エントランスマネジメントガイド 「行きはよいよい、帰りは…」を避ける為に

春うららな陽気になりましたね!こんにちは、今回は吉野がお送りします。

イベント会場の玄関口、「エントランス」。
ここは、イベントを訪れる人が否が応でも必ず通らなければならない言わばイベントの関所です。

そのイベントに参加する人であれば、最低でも2回は通過しなくてはなりません。
あなたは、身分証のチェックから受付業務や代金の支払い、イベント会場の説明等、イベントの窓口としてほぼ全てのお客様と関わりを持つ事になるので、お客様の往復を通して、人間模様を垣間見ることが出来ます。行きは1人だったのに、帰りは友人を作って2人で出てくる人/とても明るい表情で入っていったにも関わらず、どんよりとどこかつまらなそう表情で帰路に付く人/逆に、期待以上の大満足だと礼を言って帰って行く人等。

イベント主催者側の考えとしては、1人でも多くのお客様の方に、「また来たい」と満足して帰ってもらう事です。

今回は、その想いに少しでも応えるため、エントランスにおいて、必ずやらなければならない事や、推奨する事をお話します。

◆エントランス業務は、イベント開催前から始まっている

え?そんなバカなとお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、エントランス業務はイベント告知時から既に始まっているのです。
 イベント当日に会場を訪れるお客様は、告知媒体を通じてイベント情報(告知文言)を読み会場へと足を運んでいる訳ですが、告知ページ上に掲載しているイベント情報や入場条件等を共有せずにエントランスマネジメントを行うことは出来ません。

当日お客様との対話の中で想定される、質問やトラブルのもとになるであろう情報は、事前に告知しておかなければなりません。

▽事前告知すべき、主な入場条件(入場システム)の項目

-各入場プランの代金
・・・前売り
・・・当日
・・・ドリンクチケットの有無
・・・VIP席

-各入場プラン毎の内容
・・・移動可能なエリア
・・・座席の使用可否
・・・飲食の有無

-ドレスコード
-会場内での飲食システム
-飲食物/危険物の持込について
-再入場について
-喫煙について
-しつこい勧誘行為について
-撮影について
-トラブルについて
-落し物について
-返金ポリシーについて

以上の項目で当てはまる部分に関しては、イベントページに記載しておきたいものです。

◆繰り返し繰り返しアナウンスし続ける

前項で述べた、事前告知すべき項目ですが、告知後のイベント当日もあなたは 一息つく間もありません。 イベント参加者には、あたかも初めて告知するかのように、当日のエントランスでも繰り返し必要事項をアナウンスしましょう。

もちろん全てをアナウンスする時間は無いので 貼り紙やサインを使用する事をお勧めします。

◆あなたの役割は、入場管理だけでは収まりません

エントランス対応は、お客様が来た時に代金を回収し(事前決済していれば別ですが!)、ゲストリストと名前を照らし合わせるだけではありません。会場へいらっしゃるお客様にとっては、 あなたが外注の業者であろうと、その日だけのお手伝いであろうと、関係ありません。 そのイベント/会場のことを知り尽くしているエキスパートだと認識されている 事を意識しましょう。

イベント/会場にまつわる事は何でも聞いてきます。それはトイレの場所から、トイレの紙の場所、出演者のタイムテーブルの詳細や写真撮影の許可まで。

あらゆる質問事項を想定しておく必要があります。

以下、エントランス対応でありがちな、よくある質問TOP5をご紹介致します。

よくある質問TOP5

No.5
落し物について
会場内で私物を紛失したお客様への対応の仕方は、全スタッフで共有しておきましょう。
落し物を届ける窓口は、一箇所に集約した方がわかりやすいですね。

No.4
再入場について
入場の際にリストバンドの配布やスタンプ、半券等、何らかの目印で管理しましょう。
それ以外については、基本的に再入場禁止にしている会場が多いようです。

No.3
荷物預かりについて
会場内では、不必要なものを置いて活動したいもの。ロッカー等のスペースに案内出来ない場合、
エントランスで預かることは紛失の可能性もあるので避けたいところです。

No.2
両替について
あなたが銀行員で無ければ、対応するべきではありません。
あらかじめ用意しなければならない「小銭の管理」と×「両替の時間」は思っている以上に強敵です。 ただ、両替対応をしないイベントが多いので、対応した場合は、喜ばれるケースが多いようです。
また、通常の入場代金用のお釣りは前日までには用意しておきましょう。当日に慌てて、周辺のコンビニエンスストアでの両替や、ゲームセンターの両替機を使用する行為は控えるべきです。

No.1
関係者の呼出し
フリーでの入場や割引対応するお客様が居る場合、あらかじめそのリストは作成しておきましょう。お客様が来る度に、関係者を連れてくる作業をしては、後ろのお客様の入場を一時的に妨げることになります。開始前までに、関係者側からエントランスで言付けを預かっているリスト以外のお客様に関しては、本人が大丈夫と言っても、確認が取れるまで入場は保留にしましょう。

ここで出て来た5つの項目は、イベントページに事前に記載したじゃないかともしかしたらあなたは思うかもしれませんが、まずはその発想は捨てて対応してみることが、お客様の気持ちの良いイベント経験へと繋がります。

前述の関係者の呼出しについてですが、リストに漏れがあり招待客を不快にさせてしまうリスクや、無理矢理入場しようとするわがままなお客様の問題もあります。
これらのオペレーションを円滑に行う為には、エントランス担当者へ与える権限の範囲を事前に明確にしておく必要があります。

気配りの利いたエントランスマネジメントで、お客様には行きも帰りもエントランスを笑顔で通過してもらいたいものですね。

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