PeaTiXが世に放たれてから早10ヶ月が経とうとしている。当初から単なるSaaS型チケット販売サービスを運営するつもりではなかった。ぶっちゃけると未だに「SaaS」の定義をイマイチ理解していない。だがSaaSという言葉自体あまり聞かなくなったし、ものすごく2005年的な匂いがするので今更その定義を探るべくググるつもりも毛頭ない。
PeaTiXの使命は“Empower and Energize Events”。
まだ適切且つすっと入ってくる日本語訳が見つからないが、要するに「イベントをよりスムーズに運営できるように(主催者を)エンパワーし、それだけでなくイベントの内容そのものもより充実するようなツール・サービスを提供する」することがミッションだと考えている。
つまるところ、より多くの人々の集いを生み出したい。
集まる機会が増えればそれだけアイデアの交換も増えて社会に活力が生まれると考えている。今はまだまだそのミッションの骨組みを作り上げている段階であり、やりたいことの 1%も満たしていない。
とはいえ今では多くのイベント主催者に我々のサービスをご利用頂いている。
新機能をどんどんリリースをしては主催者からフィードバックを頂き、より良いものを作って行く。そのサイクルの繰り返し。多くの失敗を繰り返しているが、それはつまりサービスを使ってもらえてるから失敗や問題点が浮き彫りになっているとも言えるので、Lean Startupの奥義の一つである”Fail Fast”を地で行っているとも言える。
今、懊悩の最中にいる。深い森の中を彷徨っている心境である。実際には代々木八幡のカフェで時代遅れでカッコ悪いヘビースモーカーに成り下がり、深く悩んでいる。
PeaTiXではイベントを公開後、そのイベント内容に変更を加えると自動的に参加者全員に変更が発生したことを知らせるメールが送信されるようになっている。良かれと思って搭載した機能だ。イベントにはどうしても変更点が発生する。だが主催者と我々にはその変更点を参加者に知らせる義務があるとも思え、このように全変更点についてその都度お知らせメールが送信されるようにした。
だが、主催者も千差万別。注意深くイベントページを作成してくださる方もいれば、ちょっとケアレスミスも多くて公開後に誤字脱字などを細かく手直しするために参加者全員にスパムメールとばかりにいちいちメールが飛んでしまう現象が多発もしている。
旧来のイベント・チケットの世界では印刷物やチケットそのものは後から手直し出来ないから間違いはそのままだし、イベントに行ってみたら何だか事前に知らされていた内容と違う、みたいな事象も多いと思われる。
PeaTiXでは無論、この事象を全て解消したい。
日時や開催場所の変更、ましてや出演者などに変更があった場合はもちろん参加者にすぐにその旨を伝えるべきだと思う。
だが写真の変更、誤字脱字の修正などのレベルの変更が発生した場合でもいちいちメールで知らせるべきか。
スパムを助長しているとも思える。実際にスパム化している場合も多い。おそらくは、変更点をメールで参加者全員に知らせるべきかは、主催者任せのオプション機能として提供するべきだと思われる。
だがその場合、全ての主催者が責任を持って知らせるべき変更内容をきちんと知らせるのか、否か。この点において我がチーム内で大激論が発生している。いや、とても良いことだと思っている。キレイ事ではなく、こうして様々な意見が交わされるからサービスが向上していく。
変更メール通知はオプションとして提供しつつ、例えばイベント公開ボタンをクリックする段階で人生の酸いも甘いも理解し切っている深みのありそうな人物が突如として登場し、「君、責任というものは分かっているのかね・・・」なんて淡々と話してくれる機能とか。
どうだろうか。菅原文太みたいな人が出てくる、みたいな。英語版ではデニーロとか。
あと数日議論を交わし、結論を出すと思う。皆様の忌憚なきご意見も伺いたい。ご意見は taku[at]peatix.com までどうぞ。
PeaTiX CEO
原田 卓