神戸の中につながりをつくる:2人のやり出しっぺに仲間が集まったアイデアとは / イベントサロン神戸vol.1 DAY2 TEDxKobe 鈴木 敏郎氏

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2017年5月6〜7日、神戸にて078kobeというフェスティバルが開催されました。ピーティックスも2日間にわたり「イベントサロン神戸vol.1」を開催し、神戸内外で活躍する素敵なイベント・コミュニティオーガナイザーのトークイベントを行いました。

2日目のテーマは”「Global to Local」世界で広がる思いを身の回りに広めるには” グローバルに広がるアイデア・表現・考え方を、身の回りに広めていこうと活動する方たちのお話です!

神戸の中につながりをつくる:2人のやり出しっぺに仲間が集まったアイデアとは / イベントサロン神戸vol.1 DAY2
TEDxKobe 鈴木 敏郎氏

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鈴木と申します。今日は私、こんな服を着ているのですが、078Kobeの運営をもやっております。最初に言い訳しますと、するなと言われているのですが、もうここ数日は地獄のようで、表情も死んでおります。らりるれろもちゃんと言えないし、頭も回ってないですが頑張って話しますねー。今日はTEDxKobeのお話をさせていただくのですが、皆さんTEDはご存知ですかね? ありがとうございます、ほとんど皆さんご存知ですね。ちょっとこの動画を見ていただきたいのですが……音は出ませんよ! 音を出すとみんな動画を見ちゃいますからね。動画の方が面白いですから(会場笑)。まぁ映像だけ見ながら聞いてください。

社会運動はどうやって起こすか:重要なのは最初のフォロワー

この動画、有名な動画なのですが、社会運動はどうやって起こすかというテーマの動画です。裸踊りをしているバカがいるのですが、そいつを見てまず最初に仲間に加わるやつが重要なんですね。最初に誰かが加わることで、その後にどんどん人が続きやすくなる。だけどこの最初のフォロワーが評価されることが少ない。このトークでは、こういう最初のフォロワーというのが重要なんですよという話をしています。

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このTEDというのは、こういうアイデアを集めたトークなんですね。アメリカに本部を置き「Ideas Worth Spreading」というスローガンを掲げて、世界中のアイデアを広めるためにやっているのがこのTEDというイベントです。スピーチのうまい下手ではなく、アイデアがいかに優れているかということが重要です。

そういう素晴らしいアイデアを伝えるスピーチが本当にたくさん集まっていて、毎日見ても生きている間に全部見るのは無理だろうというくらいたくさん集まっています。

タイプのまったく違う二人だから、お互いを活かしあえる

で、私たちがやっているのはこのTEDxKobeというイベントです。これはTED本家のものとは異なり、独自にTEDのフォーマットで運営されているイベントというたてつけです。神戸で開催するのでTEDxKobeという名前をもらっています。

このTEDxKobe、今回の078の責任者もやっている舟橋がやりたい! と言い出したので、私がさっきの最初のフォロワーとして一緒にやることにしまして、まぁ自分はチーママ的な立ち位置やと思ってるんですが、一緒にやってます。 この写真みてください。これが舟橋ですね。ここで舟橋が一生懸命話しているところに、私はこうやって場の空気をペラペラにする担当です。こういう感じで頑張らせていただいています。

さっきの動画にもつながるのですが、このTEDxKobeについて自分は最初のフォロワーだと思ってます。最初に踊っていたのが舟橋ですね。舟橋は頭より先に足が出てしまうタイプ。これ素敵やな! と思ったらそれしか見えない。ポジティブバカですね。訂正します、バカです。(会場笑)

いや、これね、タイプの違いなんですよ。僕こういうおちゃらけみたいなことはするのですが、どちらかというと頭で考えちゃうタイプなんです。一生懸命考えて、よしこれで大丈夫! と思えないと足が出ないタイプ。彼は先に足が出るタイプ。ある意味正反対で、僕は彼に憧れているんですね。だから真逆の性格で、自分が補えることがなんかあるんじゃないかと思って始めました。

バラバラになっている神戸をつなごう:最初に踊りだした2人

TEDxをもともとやりたかったかというと、実はそうじゃなくてですね。舟橋と私はもともと別のイベントをやってまして、舟橋が「神戸ITフェスティバル」、私が「神戸IT飲み会」というのをやってまして、で、周りに「あんたらなんか似たようなことやってるし、一緒にやったら?」 と紹介されまして、一緒にやろうということになりました。それが運の尽きでした(会場笑)

神戸ITフェスティバルは2011年から始まって、僕が参加し始めたのは2012年です。なぜこれをやりたかったというと、舟橋がよく言うんですけど、神戸にはいいことをやってる人がいっぱいいるのに、繋がってないのが残念やと。それを聞いて、その課題感に対して何か一緒にやりたいなと思ったんですね。それで一緒に開催をしていました。

すると、そんなに大規模で面白いイベントをやれているのなら、TEDxというものがあるんだけどやってみませんか? というお話が舞い込んできまして。そして開催できたのがTEDxSannomiyaというイベントです。

TEDxをやろうと思うと、誰でも申請をすれば自分の地域で開催できるんですが、その審査がなかなか大変で心が折れそうになります。私たちも、最初はKobeという大きい冠を掲げることはできませんでして、まずは小さくやってみなさいということで、最初はTEDxSannomiyaという名前で開催していました。それが回数を重ねていってTEDxKobeになったという感じですね。

今回の078で、神戸ITフェスティバルは吸収合併されたというより、さらに拡大した形になったという感じですかね。これからは078と、TEDxの両方をやっていく感じになるのかなと思います。

本当にこれ、楽しくて始めただけなんですよ。舟橋と私がとにかく楽しいわーってやってて、そしたらみんなが集まってきてくれて。僕と舟橋はほんとにバカなんですが、周りのみんながしっかりしていて助けてくれるので、なんとかTEDxKobeが成り立っているという感じです。

[Q&A]

Q)もともと神戸ITフェスティバル、神戸IT飲み会ということで、お二人ともITをテーマにイベントをされていたわけで、いくら「面白いイベントがあるよ」とTEDxを紹介されたとはいえ、別の活動を始めることに関して何か思うことなどはなかったんですか?

