【イベントレポート】HRテックバトル「人材採用 VS 外部人材活用 VS RPA」~次世代に勝ち残る企業組織とは~


昨年10月29日に、「次世代に勝ち残る企業組織」をテーマにHRテックバトルを繰り広げる、トークセッションを開催しました。登壇者は、即戦力人材に特化した転職サイトを運営するビズリーチ、クラウドソーシングを展開するランサーズ、日本初のクラウドRPA「BizteX cobit(ビズテックス コビット)」を提供するBizteXの3社。会場には、1000名以上の大企業様から50名以下の中小企業様まで、たくさんの方にお越しいただきました。当日の様子をイベントレポートとしてお届けします。

◆開催日:2019年10月29日(火)

◆イベントページ:https://hrtech-battle1029.peatix.com/

◆登壇者:
與島 広幸氏
株式会社ビズリーチ ビジネス開発統括部 統括部長

平井 聡氏
ランサーズ株式会社 執行役員 アシスタント事業担当

嶋田 光敏氏
BizteX株式会社 代表取締役 Founder/CEO

◆モデレーター:
藤田 祐司
Peatix Japan株式会社 共同創業者 取締役・CMO (最高マーケティング責任者)

【目次】
3社3様。HR領域に旋風を巻き起こした各社の事業展開とは
圧倒的なインパクトを残したCM戦略の裏側
ぶっちゃけ、他社のサービスも導入している?
3社のサービスと事業の規模・フェーズによる相性は?
企業の「○○な悩み」を解決するサービスはどれか?
ご来場者様からの質問
 -Q1.「外部人材を一時的に活用した場合、社内情報の流出は大丈夫なのか」
 -Q2.「いろいろなRPAが出ている中で、サービスの違いを知りたい」
 -Q3.「フリーランスと自社の社員は共存できるのか」
総括~事業の状況によって選ぶべきサービスは変わる

3社3様。HR領域に旋風を巻き起こした各社の事業展開とは


藤田:それでは、各社の事業についてご説明をお願いします。

ビズリーチ~「ダイレクトリクルーティング」という新たな概念を創出

與島:ビズリーチは即戦力人材と企業をつなぐ転職サイトを運営しており、現在181万人ほどの即戦力人材にご登録いただいております。

従来の日本の採用手法というのは、求人広告を出して応募を待つパターンや、紹介会社にお願いして、マッチする人材を紹介してもらうパターンなど「待ち」の採用が一般的でした。今すぐにでも人材が必要なのに、また人材がいれば事業が成長するとわかっているのに待つしか方法がない。こうした日本の採用市場における課題を解決したく、ビズリーチは人材データベースを企業に開放することで採用市場を可視化しました。

企業が求職者へ自らアプローチできるプラットフォームを提供することで、「欲しい」人材を獲得するために、あらゆる手段を主体的に考え、能動的に実行する採用活動「ダイレクトリクルーティング」を推進し、優秀な人材のスピーディーな採用をご支援しています。

ランサーズ~リソース不足とスキル不足を即解決するクラウドソーシング

平井:ランサーズは、フリーランスと企業様をつなぐクラウドソーシングのプラットフォームとして、外部人材活用における様々なソリューションを提供している会社です。

働き方改革が推進される現在ですが、今の日本の企業様が抱える課題は大きく2つあります。日々の膨大な業務にどう対応していくかというリソース不足の問題。もう一つは、デジタルトランスフォーメーションの重要性はわかっているもののIT人材を獲得できないといったことに代表される、スキル不足の問題です。このような状況が深刻化するなか、必然的に外部人材の活用が進みました。

今日はバトル(笑)なので、採用マーケットのお話をさせていただくと、正社員を雇用するうえで課題となるのは、やはり採用までのリードタイムです。人材の良し悪しを判断して採用するには、短くても3カ月程度はかかるでしょう。

当社が提供するソリューションは、「人が欲しい」「スキルが必要」となったら、翌日にはリソースもスキルも獲得できること。プロパーがコア業務に集中できる状態をつくるという点においても、外部人材の活用は大きなメリットがあると考えています。

BizteX~人とテクノロジーが共存しながら進化するRPAの世界観をつくる

嶋田:BizteXは、日本初クラウドRPAを軸にSaaSサービスを提供している会社です。当社が掲げるミッションは「テクノロジーで新しいワークスタイルをつくる」ことです。

現在はRPAやAIが加速度的に進化していて、「人間の代わりとなって働いてくれる」テクノロジーが期待される時代に突入しています。RPAにより個々の労働時間が減れば、家族と過ごす時間を増やすことも可能ですし、それこそランサーズさんを活用して副業ができるようになるかもしれません(。このように、ワークスタイルを変えることで人々のライフスタイルが変わる。これが私たちが実現したい世界観です。

