2/17(金)「PeaTiX Live! Vol.4 音楽・アーティスト活動のこれから」を渋谷・残響塾にて開催しました

残響shop/残響塾

PeaTiX Live! Vol.4 音楽・アーティスト活動のこれから〜Direct to Fan (D2F) マーケティング時代のサバイバル術〜」と題して、これからの音楽をテーマにしたトークライブを雪のちらつく2/17(金)に渋谷の残響塾にて開催しました!
会場は立ち見が出るほどの盛況となり、熱気につつまれたこのイベントのレポートを余すところなくお送りします。

アーカイブ
Ustreamのアーカイブもあります。是非、動画で今回のライブを味わってください!

■パネルディスカッション:「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」から何を学ぶべきか?

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登壇者の紹介

  • (株)バグ・コーポレーション 山口哲一氏(写真左)
    アーティストマネジメント(事務所)をしている 最近は新人アーティストのプロデュース
    今日はヒール役で(笑)
    グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』は、エンタメ本としては面白い本、書いてある内容はちょっと乱暴かな。
  • ふくりゅう氏(写真左から2番目)
    音楽コンシェルジュ 『BARFOUT!』などでアーティストのインタビュー、J-WAVE「TOKIO HOT 100」でニューカマーアーティストを紹介するコーナーを担当
    山口さんとは『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』を共著でダイヤモンド社から昨年出版した。音楽のソーシャルグラフにまつわる活動をしています
  • 虎岩正樹氏(写真左から3番目)
    残響塾の塾長。ギタリストの活動もしつつ、ハリウッドの音楽学校で学長をし、日本でも残響塾を立ち上げインディペンデントアーティストの支援を行っている。
  • Peatix Inc. 原田卓(写真右青のパーカー)
    ソーシャルチケットサービス「PeaTiX(ピーティックス)」代表

Grateful Deadって?

  • ルックスがいいバンドではない、スカルにイナヅマが入ったアートワークやダンシングベアーなど自分達でデザインしていることも有名

    ウォール・オブ・サウンド、PAシステムをもの凄いお金かけて始めた
    デットヘッド(Grateful Deadの熱狂的なファン)は三分の一ぐらい学校にこない、ツアーを一緒に回っているから
    Jam Band(結果じゃなくて過程を見せる音楽)というカテゴリーを作ったバンド(虎岩)
  • 音楽の伝え方が変わっているバンド、無料で録音してもいいよ、という独自のスタンス
    ライブで年間5,000万ドル稼いでいた。米国のアーティストとしては1番かも。(ふくりゅう)
  • プラチナアルバムもでているはず(虎岩)
  • Fish(ライブと即興演奏で著名なアメリカのロックバンド)が出て来てGrateful Deadも知っていた
    Jam Sessionという言葉はあったけど、Jam Bandは当時はなかったように思う。後付けなんじゃないかな?(山口)
  • ライブのあり方も面白くて、曲と曲のつなぎ目がない。お客さんがノっていれば8時間ライブやっちゃう(ふくりゅう)
  • この本が一番マズいと思うのは、ヒッピーカルチャーとドラッグカルチャーを無条件に礼賛しているところ しちゃいけない スティーブジョブズまで結びつけて、素敵だぜ!イェイ!というのはかなり乱暴なロジック。若い人は真に受けないでほしい(山口)
  • ドラックに代わるもの、SNSなど、インターネットの思想が当時のそれに近いのでは?誰もがフラットな関係性、情報を発信をできる、快楽原則に乗っ取っている、のは近しいなと思っている(ふくりゅう)

忘れられない名前をつけよう

  • ジェリー・ガルシアがとある辞書をパッと開いてあった言葉が「Grateful Dead」だっという逸話がある(原田)
  • 21世紀なので、Googleで検索されやすい名前をつける、もしくは検索されないような名前をあえてつける
    TMネットワークは東京の多摩出身で、多摩ネットワークでTM NETWORKになった
    デビュー当時、通信の”ネットワーク”がカッコいいイメージがあったが、80年代後半になると地域ネットワーク、回覧板のイメージがカッコ悪いという事でTMNに改変、またインターネットの盛り上がりでネットワークに戻した TM NETWORKのネットワークはソーシャルネットワークだったと小室さんはGoogle+で言っている バンドでこれだけ壮大なストーリーをもっているTM NETWORK、面白くないですか?(ふくりゅう)
  • 「バンド命名に正解はない」のが持論
    サザンオールスターズって名前カッコ悪いですよね?でも、バンドとしては金字塔な訳で
    僕は東京エスムジカというのを「東京からエスノの音楽を」というコンセプトで命名しましたけど どのバンドが愛されるか・広めていくかはまた別の話(山口)
  • 自分が信じられる名前(虎岩)