A) 最初から明確に考えてたわけじゃないんですけど、この2つは僕らにとっては両輪なんですね。ITっていうのはみんなが恩恵を受けるものであると思うんですけど、アイデアは誰しもが持っている。生活を担うITのイベントと、アイデアを扱うTEDxと、両方をやっていくことが重要かと思います。

Q) TEDは厳しいということでしたが、どういう風にチェックされているんですか?

A) TEDxは世界中で通算2万回以上開催されてると思うんですよ。なのでそれ全部見てたら見切れないと思うんですよ。ですが、思いの外TEDスタッフは見てます。彼らはバカです。彼らこそバカですね。アイデアを世の中に広げることに対して強烈な、悪く言えば執着心みたいな、情熱を持っているので、「この前のイベントのこういうところよかったよね」とか、「この前のあのトークよかったので、ブログにあげてます」なんて連絡が来る。いつどこを見られているかわからない。それが怖いということではなくて、むしろ嬉しい。見てくれてるんだという安心感、繋がってるなという感じを持ちますね。世界中がいい意味で競い合っていて嬉しいなと思います。

Q)神戸の素敵な人がバラバラになっているのが残念ということで始められたイベントですが、回を重ねていく中で、変化は起きてきましたか?

A)それは感じますね。イベントにいろんな人に出てもらって、来てもらって、そこで出会った人たちのコラボレーションが起きたりしています。スタッフと参加者さん、企業と参加者さんと、イベントで出会った人たちの次のアクションが生まれているのが嬉しいです。

イベントって一発ぶち上げてしまうと楽しいし、満足度は得られるんですけど、回を重ねれば重ねるほど、そのあとに何が残ったのということが気になってくるんですよね。そこについてはもっと積み上げていかないとなと思っています。

Q) 自分もイベントの運営などをやっているのですが、イベントにいろいろな方に関わってもらうのって大変ですよね。初めての方などにどのようなことを心がけて接しておられるか伺いたいです。

A) すごく共感できる質問です。過去を振り返ってみると、そうやって来てくれた人を結果的に切り捨ててしまったという経験もたくさんあるんですよね。壮絶に悩みました。今も悩んでます。

TEDxKobeでやっていることは、新しく入ってきてくれた人に最初のタスクをどうやってもらうかということで、バディと言って経験者とペアで動いてもらうとか、タスクをできるだけ噛み砕いてお願いをするとか。とにかくそうする中で成功体験を早く感じてもらうことが大切ですね。

最終的には「楽しさが行動原理」という考え方でやっているので、みなさんに楽しんでいただく、スタッフも楽しんでもらって、仲良くなってもらう。人がつながっていくということを心がけています。”たくさんのスタッフ”という集団ではなく、いち鈴木さんだったり、いち山田さんっていうつながりで、一対一のつながりを作らなあかんなということを思っています。

Q)TEDxってアイデアの面白さということが本当に重要な要素だと思うのですが、出てもらう人はどうやって選んでいるんですか?

A)基本的に、登壇したいという人にはオーディションを受けてもらいます。オーディションした中から何人は選ぼうという考えはありません 。今までオーディション枠からゼロだったことはないけれど、ゼロの覚悟で挑もうと言っています。アイデアがなければということです。

じゃあどうしているかというと、スタッフ同士のコネクションですね。インターネットや雑誌、新聞、テレビなどの情報源をフル活用して探します。 TEDxはアイデアが大事なので、人で選んじゃダメなんです。「関さんってきっと面白い話してくれるだろうな」という期待はある程度あっても、必ず話を聞くようにしています。

僕の場合のやり方ですが、この人面白そうだなと思ったら、今のご時世、情報は溢れていますから、その方のお名前で検索して検索結果10ページくらいまでチェックして、その方がブログとかやられてたら過去3~5年分くらいの記事に目を通します。

そうして、「この方のこのエピソードの、この部分を研ぎ澄ませばアイデアになるのではないか」というものがつかめたら、その方に登壇確定はさせない状態で会いに行って話を聞いて、というのを何度も行うということをやってます。莫大な時間をかけてバカなことをやってますが、そうやって慎重にやってます。

(司会)TEDxKobeのトークもオンラインで見れますよね?YouTubeとかで検索すればあがってますので、皆さん見てみてください。

(鈴木さん)はい、そうですね。YouTubeでも見れますし、最高のプレゼンができれば、TED.comというTEDのページに載ることができます。まだ僕らここまでは到達できていないので、そういうトークを一緒に作りたいという方や、「俺そういうトークできるよ」という方はぜひご一緒させていただければと思います。


「神戸の素敵な人たちをつなぎたい」という思いで、人が出会う場・つながる場を作り続けている鈴木さん。ボランティアの人たちの考え方など、本当に人のことを大切に思って、考えていらっしゃるのだなと感じました。鈴木さん、舟橋さんのそういった姿勢が、みんなが楽しいと思えるイベント作りを支えているのだと思います。

TEDxKobeの今後の予定をチェックしよう!

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