビシステムって名前にしたんです。

アソビという言葉は世界にも通用するし、英語にしたらプレイだし、楽しいことをつくりだすきっかけになると思って、そのシステムをつくっていこうと思ったことが最初の名前の由来です。

アソビシステムのシステムはカルチャーだと思っていて、いろんな「あそぶカルチャー」が生まれてくるみたいなことを考えていますね。楽しいことをつくり出せるシステムになりたいな、きっかけになりたいなと思っています。


原宿からカルチャーを生み、楽しいことをつくり出せるシステムになりたいという中川さんの思いが印象的でした。自由にあそべる原宿の魅力をもう一度見つけに出かけたいです!

アソビシステムが手がける「もしもしにっぽん」のWebサイトはこちら

▶︎ もしもしにっぽん

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PeatixのマーケティングとPRを担当。Peatixの思いやサービス内容を伝える仕事をする一方、イベント・コミュニティ主催者の魅力やストーリーに迫るイベントサロンの運営メンバーでもある。人に会って話を聞くこと、自分の知らなかった世界に触れることが好き。