当社クラウドRPA「BizteX cobit」の特徴を簡単に説明すると、クラウドなので設備投資がいらないこと、自社開発でスピード感があり、保守不要で常に最新機能が提供されること。そして専門知識がなくても直感的な操作で誰でも簡単にロボットを作成できることです。

「RPAやAIが普及すると人間の仕事を奪うのでは?」とよくいわれるのですが、結論からいうと「奪われない」と考えています。RPAは人が能動的に使うことで生きるテクノロジーです。つまり、人とテクノロジーは共存しながら双方が進化していくものといえるわけです。また、私たちが目指しているのは、そうした未来をつくることです。

圧倒的なインパクトを残したCM戦略の裏側


藤田:では、ここから次のセクションに入りたいと思います。今日はHRテックバトルということで、気になる質問について各社にお答えいただきたいと思います。

―CM戦略について教えてください。

藤田:CMというと、ビズリーチさんがいくつものパターンを展開されていますよね。 CMを始められたのは3年前くらいでしょうか。きれいな女性が「ビズリーチ!」と言っているのがとても印象的でした。すごいなと思ったのは、これまで人材採用のCMというと求職者を集めるものが多かったのですが、ビズリーチさんは企業に向けてCMを打たれました。人材業界に大きな流れをつくるきっかけになったのかなと思いますが?

與島:CMで一番影響力が大きかったと感じるのは「即戦力」というキーワードです。即戦力という言葉は企業様に響くだけでなく、働く人にとっても「俺って即戦力?」という風に想起させますよね。結果的に認知度が上がって、サイトの集客力も上がるという副産物を得ることができました。

藤田:「即戦力採用」というCMを打たれたビズリーチさん。対して、ランサーズさんでは「採用やめよう」というCMを打たれましたよね。

平井:今年の年始に「採用やめよう」というプロモーションを打たせていただきました。ダイレクトに届いて、かつインパクトを残せる言葉を探して決めたキーメッセージなんですが、その背景には、優秀な外部人材が非常に増えていることを多くの人にお知らせしたい、一つの選択肢にしていただきたいという思いがありました。

CMを打ったあと、「ランサーズでは採用しないのか?」とたくさんの方に聞かれたんですけど、めちゃくちゃ採用しています(笑)。採用=正社員のみという考えではなく、フリーランスなどの他の選択肢も検討してはいかがでしょうか、という採用手法の提案の意味をキーメッセージに込めました。

藤田:あえて物議をかもすくらいのところまで踏み込んだメッセージにされたということですね。

嶋田:すごいインパクトあるワードだなと思ったんですが、これは誰が考えたんですか?

平井:CMプロジェクトを仕切っていたのはCEOの秋好です。一発目のCMというのは、思い切ったことをやろうとするほど進めにくい部分がどうしても出てくるんですね。誰にも何もいわせず推進できるのは秋好しかいないということで、クリエイティブを含め、全て秋好が進めました。

ぶっちゃけ、他社のサービスも活用している?


―自社の組織づくりに他社のサービスも取り入れていますか?

與島:ビズリーチは現在1300人くらいの会社なんですが、大きなことを実現するにはやはり正社員が必要なので、自社のサービスはもちろん使っています。ただ、RPAも活用していますしフリーランスの方もいらっしゃるという状況ですね。

採用は「同じ船に乗せる人を決めること」といわれることがありますが、この「同じ船に乗る人たち」は正社員。「航海の途中に寄った島で何かを手伝ってくれる人」がフリーランスの方。そして、「船にエンジンをつけて、人力から自動化してくれるもの」がRPAの役割というように、必要に応じて選択しています。

平井:当社はフリーランスを支援している会社なので、3社の中では一番フリーランスが多いと思います。ただ、もちろんプロパーは必要なので、採用ではビズリーチさんを使わせていただいています。サービス面においても、RPAのほうがコスト的にもスピード的にも絶対に効率がいい部分があると思っています。

藤田:少し聞きにくい質問ですが、RPAとランサーズに登録されているフリーランスが競合する部分もあるように思いますが?

