伝統の良さを引き出し、革新への道を切り開く。現代の軍師、赤坂さんが目指す地域活性のあり方とは / イベントサロン with FUSION_N レポート

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2017年7月11日、神田錦町にあるコワーキング&シェアオフィスFUSION_Nにて、FUSION_NとPeatixの共催となる「イベントサロン with FUSION_N」を開催しました。

今回のテーマは「伝統と革新」。古いものと新しい流れが共存する神田錦町にぴったりなテーマで、一見相反するものを共存させながら活躍する、4名のゲストをお迎えしました。

 

伝統の良さを引き出し、革新への道を切り開く。現代の軍師、赤坂さんが目指す地域活性のあり方とは

チャンバラ合戦 – 戦 IKUSA 赤坂 大樹氏

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株式会社ティアスイッチの代表で、CIO=Chief(チーフ) IKUSA(戦) Officer(オフィサー)という立場で仕事をしています。それとNPO法人ゼロワンの副理事を務めております。

やっていることの一つは「チャンバラ合戦 IKUSA」という合戦ゲームです。腕に「命」のボールをつけて、痛くないスポンジ刀で、命のボールを叩き落とし合うゲームです。その発展系で、「合戦フェス」をやってます。7月2日にも大井競馬場ウマイルスクエアで開催しました。2,000人ぐらい来たら最高と思ってたら5,000人くらい人が来て、誘導・受付が破綻しました。ちょっとほろ苦い経験をしましたが、こんな感じでやってます。

これを通して何をしてるかというと、「外遊びや地域を再び掘り起こす、体感にフォーカスしたコンテンツ作り」です。

チャンバラ合戦 – 戦 IKUSAとは

「チャンバラ合戦IKUSA」のルールをもう少し説明しますね。プレーヤーの腕のところに、絶妙な磁力でこの「命」が付いてます。その命を「パンっ」と叩き落とされると、討ち死にです。

ルールは単純で、相手に命を落とされたら討ち死に。味方同士ぶつかっても同士討ち。たまたま命が磁石から落ちたら自害。絶妙な磁力なんです。なので、そもそもダッシュとか本気で動くことを想定しちゃダメ。武道とかスポーツじゃないんです。

これは、「信長航路」という名古屋城で開催したイベントで、桶狭間の戦いを再現しました。参加者は300人くらい。「桶狭間ルール」というのを設けて、例えば今川軍が攻められて30秒経つと援軍が来るとか、そういう演出を加えてやりました。他にも、大阪の真田丸イベントでNHKさんと一緒に「リアル大阪の陣」ということで、真田丸ファンが熱狂する中、300人の合戦をやったり。

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こういう形で年間1,000以上の戦場で、最大1,100人の合戦をやってます。 豊臣秀吉が生涯で戦った合戦数が300ぐらいと言われてるので、比べるとなんと3倍! 豊臣秀吉より強いんじゃないかと。

「我々は現代の軍師で、合戦コンサルティングしてます」と言ってます。マジで合戦詳しいですよ。親子だったらこんな感じになるとか、2時間だったらこれくらい疲れるとか、このフィールドならこっちが有利とか、体感値でかなり厳密にわかります。

IKUSAの魅力をつくる3つのポイント

IKUSAには3つのポイントがあります。

一つ目はシンプルなルール。スポーツチャンバラというのがあるんですけど、ルールが細かくて、審判がいないとわかんない。大人数では成立しないですよね。子どもでも外国人でも30秒で理解できて、すぐ参加できる。危なくない地面であればどこでもできます。バスケットコートぐらいの場所で100名程度が楽しめます。

 

二つ目が、地域の歴史によってカスタマイズできること。例えば、島根県の松江に「月山富田城の戦い」っていうのがあります。たぶん皆さんご存知ないだろうし、毛利と尼子のどちらが正義なのかわかんないですよね。おじいちゃんは知ってるけどお孫さんは全然知らない歴史が、どんどん増えている。

大河やった後でも、歴史のことはマニアは知ってるんだけど、お孫さんに伝える術はないのが現状だと思うんです。各地の歴史とコラボレーションする際には、IKUSAが歴史に興味を持つきっかけになればと言われます。

よみうりランドでも「チャンバラ戦国史」という名前で月一回開催していて、毎月歴史を体験できます。色んなアトラクションと違ってお客さん同士で合戦するので遊具は要らないアトラクションです(笑)

 

