スタートトゥデイテクノロジーズ金山氏が、前身VASILYで実施していた、優秀な20代を採用するための採用・人事施策とは スタートトゥデイテクノロジーズ 金山 裕樹 氏

2018年6月21日に”急成長ベンチャー企業経営者が語る〜もうこれまでの採用スタイルは通用しない〜「20代の人材採用&活用の処方箋」”が開催されました。株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ 代表取締役CIO金山裕樹 氏、freee株式会社 執行役員CMSO 野澤俊通 氏、株式会社ビズリーチ 執行役員/キャリトレ事業部 事業部長 中嶋 孝昌 氏が登壇、採用担当や経営者の方々が多数参加されました。


株式会社スタートトゥデイテクノロジーズ 金山 裕樹 氏

こんにちは。スタートトゥデイテクノロジーズの金山です。ZOZOTOWNやZOZOSUITを開発しています。

本日は「20代の人材採用&活用の処方箋」ということで、我々の採用方法についてお話します。ただ、僕自身はもともとVASILYというスタートアップを9年間経営していまして、2017年10月にスタートトゥデイにM&Aされました。スタートトゥデイテクノロジーズがスタートしてまだ2カ月ですので、今日はVASILYでやったことを中心にお話いたします。

VASILYの20代の人材採用

「VASILY」は、ファッションテックのベンチャーで、社員数は25名、平均年齢27歳、エンジニア比率85%、新卒も毎年3〜5名採用していました。VASILYではスタッフを30歳以下で固めることを意識していました。

なぜかというと、これは採用手法と無関係ですが、たった30人のベンチャーが、マーケットも不明なファッションSNSで戦っていくには、とにかく施策の量やトライ、チャレンジの量が重要だと思っていたからです。我々は失敗を学びを得る1つの手法として捉えていたので、失敗を知らないが故にどんどんトライができるような、勢いのある若手で固めたかったのです。

実際に40代は1人もおらず、最高年齢が僕でした。なので、VASILYの採用のテーマは、「20代をどうやって採るか」ということでした。

 

20代優秀層の傾向と彼らの採用のために大切なこと

まず20代の優秀人材のポイントとして、彼らはものすごく情報を持っています。ネット検索の能力も高いですし、会社に行って話を聞けるサービスや、ビジネスマッチングアプリも駆使し、完全に人事や採用担当者より情報を持っています。

僕らが最初の頃の20代採用における失敗から学んだことは、「中途半端ではダメだ」ということです。最初は情報を隠し、都合の良いところだけを見せるというようなやり方でしたが、結果的にある年は、内定を出した新卒5人全員が他の会社に行ってしまいました。

なので、若手優秀層を取るなら道は2つだと思っています。「早期に囲い込んで、インターンで機会を与え続けて、気づいたら入っちゃった」というパターン。意図的にしているように言うと聞こえが悪いですが、結果としてそうなる。インターンでトライし、結果を出していくうちに「VASILY悪くなさそうだしいいじゃん」という気になってくるというケースです。

でも1番いいのは、自社のことを徹底的に丸裸にし、情報も全部出した上で納得して来てもらうことです。不都合なことを隠してもどうせ入ったらバレます。我々は燦燦たる結果の後は、情報を徹底的にオープンにするスタイルをとって、悪いこともあえて言うようにしていました。

 

会社のビジョンを押し出す

ポイントがもう1つあるとしたら、ビジョンを押し出すことです。我々はファッションのビジネスをやっていましたが、もしかしたらカーシェアにピボットすることもあったかもしれない。ビジョンを共有せず、事業内容だけで就職すると、そうなったときに辞めてしまう可能性があります。それに、ビジョン自体が最強の差別化要因かとも思います。何をビジョンとして掲げるかで、半分ぐらい勝負は決まるのではないでしょうか。

明らかにスキルアップが目的な人は、そのスキルを獲得したらいなくなってしまう。ビジョンに共感できるかどうか、そして、それを自分のストーリーで語れるかどうか。候補者が自分自身の言葉でビジョンを語れるようになるくらいに、面接の過程ですり合わせていき、「会社のビジョンを自分に引きつけて語れる人材しか採用しない」というスタンスで、結果的にそれが良かったと思っています。

ビジョン採用のポイント:量と角度

VASILYのビジョンは、「人類の進化に貢献する発明を行い続ける」で、それをブログやSNSでひたすら発信していました。ビジョン採用をドライブさせるポイントは、量と角度だと思います。100回でも1000回でも言うべきです。ただ、1人の人が1つのビジョンを語っていても聞き手は飽きるので、角度を変えて伝えなければいけません。

