5/16 (水)外神田にて「PeaTiX Live! Vol.6 イベント集客&コミュニティ育成必勝術」を開催しました

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これまで開催した PeaTiX Live! などでイベントオーガナイザーの方と話していると、「集客」と「コミュニティ運営」が大きな課題であることが分かりました。

そこで、今回は、『1000人確実に集客する方法』の著者であり、NPOイベントなど多岐にわたるイベントの主催・運営をされている関根 典子氏、「Amazon Web Services(略称 AWS)」の全国規模のユーザー主導型コミュニティ「JAWS-UG」を運営されているアマゾン データ サービス ジャパン株式会社の小島 英揮氏をお招きしてお話を伺いました。当日のアンケートの結果では、関根氏と小島氏の講演はいずれも75%以上の方に「非常に満足」「満足」とご評価頂き、パネルディスカッションにおいても、72%の方に同様の評価を頂きました。当日は70名近くの方にご来場頂き、熱心にメモを取ってらっしゃる方も多くお見かけ致しました。ご来場頂いた皆様、スタッフ一同熱く御礼申し上げます!

「1000人確実に集客する方法」 関根 典子氏

・集客3つの共通ルール:1.参加したくなる動機を作る 2.参加に導くためのプロセスを作る 3. 最強の外部スタッフ=お客様を味方につける。今はネットの時代なので、3番がとても大切。

第一のルール=動機。動機は理性と感情。
理性の動機

  • 主催者(共催・協賛)だから業務だから
  • 命令だから
  • 出演者だから
  • 出席しないとペナルティがあるから

感情の動機

  • 人間関係(例えばお世話になっている)
  • 場所(例えばお茶の水にギターを買いに来たついでに)
  • 時間(他の用事のついでに)

・第2のルール=プロセス

  1. 起承転結・4コママンガで考える
  2. 参加まで到達するプロセスづくり
  3. 情報が伝播しやすい道具立て

人は忘れて当たり前。一度情報を渡して終わりではなく、継続的に刺激を与える必要がある。
〜お客様に来ていただくために、4コママンガのストーリーで考る。例えば、(1)実際に部下を持つ上司は、まず知らせるところから初め、(2)検索されたページに学びのある情報を追加、(3)導火線としてのプレイベントに参加してらい、(4)最後にプラスワンのメリットを伝える。

・第3のルール=組織化。お客様に手伝ってもらうことで、自分のMAXの10倍は集客できる。
元々は、私が集客で困っているとき、お客様が手伝ってくれたことがきっかけ。「お客様は、イベントを一緒に作りたいのです。そういうお客様には積極的に関わってもらいます。」

・お客様による”実行委員会”を作る。まず、核となる人を決める。次に活動の使命を共有する。単に”金儲けがしたい”では、誰も手伝わない。でも、”中小企業を応援したい”だと共感してもらえる。

・次に、集団に名前を付ける。”◯◯実行委員会”でも構わない。名前をつけてアイデンティティを明確にすることで、所属意識が芽生える。”名刺に書いていいですか?”と言われたらしめたもの。

・もめごとは起こって当たり前。でも、ボランティアで手伝ってもらっているので、あまり責めてはいけない。責任者はあくまで主催者。

「最後に、皆さん、自分でイベントを主催してみてください。チャレンジができて、自分も人も成長できます。」

「マーケティング的視点で見るコミュニティ醸成術」 小島 英揮氏

・コミュニティ醸成は、最後は”人”。なので、今日の話は”リクルーティング”の話に近いかも知れない。

・日本のグループはJAWSという。全国で約50名のコアメンバー。2009年にキックオフ、2010年は4つの都市に、2011は12まで拡大した。

・コミュニティの立ち上げメンバーは、様々なレイヤーから集める。本の著者、Javaコミュニティ、Web開発者コミュニティなど、一つひとつの集まりに行き、”スーツとギークの要素がある”人をリクルーティングしていく

・コアメンバー選定のポイント=コミュニティ活動に理解がある、技術が分かる上に人的コミュニケーションができる、新しい技術に対して貪欲、このコミュニティ以外にも居場所がある(そうでないと、活動が段々先鋭化してしまう)。