平井:ネット上の情報収集やリサーチのような単純作業をフリーランスの方がやってきた部分もあるので、PRAやAIが進化している中では競合する業種になりますね。ただ、フリーランスの立ち位置でしかやれないことも増えてきているので、私としてはRPAとの協業を検討しながら、融合的に活用するのが良いかなと思っています。

嶋田:当社は正社員が30名ほど、業務委託の方やアルバイトを含めて40人くらいで運営しています。ヒューマンリソースの捉え方でいうと、正社員は事業に共感してくれ、コミットメント高く働いてくれる存在です。とはいえ、この分野をいち早く立ち上げたいというフェーズにおいては、採用するよりもプロフェッショナルに業務委託してやってもらうほうが早いというケースもあります。

社内では20体ほどのRPAロボットを使っていますが、PRAは判断することや複雑な業務プロセスには向いていません。当社はスタートアップなので、きれいにオペレーションを組めていない部分が多々あり、まだまだ人の手を介さないとできない仕事がたくさんあるんですね。人や部署が増えてオペレーティブな業務が増えていけば、もっと自社のプロダクトを活用できるようになるかなと思いますが、社員と外部のプロフェッショナル、RPAを組み合わせて、効率的に配分するのが理想かなと思いますね。

3社のサービスと事業の規模・フェーズとの相性は?


藤田:お話をうかがっていると、3社ともに、一つのサービスではなく組み合わせることが重要というお考えがあるかなと。組織づくりにおいては、会社の規模や事業フェーズによっても理想の組み合わせがあるように思われますが、みなさんが考えるサービスと事業規模・フェーズとの相性を教えてください。

―各社のサービスと事業規模・フェーズとの相性はどうお考えですか?

與島:事業規模は大きく影響すると思いますね。当社は1300人規模の会社ですが、オペレーティブな定型業務が総量としてとても多くなるんですね。たとえば、ビズリーチの求人審査ではRPAを活用しています。_RPAはインターネットとも非常に相性が良いので、総量が多く負荷が目立ってきた定型業務はRPAが便利かなと思っています。

平井:大手企業様からご依頼いただくケースで多いのは、ランサーズの業種でいうとエンジニアリング領域とクリエイティブ領域ですね。プロフェッショナルのリソースを活用できる点を評価いただいています。

20名以下の企業様になると、オンラインのアシスタントサービスをご利用いただくケースが増えました。アシスタントサービスは、専任アシスタントが1名ついて、会食のセッティングから営業資料の作成、リサーチ業務など従来アシスタントの方に依頼していたような業務をやってくれるというものです。中小企業様は一人ひとりの業務が膨大なので、付帯業務は丸投げしたいというニーズがけっこうありまして、このサービスをご活用いただくことが増えました。

藤田:これまでランサーズさんに依頼する場合、業務を切り出して案件ごとに依頼する形だったと思うのですが、アシスタント1名に全部投げられるということですか?

平井:おっしゃる通りです。業種を問わず、アシスタントに一式依頼できるスキームになっています。アシスタントが後工程をディレクションして、たとえばデザイナー、秘書業務が得意な方、会計業務ができる方というように、最適なフリーランスをアサインします。なので、「この業務は誰にどう依頼すべきかわからない」ということが起きないスキームにしています。

フリーランスへの依頼では、どうしてもスキルマッチの問題などで企業様が不安に感じられたり、要件を整理する手間がかかったりすることがあります。当社でもこの点は非常に課題感を持っていて、乗り越える仕組みを考えてきました。

藤田:人材採用が面接に面接を重ねて結婚するみたいなことに対して、顔が見えないフリーランスの場合は、ちょっとドキドキしながらお願いするところがありますよね。

平井:当社がいま推進しているのは、実名制ですね。ちゃんとスキルがあって実績を持っている方や個人のブランディングをしっかり行っている方を推すことで、依頼時のハードルを下げてマッチング率を向上させる取り組みをしています。

藤田:BizteXさんの事業でいうと、ビズリーチさんの業務やランサーズさんの業務に組み込むなど、いろいろな組織と組み合わせることができるように思いますが?

嶋田:RPAのマーケット自体はこの2年くらい、年に50%くらいの伸び率になっていて、いろいろな規模、事業フェーズにある企業様が導入を検討されています。ただ、RPAを扱える人材がいないという声も聞かれるので、どういったサービスを利用すべきか十分に検討したほうが良いと思います。

当社のRPAはクラウドで提供していますので、ランサーズさんのクラウドワーカーさんも扱えます。たとえば、クラウドワーカーが新しいスキルとしてRPAが使えるようになると収入を得る切り口が増えますよね。RPAを使える人材を採用するのも一つですし、新しいテクノロジーが広がることによって、企業の選択肢は増えると思います。

企業の「○○な悩み」を解決するサービスはどれか?