そのためには、ビジョンを語れる人を増やすことです。採用担当者や、採用の現場に出て行く方たちにも、ビジョンをしっかり伝え、彼らが異口同音にビジョンについて語れる仕組みができると効率的です。

採用した人材にどう活躍してもらうか

そして、採用した人材にどう活躍してもらうか。採用がゴールではなく、仕事で成果を残してもらう必要がありますし、結果を出し続けられるような組織である事が重要です。これをどうしたかという話をします。

我々は、特に20代の定着のためには、丁寧に評価をすることがポイントだと思っています。優秀な方たちは絶対「成長したい」と言います。でも仕事人としての成長をどう測りますか?例えば短距離走の選手であればタイムがありますし、学校の勉強だったら数学の問題が解けるようになるなど目安がありますが、仕事における成長実感を感じる機会は意外とないと思います。

それをつくるのが、評価の仕組みです。その人の成長を定期的に定量化し、このままの調子で良いのか、どこか改善するべきなのかを確認し、それを続けて行くことで成長を確認し合う。僕らは四半期に1回、上長との1on1による評価面談、そしてそ上長は我々マネージメントと1on1をして、1人1人に対して2〜3時間ぐらいの時間をかけて評価をしていました。

そうやってフィードバックして、前期と、今期の自分の評価を比べることで、はじめて成長が見える化され「この会社、成長できるんだ」と思っていただけると考えています。

評価のポイントを採用時から利用することで、一貫性のある評価を続けていく

採用時からその後の評価までを一貫させるために、採用の時点で「会社として高く評価できそうな人」採用するようにしていました。採用のタイミングから、入社後に用いる評価尺度を基準に選考していたのです。

これは僕の大失敗「誰でも会社に入れたくなっちゃう病」がもとで作った仕組みです。一緒に働きたいと言われると採りたくなってしまう。でもその結果、ミスマッチも起こり、彼らが活躍できるような環境がつくれませんでした。そこで、「自分以外の人が採用できる仕組みを作らねば」思い、採用の仕組み化をしました。

まず、「どんな人と働きたいか」というポイントを経営陣と話し合いました。僕だったら「ハングリーな人」。CTOは「インターネットが大好きで、活用してきたかどうか」。CFOは「プロフェッショナリズムがあって、その人をリスペクトできるところがあるか」。ハングリー、インターネット、プロフェッショナルの3つで「HIP」ケツですね。この3つを見てもらうように依頼をして、さらにそのHIPが評価にも続くようにしました。

面接のときから評価がはじまっていますし、一気通貫した思想で採用時から評価することによって「HIPというのを会社で大事にしよう」というコンセンサスが取れました。HIPだけじゃちょっと下品なので、さらに、HIPだけでなく「スピード(Speed)」の『S』、「チームワーク(Teamwork)」の『T』、「起業家精神(Entrepreneurship)」の『E』、「採用(Recruit)」の『R』でSTERをつけて「HIPSTER」とカッコいい感じに整えたわけです。

実際に運用されていた評価シートがこれです。採用は、現場スタッフが見ますが、本当にHIPしか見ない。そしてHIPが全部マルじゃないと次のステップに進ませない。何人も違う目で同じポイントを見ていき、メッシュを細かくしました。評価者が、その候補者のHIPについて自分が良いと思った理由を書いて、次の面接官に渡していく。会社として評価したいポイントを持つ人を、採用のところでふるいにかけることで、評価しやすい環境をつくりました。

評価面談でも同様で、採用時よりも細かいHIPSTERの項目で評価をします。HIPSTERになっているそれぞれの採用/評価基準について、各グレードのレベルが規定されています。「こういう行動レベルだったら、評価レベルは5」などというガイドラインがあり、まずは本人が自己評価を書きます。それを上長が見てフィードバックをし、さらに我々経営陣が最終的な評価をフィードバックする。

そうすると、シートが日記のように溜まっていきます。これを見返すと成長が可視化されて、本人も「この会社は成長できる会社だ」と思ってくれる。その結果、頑張れて、定着する。みんなハッピーな状態になっていきます。

 

20代の採用に関して、もう一度まとめると、とにかくビジョンを伝えるのがポイントです。活用のポイントとしては「評価を逆算する」、「その仕組みをつくって回していくことで、成長実感を持っていただく」というのが良いのではと思っている次第です。


 

 

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PeatixのマーケティングとPRを担当。Peatixの思いやサービス内容を伝える仕事をする一方、イベント・コミュニティ主催者の魅力やストーリーに迫るイベントサロンの運営メンバーでもある。人に会って話を聞くこと、自分の知らなかった世界に触れることが好き。