グラレコも絵も特殊スキルじゃない。誰でも簡単に描けて、イベント以外にも応用できるラクガキのススメ / イベントサロン神戸 vol.1 DAY2

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2017年5月6〜7日、神戸にて078kobeというフェスティバルが開催されました。ピーティックスも2日間にわたり「イベントサロン神戸vol.1」を開催し、神戸内外で活躍する素敵なイベント・コミュニティオーガナイザーのトークイベントを行いました。

2日目のテーマは”「Global to Local」世界で広がる思いを身の回りに広めるには” グローバルに広がるアイデア・表現・考え方を、身の回りに広めていこうと活動する方たちのお話です!

グラレコも絵も特殊スキルじゃない。誰でも簡単に描けて、イベント以外にも応用できるラクガキのススメ / イベントサロン神戸 vol.1 DAY2
ラクガキコーチ:タムラ カイ氏

タムラ カイです。ラクガキコーチとして活動をしています。ラクガキってなんだって思われるかもしれませんが、自分の中ではこうやって、「描いて、考えて、伝える」ための技術だと思っています。普段は富士通デザインでデザイナーをやっているのですが、サイドプロジェクトというか、完全に個人の活動としてやっています。

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会社員という仕事だけではなく、個人としてできることを探して

ラクガキコーチををやり始めたのは2014年ですが、きっかけは2009年の時です。自分は会社員なんですが、望まない配置換えがあったんです。その時に上司に嫌ですと抗議したんですが、聞き入れてもらえなかった。しかも「嫌やったらやめるという抗議もできるよ」とも言われ……(笑) その時に、「個人としてできることがないとなぁ……」と思い、ブログを始めました。で、いろいろなことをやってたんですが、その中で挿絵として絵も描いてたんです。

そしたら、ある知り合いから「絵を教えて欲しい」と言われまして。「自分はプロでもないし、そういうことなら絵画教室に行ってくださいよ」と言ってたのですが、その人から「絵の上手な人に習いたいというんじゃない。タムラさんはとにかく楽しそうに描いてる。そういう人に教わりたい」と言われまして。

なるほど、楽しくならできるかもと思い、2014年に小規模でワークショップを開催してみました。それをやってみたら、SNSなどの投稿をみて、うちでもやって欲しいという引き合いが来て活動が始まり、今に至るという感じです。

2015年と2016年に本を2冊出させてもらいまして、本を出したことでまた知ってくれる人も増え、活動の幅も増えています。

絵もグラレコも特殊スキルじゃない

もともと絵を描くのが好きで、授業中も絵を描いていないと集中できないタチでした。絵を描きながらノートを取っていて、そういうことを続けていたら「タムラさん、そういうのってグラフィックレコードって言うんですよ」と言われ、へぇそうなのかと。

グラフィックレコード(グラレコ) はまず外国で注目され始め、最近は日本でも盛り上がっています。そこにもつながるのが絵を描くということですね。 ただ、グラレコや絵って、「特別なこと・特殊スキル」のように捉えられているような気がして。自分はそうじゃないよ、誰しもが絵を描けるよということを伝えたくて、ラクガキコーチをやってます。

カンタンに100の表情が描けるようになるポイント

なのでここでちょっと絵を描いてもらおうと思うんですが、「カンタンに100の表情がかけるようになる」というのを紹介しようと思います。 表情の書き方って、突き詰めると3つの要素なんです。「口」と「目」と「眉」。

100の表情は、「あ・い・う・え・おの口」と、「5つの目」と「4つの眉」この組み合わせで作れます。カンタンでしょ?

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脳がめちゃめちゃ反応する!絵・表情が持つチカラ

なんでこういう風に絵を描いてもらうことにこだわっているかというと、表情を描くことで、圧倒的に伝わりやすくなるんです。人間っていうのは、人間の顔をみると脳がめちゃめちゃ反応するんですね。脳の中に顔だけを判別する部位がある。そして表情を理解する力もある。なので、顔を描いて伝えることで圧倒的に伝わりやすくなるし、表情を描くことで言葉以上に伝わることってあるんです。

これはちょっと応用もできて、うちの子どもにやるんですけど、うちの子はニンジンが嫌いで食べないんです。そこで悲しそうな顔のニンジンを描く。

「ニンジンさんどんな気持ち?」と聞くと「悲しい」と。「悲しそうやな。なんでだと思う?」と言うと「食べないから」って(笑)  「じゃあどうしたらニンジンさん喜んでくれる?こんなニコニコになる?」って聞くと、「食べる」っていうんですね。 そしたらもう後は、カレーにするかシチューにするか聞けばいいんです。