藤田:HRテックは組み合わせるのが理想という話の流れではありますが、とはいえ、「こんな悩みならぜひ当社へ!」ということがありましたら、ぜひ教えてください。

―「こんな悩みならぜひ当社へ!」という強みを教えてください。

與島:人材採用は一言でいうと結婚みたいなものです。ビジョンに共感するとか成し遂げたいことが一緒であるとか、エモーショナルな部分も大きいと思います。同じ船に乗せる人材、一緒に働きたいと思える人材を探すなら、ぜひビズリーチをご利用いただきたいです。

平井:スピード感という部分では相対的に優位性があるかなと思っています。たとえば今月でデザイナーが辞めちゃうけれど、来月も継続しなければならない業務があるというケースはたくさんありますよね。採用するとなると時間がかかるので、代替手段としてフリーランスのデザイナーに依頼できるという点は強みかなと思います。

嶋田:スピードという観点でいうと、当社のRPAは即日その場で使える点が強みかなと。でも、欲しいものほど時間をかけるともいいますし、速さだけが全てではないところもあるかなと。結婚相手をすぐに決めちゃダメですよね。

與島:素敵なコメントをありがとうございます!

藤田:先ほど平井さんもRPAに任せられるところは任せるというお話をされていましたが、やはり役割によって変わってくるということですね。

来場者からの質問


藤田:ここから、ご来場者様からいただいたご質問にお答えするコーナーに移りたいと思います。アンケートでみなさんが「いいね」をつけてくれた質問に答えていただきましょう。

Q1. 外部人材を一時的に活用した場合、社内情報の流出は大丈夫なのか

平井:上場企業様や大手企業様から必ずといっていいほど上がるご質問ですね。リモートで働いている方がどういう環境で仕事をしているかを特定するのは、オペレーション的に難しいというのが実状です。

ランサーズとしては、企業様の業務フローに立ち入らせていただいて、外部人材をどう活用すべきか提案するなどしてスムーズに発注していただける体制を組んでいます。ただ、情報流出の懸念を100%取り除くことは困難ですので、その点を踏まえたうえで、依頼する業務を切り出していただけるのが現状のベストではないかと思います。とはいえ、5年前に比べるとコア業務を依頼していただく大企業様も増えているので、だいぶ許容されてきた感覚はありますね。

Q2.いろいろなRPAが出ている中で、サービスの違いを知りたい

嶋田:エンジニアの方からのご質問ですね。RPAのマーケットはいま盛り上がっているので、いろんな企業様が参入されてツールも乱立しています。何が違うのかというと、ツールによって得意、不得意の傾向はあるものの、できることはじつは同じだったりします。

大きな違いがあるのは、「どんな人が使うと想定して作っているか」という点です。RPAはもともと欧米から日本に入ってきたのですが、昔は高額な製品で、高いけれど複雑な処理ができるという切り口で提供されていました。

BizteXでは、EUC(エンドユーザーコンピューティング)化というのを思想として持っていて、事業部門の担当者様が簡単に使えるRPAをつくろうという世界観があります。たとえばRPAの専任者でないとロボットを作ったりメンテナンスできないとなると、逆に現場の細かな業務に対応できなくなりますよね。なので、現場に即しているかという観点は非常に大切だと思っています。

藤田:BizteXさんのRPAは使える方が多いので、活用方法もいろいろ広がるという点で差別化につながっているわけですね。

嶋田:やはりビジネスは事業部門の方が主導されているので、事業部門の方がその場で作成できたり修正できたりすることが重要なんですね。現場の業務を現場の人の知識でやれるというのが、当社サービスのコンセプトになっています。

Q3.フリーランスと自社の社員は共存できるのか

平井:現在は労働環境が加速度的に変化していて、雇用形態の垣根がなくなってきているという実感を持っています。たとえばアメリカだと、事業を立ち上げる際のコアな業務はプロパーがやり、サービス・運用部分は全員フリーランスみたいな状況も起きているので、そういう意味では徐々に交わっていくのではないかなと思っています。

與島:私も10年くらい人材業界の変遷を見てきましたが、雇用形態の垣根がなくなりつつあるというのは同感です。さらにいうと、「株式会社日本」という大きな括りで見たときに、正社員なのかフリーランスなのかという形態の違いにこだわるのはあまり意味がないと思うんですね。大切なのは、どこに労働力を寄せると利益が出るのかということなので。個人が活躍できる企業が増えれば、その先にプロフェッショナルとしてフリーランスの道に進む方もいるでしょう。人材の流動化というのは、そういうことではないかなと思います。

総括~事業の状況によって選ぶべきサービスは変わる


藤田:とてもいい流れで、HRテックバトルを繰り広げていただきました。結論として会社の規模や事業の状況によって、どのサービスを活用すべきか変わってくるし、うまく組み合わせるのが理想的ということですね。

今日は貴重なお話をいろいろ聞かせていただき、ありがとうございました!


[株式会社ビズリーチ] https://www.bizreach.jp
[ランサーズ株式会社] https://www.lancers.co.jp
[BizteX株式会社] https://www.biztex.co.jp

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