新しいカテゴリーを作ってしまおう

  • Jam Bandの話のように新しいカテゴリーを日本で新しいカテゴリーを作った例はあります?(原田)
  • X-JAPAN。ビジュアル系のイメージを作りあげた。
    カテゴリーのつくり方は3つ、1つ目はレーベル運営、2つ目は対バンでのツアー、3つ目は合同でのイベント
    1986年にYOSHIKIが7インチのレコードのリリースのために、Extasy Recordsを立ち上げ、そこからLADIES ROOM、LUNA SEA、ジギル、GLAYが巣立っていった
    そこから(ビジュアル系の)カテゴリーが出来た エクスタシーサミットの開催など祭り感もあってより盛り上がる 今は海外からも注目されている日本発のPOP CLUTURE(ふくりゅう)
  • 新人アーティストは、EMIで新人発掘している加茂さんも言ってますが、オリジナリティ、アイデンティティ、クオリティー があるアーティストじゃないとデューする必要ないよねと思っている(山口)

ファンを増やそう

  • 「The alternate media are becoming important and viable alternatives to playing live. Records, videos, that kind of thing.
    They’re going to start to count for something. Because there’s only a limited amount of us-time available to us.
    Jerry Garcia
    60年代のJerry GarciaのQuoteを引用して、ライブが圧倒的だった時代に、レコードとビデオが大事になってくる。テクノロジーの進歩は当時のほうがインパクトがあったのでは?
  • 録音させちゃった方がいいよねというテーパーという文化ができたのは、ライブをベースにやっていくという確固たるものがあったからだと思う(虎岩)
  • Grateful Deadのファンの人のファンがいる。そこが面白い
    Grateful Deadは、コミュニティを作って全米をまわっていったと言われている
    ピースメーカーという2階建てバスをファンのファンが用意して、無料の医療行為やフリーペーパーつくってファンのサポートなどしていた その収益の一部がバンドにも入る形でビジネスの共同体が生まれて行った バンドだけでなく、バンドのファンもカッコいい存在だった(ふくりゅう)
  • 「ソーシャルメディアが発達して音楽でもこのようなことが起っています」ってよくITの専門家の人が言いますが、全体としては合っているけど、音楽のところだけは間違っている
    音楽はもともとソーシャルメディア的に広まるもの
    まだ日本にそういったソーシャルメディアでアーティストが成功したという例がないというのを認識してほしい 僕の課題でもあるけど(山口)
  • ファンクラブというビジネスが成り立つのは日本だけ(原田)
  • 音楽業界ってメチャクチャ閉鎖的(虎岩)
  • 音楽業界で言うと、不勉強なんだと思う もう、さすがに出て来てよくない?(山口)
  • アーティストの不勉強だと思う 米国の普通の高校生が知っている事を日本では知らない 音楽配信の仕方など(虎岩)
  • CDを売るのがメインのビジネスモデルになっている 音楽配信でも収益モデルがあると思う(ふくりゅう)
  • (音楽配信の)インフラの規模が小さいという事もあるとは思う(原田)
  • 何をもって”成功”とするのか?(虎岩)
  • CDを作ってお店に置いて売るっているのはコストがかかる
    インディーズのアーティストがDIY的に収益を上げるのは、有料メルマガとかあると思う
    例えば、月額500円で音源+メルマガとか もしかしたら収益性が高いのでは
    どこで収益を上げるのかを変えるターニングポイントが大事なんじゃないかと思う(ふくりゅう)
  • 若者のマジョリティの憧れになること(山口さん)
  • 先日の(山口さんとのMTGで)山口さんが(アーティストが売れることを野球に例えて)
    「みんなプロ野球選手になれたらプロ野球なんて面白くない」と言っていたのが納得(原田)
  • プロ野球選手ぐらいの年収を稼ぐぐらいじゃないですか?(山口)
  • 有名なアーティストでも「食べていけるだけでいい」という人もいますが(原田)
  • そういう人年収2,000万ないと暮らしていけない人だったりしますから(笑)(山口)
  • CDを1,000枚売る
    米国だと、週末だけレストランで働いているかも知れないけど、CDを1,000枚〜2,000枚売って、音楽で喰えている
    日本でも1,000枚、2,000枚売っているメジャーアーティスト、タワレコでCD売っていても全く食えていない(虎岩)