・コミュニティは自然には拡大しない。コアメンバーは強制せず、モチベートすることが大切。

・コミュニティを通じての転職など、ビジネスの「匂い」がすることも重要。

・コミュニティをハイコンテクスト化する一方、心理的な参入障壁は常に低くする。
〜参入障壁を下げる例=「“常連お断り”の初心者向け勉強会」「”男性お断り”の女子会」
女子会では、”どんなサービスができるか、カードを使ってブレストする”など、ユニークなアイデアが生まれた。

・ブログPublic keyに、”IT情報の発信は、ベンダーからコミュニティに移っている“という記事があった。アメリカの本社も、日本のJAWSコミュニティがベストプラクティスだとして注目している。

・2012年のチャレンジは、AKBならぬAWS48というユニットを作ること、地方勉強会でも、ビジネス的な交流を促すこと、また、例えばWordpressコミュニティとのコラボなど、コミュニティ間のコラボレーション。

PeaTiX 山宮徳晃を交えてパネルディスカッション

イベントの意味は?

関根氏「イベントをやっていて面白いのは、出ている側・参加している側の境界線が不明確なこと。お客様によってメッセージを読んだり、空気を読んだり。」

小島氏「逆説的に言えば、(リアルではない)ソーシャルメディアは、拡散はできるけど、ゼロからコミュニティを創り出すことは難しい。また、ハイコンテクストな状況は生み出しにくい。知識だけなら、遠隔地からの参加でも十分だが、想いを共有するには、実際の場所に足を運ぶ必要がある。」

ソーシャルメディアが登場して変わってたこと・変わらなかったことは?

小島氏「最初はメーリングリストでした。今はFacebookのグループを使っています。メーリングリストは、情報が断片的で、継続的な関係を作るのが難しかったです。ただし、先ほども言ったように、ゼロから創りだすことはできません」

PeaTiX山宮「Appleは、ソーシャルメディアを活用していないという意味で、昔ながらの方法と言えますね。実際には、イベント主催者等が、ご自身のソーシャルメディアを通じてイベントの情報を伝えていました。いずれにせよ、一番大切なのは人から人の直接的な情報伝達です

イベントの成功を分けるポイントは?

関根氏「集客というポイントに絞ります。例えば天候が悪いときも、そこまでして行きたいイベントかどうかの”動機”を作れたかどうか。主催者の発信している使命感が伝わるかどうかがポイントです。”動機”を量産するポイントは、基本的ですが、お客様の気持になることです。一方的に価値観を押し付けるのではなく、Before / Afterを見せ、共感してもらえるようにします。」

小島氏「コミュニティ成功のポイントは、ロールモデルを作る、ということです。JAWSは、”AWSサムライ” という制度があります。活躍してくれた人に、認定書を渡したり、利用料を免除したりすることで、”ああいう人になりたい”という気持ちを醸成します」

PeaTiX山宮「成功のポイントは、”役に立つか”と”楽しいか”の二つです。またイベントも商品と同じで、ニーズがないと成功しません。例えば、東京では”家族で楽しむ”イベントが少ないことに気づきました。家族向けイベントを実施したところ、大好評でした。」

小島氏「イベントを継続するために大切なことは”出会い”。あの人に会いたい、あの人の話が聞きたい。なので、ライブイベントはキーになる。そんなスピーカーをコミュニティ内で提供してもらう。」

関根氏「イベントを継続するには、同じ立場の人達をつないでいくこと。実は、継続することはそんなに難しくない。一年に一回は大変だが、一月に一回は難しくない。」

PeaTiX山宮「コミュニティの成長はイベントの継続が前提。継続を通じて、イベントが”成長する”ということを経験して頂きたい。もし、最初のイベントは20人でも、良いイベントならクチコミで広がる。人にとって、何かが成長していくのを見ることほど楽しいことはない」

 

PeaTiX Live!を終えて

PeaTiX Live vol6 懇親会風景

 

 

 

 

 

 

 

 

関根氏、小島氏のお話は、とても実践的で、すぐにでも役立ちそうなアイデアばかりでした。イベントオーガナイザーの皆さんには、是非使える部分から取り入れていただければと思います。

両氏に共通していたことは、「イベントの継続」と「コミュニティの醸成」は(車輪の)両輪であるということ。小島氏が「最後は”人”である」と言うように、イベント/コミュニティに自発的に協力してもらえるような関係をいかに構築するかが、成功の秘訣と言えそうです。

 

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