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そしてこのアプローチは実は、最近注目されているデザイン思考に通じるところもあります。デザイン思考の出発点は、「相手の気持ちを考える」ということ。これも、いきなり「困っているユーザーをハッピーにしてあげたい」と言葉で始めるのではなく、「ユーザーは何に困っているのだろうか?障壁は何か?」というアプローチを絵や表情からスタートさせると、そこから生まれる発想が、絵を使わない場合とは異なってきます。

デザイン思考というのもセンスがないとできないものと思われがちですが、こういった「表情を」使って考えることでその本質に近づいていけると思っていて、こういうことを考えるワークショップをやったりもしています。

言葉や文化が違っても思いが通じる。描くことは伝えること

こういうイベントの場でも、絵は活用できるものだと思ってます。イベントっていうのは人と人とが出会う場所。初めて出会った人に何かを伝える時にも、絵や表情を通して伝えた方が伝わるんですね。なので、ぜひぜひラクガキをして、絵と表情で伝えるということをやってみてもらえたらと思っています。

今日のテーマ「グローバル to ローカル」ということですが、私がやってることはグローバルとかじゃなく「ドローカル(Draw:描く)」って感じですが(会場笑) 今回このラクガキをSXSW(サウスバイサウスウエスト:アメリカで開催されるIT・音楽・映画の祭典)の場で見知らぬ外国人に対してやってみたところ、「わかるわかる」と言ってもらえ、言葉を越えたコミュニケーションが成り立ってるなという実感を持つことができました。そんな活動をしています。



[Q&A]

Q) タムラさんがラクガキの活動を始められて、何かご自身の中で変化はありましたか?

A) それまで以上に相手のことを考えるようになりましたね。もともとデザイナーですから、ユーザーのこと、相手のことは考えていたつもりでしたが、より一層相手のことを考えるようになったと思います。

あとは会社との付き合い方ですね。会社とは別の軸で活動をするようになりました。逆にこの活動で会社の看板を背負って出ることも出てきて、動き方の幅ができたなと思います。



Q) 本も出版されて、私たちがもっとラクガキを身近にできるようにとアクションされてるのかなと思いますが、ラクガキをどういう風に活用したり、楽しんだりしてもらいたいと思ってらっしゃいますか?

A) やっぱりラクガキをすると「より伝わる」ようになると思います。ノートに描く、人に渡すメモに描く、ちょっとしたものに描いてみることで変わります。だからラクガキを活用して、お互いによりよく分かり合う、伝え合うようになったらいいなと思いますね。



Q)   会議がキライで、会議をもっと楽しくするためにグラレコにチャレンジしているのですが、スピードに追いつけずに文字ばかりになってしまいます。どうすればいいんでしょうか?

A) 文字も絵も、慣れれば早く書けるようになりますが、絵は慣れてないからいきなり早くは描けないですよね。なので最初は隙間をめっちゃ空けたノートを作ってくださいと言ってます。隙間を空けてノートを取って、後からイラストを入れていく。

このレイアウトって、実は新聞と一緒なんです。文字ってちゃんと伝わるものだから、文字を否定する必要はないと思います。文字の情報をより広げて伝えるために絵を活用すれば良いのではないかと。



Q)   SXSWにも行かれたということですが、今後の野望とかあるんですか?

A)   今後の野望は世界征服です(会場笑) いやこれ、冗談みたいな本気でして。一週間が7日だってことを疑う人はいないじゃないですか。それと同じくらいに、絵を描くことが当たり前な世界にしたいと思ってます。ですので世界征服です。

Q) ラクガキコーチとしての最初の企画をいきなりワークショップにされたっていうのが興味深かったです。いきなり参加者にも手を動かしてもらうような内容にしたのはこだわりがあったんですか?

A) そうですね。最初からワークショップにしようと思っていました。やっぱり「経験」しないと本人の中に入っていかないと思うんです。やってみるということが肝心かと。PDCAのDoから始めるというのは重視していることですね。



Q)   絵を描く人、描かない人の傾向というか、何かそういう実体験のようなものがあれば教えてください。

A)   大人の男性はなかなか描かないですね。恥ずかしいんですね。描いたものに対して何か言われる不安もあると思います。なのでそれを払拭できるように意識したプログラムを作っています。

絵心がないので……というのはよく聞きますが、絵心って言葉の意味を知ってますか?一つ目が絵を理解する心。これは漫画とか読むでしょ、みんな持ってます。二つ目が絵を描こうとする気持ち。これについても、みんな漢字書きますよね。漢字はもともと絵ですよね。絵だと思ってないから絵が描ける。

ですので、僕のワークショプでは表情の描き方についても要素を分解して、絵だと構えすぎずにスタートできるように意識して作っています。


100の表情がこんなに簡単に、システム的に描けるとは! もっと伝わる、楽しいラクガキライフをスタートしてみませんか?

ラクガキたくさんのタムラカイさんのブログを見てみよう!著書の情報もこちらから

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