中間業者を排除しよう

  • DIY(Do It Yourself)アーティストって本当に成り立つか?(原田)
  • 日本のアーティストでセルフマネージメントで売れた例はない 必ずマネージャーやスタッフがいる 表に出さないので一般的にはわからないけど
    なので、バンドの子にアドバイスがあるとすれば「いいマネージャー探しな」と言っている
    日本の音楽業界のいいところは、(マネージャーが)既存プレーヤーである必要はない アマチュアバンドと素人マネージャーが天下とった例はたくさんある
    吉田拓郎さんもそうだったかも、ハイスタはそう(成功した例)だよ(山口)
  • インターネット以後だと、ツールとしては配信でSound CloudやBandCampで収益できる チケット販売はPeaTiX、 プロモーションでTwitter、mixi、Facebook、Ustream、ニコニコ動画を活用していけばアーティストだけで(ファンを)広げていくのは出来る
    X−JAPANのYOSHIKIさんが言っていたんですけど、「インディーズレーベル立ち上げてCDが1万枚売れて梱包作業が大変だったからSONYと契約した」っていう(ふくりゅう)
  • X-JAPANの例じゃないですけど、CDが売れすぎて音楽ができなくなっちゃうぐらいまでは、(アーティスト自身で)やろうよって思っています
    2週間もあれば、配信できる iTunes Storeで配信するとプロモーションなしでも7割は必ず1回は売れるというデータがある
    1サイクル(配信して、印税が自分の銀行に入ってくるまで)全部、自分で経験できる
    その中でここはプロの人に任せた方がいいな というところで人が入ってくるのがいいと思う それがこれからの音楽ビジネス(虎岩)
  • 「俺、雇ってよ」って アーティストに言いたい(笑)(山口)
  • 僕は、レコード会社で著作権周り、契約を担当していたんですけど、(若いアーティストが理解するのは)難しいですよね(原田)
  • みんな”けもの道”を教えちゃうから 王道を理解すれば大丈夫 権利ビジネス自体は難しくない 業界慣習はアーティストオリエンテッドだと思いますけどね(山口)

フリーからプレミアムへアップグレードしてもらおう

  • 録音物はどんどんフリーになっていくと言われていますが(原田)
  • 音源ファイルを売ろうと思っているからいけない CDビジネスがうまく行ったから勘違いしちゃっている
    ファンとのコニュニケーションのツールとして楽曲があるという考え方からすれば、CDや音源ファイルの捉え方は変わってくる(山口)
  • Ustreamなど、コンテンツにはお金を払いたいという風潮がある プロモーションでフリーで楽曲は配信しつつも、メルマガなどお金が入ってくる仕組み、コアなファンからは定期的にお金が入ってくる仕組みがないとちょっと大変
    最近、ハイボール理論にハマっているんですけど(笑)
    サントリーがビールに変わるものとして、ハイボールを出しましたよね これまでバーでグラスで飲むものだったが、ジョッキにして乾杯の飲み物として提供したんです
    入れ物を変えて、すごく飲まれるようになりましたよね? 楽しみ方を変えるといった事も音楽でもできるんじゃないか(ふくりゅう)
  • 僕も、いい話シリーズで(笑)
    アーティストビジネスの構造を変えなきゃいけないと数年前から思っている
    ソーシャルゲームのビジネスモデルは9割が無料で1割からお金をもらう アーティストビジネスも以前はそうだった ラジオでタダで聞いて、気に入ったらCD聞いて、ライブ行って、ファンクラブ入って…
    CDを売るビジネスモデルだと、「CDのプロモーションだから」という理由でプロモーションは無料でやって、有名になったらファンクラブで囲い込んでお金もらいましょう というのは成り立たなくなっている
    ソーシャルゲームでいいなと思うのは、広めることと、お金に変えるのが1つのベクトルで出来る部分
    そうじゃないとしんどくてやってられない
    エスタブリッシュなアーティストは難しいので、これから出て行くアーティストで新しいビジネスモデルを作る必要がある(山口)
  • そもそも(音源に)定価がついているのがおかしいと思っている ライブとかあなたの好きな金額でいいのでは BandCampなんかもオープンプライスで価格をつけている お金の取り合いじゃなくて時間の取り合い 誰でも24時間の中の2分を(自分の音楽で)どうやってもらうかを考えないといけない(虎岩)
  • 残響shopで売っている「Playボタン」という缶バッチみたいな音楽プレイヤーがある iPhoneやiPodと違うのは曲のリッピングができない ソフトとハードが融合したアイテム 他のカルチャー、ファッションとかと融合するモノが可能性があると思う(ふくりゅう)
  • アナログからCDに移行した時点で、音質って悪くなっている訳です 音楽配信なんかはmp3だったりすると劣化すごい オーディオなんかはすごい進化していますけどね 30年前のフォーマットを売っている業界ってありますか?(山口)
  • フォーマット争いや利権争いをパブリックにしちゃった大失敗は、音楽業界すごい反省だと思う アメリカはCDもうないけど、そうなるのは嫌 新しいフォーマットに転換する事に対して怠慢だった Kodakなんてなくなっちゃいましたし お互いに争っている場合じゃないよと(虎岩)
  • さすがに危機感あるんで、(レコード業界も)変わると思う 2011年は日本がアメリカのCD/配信の売上げを抜いたという事実がある 喜ぶべき事ではなくて(笑)全国チェーンのCDが残っているのは日本だけだと思う

まとめ「これでよかったのだ。」by 糸井重里氏

  • 唯一しっくり来た言葉 過去形なのがいい (内容は)後付けなんで。
    「Appleのビジネスモデルはなんですか?」と聞かれてスティーブ・ジョブスが「Appleのビジネスモデルはビートルズだ 誰もやった事がない」と言っている
    要は、(この本にあるようにDIYで)やるかやらないかだと思う(虎岩)
  • ライブを大事にしている ホスピタリティが素晴らしい 妊婦の方のエリア設置や耳が不自由な方に振動で音楽を楽しんでもらったり、手話で歌詞を通訳したり そういうのが伝説になっているんだと思う ライブ録音を排除するのではなく、PAの後ろの空きスペースをテーパーに提供した
    「いかにコミュニティをつくるか」というのがこれからのビジネス(ふくりゅう)
  • アーティストで夢を語る人が出て来てほしい 日本で一番の(いい意味での)トリック・スターは孫正義だと思う 矢沢さんや布袋さんもジェントルになってますから ジョブズなんて相当なもんですよ(笑) ホラではないですけど、大きなことを言って皆に夢を見させるというアーティストが出て来てほしい(山口)
Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 パネルディスカッションの4人

左から残響塾長の虎岩さん、PeaTiX代表の原田、バグ・コーポレーション山口さん、音楽コンシェルジュふくりゅうさん

Twitterで竹村(@tokyopingu)宛に、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』の著者れあるDavid Meerman Scott (@dmscott) さんからの謝辞ツイートが!

■Orinoco Peatix (株) CMO 竹村による「midem(ミデム)レポート」

欧米のアーティストや音楽業界の話となりますが、「midem(ミデム)」よりインディペンデントアーティストの方に役に立ちそうな情報を抜粋してお伝えしますと竹村のレポートが始まりました。
Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 竹村からのMidemレポート

マーケティングとは?

自分の伝えたいものをどう伝えるのか?というのがマーケティング
音楽はエモーショナルなものなので、いかに心を動かせるかを考える
D2F(Direct to Fan)マーケティングの時代では、ファンを増やしたければ、マーケティングを考える事も大事!

米国のバークリーオンラインで12週間のオンラインミュージックマーケティングの講座を提供している
参考)Berkelee のシラバス http://ptix.co/wdBbFB

自分なりの戦略を考えよう

  • (自分達の音楽やバンドの)ユニークポイントのプロポジションを考える
  • 自分のユニークな部分は何なのか?うまく言っている部分をソーシャルメディアなどでどこを伸ばせるか?を考える
  • 例えば、レッスンで生計がたっているなら、Webサービスでのレッスン提供もいい
    最近だと、ミュージックアプリなんかも出て来ているので、企業と組んで自分のレッスンをアプリにするなどビジネスになるかも

活用出来る主なツール

  • ソーシャルメディア
  • Eメールやウィジェット
  • 音源の流通サービス
  • ファンドレイジングサービス
  • ライブチケットの販売

海外事例:Karmin × YouTube

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=khCokQt–l4&version=3&hl=ja_JP]
先ほどのバークレーの生徒 これはマネージャーが優秀だった例ですが
マネージャーが「誰でも知っている曲をまったく違うアレンジでカバーを徹底的にやるんだ」と
Googleで曲名の検索に引っかかって、YouTubeで見られて、(オリジナルと全く違うので)感動されて、エンゲージメントができて、ファンになるというサイクルを巧みに作った例
有名な曲クリス・ブラウンの「Look at Me」をカバー、Hip-Hop系でのBlogで取り上げられた
YouTubeで5,700万回以上も見られている
アメリカはインフルエンサーBlogも多いので広がっていった ウィジェットをリリースし、さらにBUZZを呼んで、今や音楽活動だけで食べていけるようになった

海外事例:Zoe Keating × Twitter

Zoe Keating(@zoecello)とTwitterの例
60万(現在では、120万)以上フォロワーがいるアーティスト
クラシックのチェロのアーティスト
Twitterでのファンとのコミュニケーション中心で5万枚CDを売っている Twitterに自身がハマって、生計がたっている例

Zoe Keating

海外事例:Daria Musk × Google+

欧米ではGoogle+は早い段階で1,000万ユーザーになっている
去年の夏にGoogle+ Hangouts(Videoチャットのフリーのサービス)でやってみようかなと思ってやってみたら、本来は50人しか入れないが、Googleの協力もあって、何度もやっているうちに数十万の人が彼女のライブを見た
ソーシャルメディアも使いこなす若いチャーミングな方で、ライブセッションの時に
ウクライナのファンのために歌ったり、パーソナライズな経験をファンに提供して話題を呼んだ
TEDにも呼ばれてスピーチもしている

Daria Musk

Facebook マーケティングに活用出来るアプリ

それぞれのアーティストが得意としている部分が違うのでツールも違う
ツールは膨大にあるし、どんどん変わってしまうが、自分のオーディエンスや自身の活動にあったものを選んでそれを徹底的にやってみるのがいいのではないか

忘れないでね、eメール

ソーシャルメディアの時代もeメールは重要 とMidemでも多く話されていました
ファンにとって興味が強く、インセンティブのある内容を出来るだけeメールで出す
出来るだけテストをして、効果をアップさせよう
開封率、CTR、解約率、URLのクリックを見るのがマーケティングでは通常だが、そこまで出来なくともせめてeメールアドレスだけでもとっておこう

コアファンを1,000人集めよう

コアファンが1,000人いればアーティストとして食べていける

Value for value(価値の交換)の関係性をファンと築く

Kickstarterなどファンドレイジングのサイトがいくつかある 日本だと、Campfireなんか出て来ている

ファンドレイジング

Kickstarterでの事例に「QuNeoプロジェクト」がある
36時間で1万5,000ドルの目標を達成。達成後もさらにのびる。

ポイント

D2Fマーケティングでは、プランをつくる事が一番重要
プランがあれば、ソーシャルメディアや様々なアーティスト向けサービスを使うことによって伝播を広めることもマネタイズも可能な時代
アーティスト自身が全部やるのは現実的に大変だと思うので、自分の良さが活かせそうな分野や好きな部分をやるか、得意な人を仲間にする事が、D2Fマーケティングを継続していくために大事なのでは

ブランド × 音楽業界 × アーティスト

Music Dealers × Coca-Cola
ロンドンオリンピックのラウンジでのライブできる権利など
(ブランド企業が)音楽はアテンションを取るには有効なツールのひとつ
Coca-Colaでは10人ぐらいエンターテイメント・マーケティングの担当がグローバルの支社にいる 音楽担当の人も何人もいる状況
Music Dealersだけでなく、音楽系Startupにも投資も行う 予算にして150億円ぐらいを費やす」とのこと
「若い世代のお客様に対して、感動を生むには音楽は欠かせないものだから」とCoca-Colaの担当の方は言っていた
音楽をやっている人は今後はブランドとのコラボは大きな機会になっていく
リーバイスもスタジオを米国に作って、アーティストがいつでも来てレコーディングできるなど
音楽業界の活性剤としてブランド企業が寄与していくのでは

You Say France and I Wistle × MusicDealers

Coca Colaのキャンペーンソングに当選したことで、知名度がアップ。
Coca-Cola のオリンピックラウンジでも演奏出来ることに

You-Say-France-and-I-Wistle

 

注目の音楽系スタートアップ

ソーシャルメディアの時代で、音源自体の量は増えている
どうやってユーザーが気に入る音楽を見つけるのか?という部分で頑張っているStartupが多かった
具体的には、TechCrunch JAPANに寄稿した記事をご覧ください
デジタル音楽が進んでいくキーワードとして「Discovery」「エンゲージメント」「マネタイズ」「モバイル」
midemでは、レーベルとStartupが、EMIとAmazonがディスカッションする場なんていうのもあった
Spotify以外にもどんどん面白いサービスが出てくると非常にポジティブに捉えたmidemでしたと締めくくりました。

■ (株)ワールドスケープ代表 海保けんたろー氏による講演「アーティストが自ら戦略を立てて自ら実行する時代に」

Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 フリクル海保さんプレゼン
2003年ぐらいからメリディアンローグというバンドをやっていて、2008年にメジャーレビューした
深夜番組で曲が流れたり、ゲームのタイアップも決まったりして「やっと来たぜ!俺たちのサクセス!」なんて思っていた
1枚、2枚とCDをリリースする度に、意外に売れないCDや少ない収入など色々と疑問に思う事があり、調べるようになった

Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 フリクル海保さんプレゼン

3,000円のCDを売った場合のアーティストの収入

作詞・作曲していないと3,000円のCDが1枚売れてもアーティストの手もとに入ってくるのは1%の30円
ランキングTop10に入ると、だいたい1週間で13,000枚ぐらい売れれば入れるんですけど、4人組バンドのメンバーだとすると97,500円
作詞作曲印税を4人で均等割りしてもアルバム1枚売れて30円の収入
ランキングTop10に入ると、390,000円
中間業者がある事もあり、CDが売れない時代にあって、収入が少なすぎる!

では、どうすればいいのか…?

メンバーで何ヶ月も話し合った
音源(デジタルデータ)を売るのは、コピーできるし厳しいと思った
コピーできないもの、「体験と物体」つまり、ライブとグッズ・ファンクラブ特典だと思った
メールアドレスと交換に音源を無料で送付、メールマガジン配信をはじめたが技術的なハードルがあった

  • メールマガジン送信システム(楽曲データ送信機能付き)
  • ファンクラブ運営システム(顧客管理・決済・郵送)

が必要と思って、昨年「フリクル」を立ち上げた

フリクル

これからの時代はこれなんじゃないですか!?

ファンになるべくダイレクトに売るというこれからの時代にあった最適化をしていこう
メジャーデビューしても、少なくとも5,000枚売れないと生活できない ハードル高い
これならば、コアなファンが1,000人いれば食べていきます
スゴいマニアックな音楽をやっている人も100人のコアファンで半分食べていける

最終的には、どうやってファンを増やすのか?というところまでやりたいと思っている
世界中のアーティストとファンのマッチングも行っていきたい

と今後の展望まで語っていただきました。

■懇親会

30分押して始まった懇親会ですが、最初はサプライズで虎岩さんのライブが!
Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 懇親会での虎岩さんライブ!

皆さん、かなり熱心に話し込んでいました。
Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 懇親会

アーティストとステージのマッチングサイト「getstage」松山氏プレゼン

Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 懇親会でのgetstage松山さんプレゼン
PeaTiX Live Vol.1で登壇いただいた事もある、「getstage(ゲットステージ)」の松山氏からサービスの説明タイム
Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 懇親会でのgetstageさんプレゼン

getstage MUSIC AWARDSを開催!
getstage登録アーティストの中から皆さんの投票で1位を決め、1位に輝いたアーティストには、getstage内での特設ページの開設、WEBでのプロモーション、getstageプレミアムイベントへの出場などのステージが用意されるというものです。

Feb 17 PeaTiX Live! Vol.4 残響塾

会場の熱気でガラスが真っ白に。
来場いただいた皆さん、登壇者の方、ありがとうございました!
また、音楽をテーマにしたPeaTiX イベントを企画しておりますので、お楽しみに!

 

PeaTiX のイベント主催者向けのワークショップの告知を少しだけ。

PeaTiX Live! Vol.3に登場したイナズマ中島氏やgreenz.jp副編集長・小野氏も講師として登場!
「イベントデザインワークショップ powered by PeaTiX」のお知らせ

3月から「イベントデザインワークショップ」と題して、企画からコミュニティ運営までのノウハウを5日間に凝縮して学ぶ講座がはじまります!
Orinoco PeaTiX のイベント企画チームやオペレーションチームも講師として登場します!

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