三つ目は、やる理由が勝ち負けじゃないということです。勝ち負けを突き詰めると、どうしてもアスリートが強くなるんですよね。若い男子がメインの競技になってしまう。ぼくらがやりたいのはそういうことじゃないので、依頼を受けて企画する際にも、お祭りや研修、企業のイベントでやりたいのはそういうことじゃないですよね、と伝えています。

こんな感じで、いろいろな企画としてやっています。社員旅行やパーティー、インバウンド、運動会、内地研修という形で、ビジネス的にも広がっています。

お祭りを革新する合戦フェス

IKUSAがアクティビティを革新するものだとすると、合戦フェスはお祭りを革新するものです。

全国各地に「武将隊」いうのがいます。アイドル的に人気がありますが、基本見るだけです。お祭りでやりたいことってほんとにそれですか?と思うんですよね。やっぱ一緒に戦って欲しいよねと思うのですが、どこに頼んでもダメって言うんで武将隊と一緒にIKUSAやる企画を作りました。

 

こちらでは、Afro&Co.という、泡にまみれて楽しむパーティ「泡パ」をやっているところとコラボして、「泡川合戦」をやりました。「姉川の合戦」っていう視界不良の合戦があり、それを泡でやろうと。チケットが売れ過ぎてめっちゃクレーム来ました。

 

段ボール甲冑づくりのワークショップもやってます。甲冑作りたいけど、時間かかってしゃあないということで、キットの物販を兼ねてワークショップで作る。小さい子から大人まで一緒に楽しめる企画ですね。

 

あとは「食」、武将が愛しそうな戦飯。ここまでプロデュースします。「見る・食べるだけのお祭り」から、「体感するお祭り」をやります。アクティビティなんて入れると怪我なんかのリスクは増えるだけですが、それでも怒られながらやってます。

 

合戦フェスでやりたいことは「多様性」です。お祭りの中に多様性を増やして、合戦も進化させていく。この両方をやれたら、色んな人に知ってもらえる「体感値の最大化」ができるんじゃないかという思いで企画しています。

赤坂さんが「大切にしたい」伝統と、「革新していきたい」伝統とは

僕には大切にしたい伝統があるんだけれど、それをよりよく楽しむために、よくないところやハードルになっているところを革新していく必要があると思っています。

まずは「占有できない屋外施設」。ここでは集まっちゃだめ、場所取っちゃだめ。じゃあ、代々木公園や新宿公園ってなんのためにあんなに広いんでしょうか。散歩くらいしかできない。親子一緒に遊べないし、5人以上も集まっちゃったら遊べません。

 

地域のお祭りもそうです。おんなじフランクフルトとおんなじ店で、おんなじアイドルの音頭踊ってませんか?そんなことしてると、お祭りは好きな人だけのものになってしまう。おじいちゃんのカメラ好きがいっぱい来る。それってほんとに集客ですかと思うんですよね。

 

外遊びとか歴史とか、古き良きコンテンツは日本にいっぱいあります。それを、現代の社会で楽しめるものとして革新していきたい。楽しさとか外遊びをテーマにして地域活性化したい、いうところがゴールだと思ってます。

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多くの人の力を借りて、ツールも活用しています。東西で50人のスタッフが協力してくれています。ウェブやSNSも必要です。絶えず自分たちのやってることも変えてかないといけない。

目に見える成果、負担の軽減、リクルーティングどれもが必要ですが、優先度はいま言った順です。成果を上げないと、どんなにいいスタッフでも辞めていきます。それは主催者の責任で、それを突破するのは主催者しかいないと思っています。

 

そんなことをしていると、死線を超えた戦友ができます。地獄のようなクレームを潜り抜けた合戦フェスでしたが、スタッフ満足度が高かったのは、そういうことかなと。苦しい時人間は本性が出ます。実績、利益を出せなければ組織は持続しないと肝に銘じて、いいメンバーと最高の実績を目指していきます。

コンテンツメーカーから体感のプロデューサーとして、「世界一平和な合戦」を広げていきたいと思っております。

 

[Q&A]

歴史や合戦に興味のない人への向き合いかた

[Q] 歴史や合戦に興味ない人も結構いると思うんですよね。そういう人たちに参加してもらう工夫は何かしていますか?

[A] 「来て欲しいと思う相手が欲していそうなこと」を提供するようにしてます。例えば地域のお祭りって、カタい集客に頼ってる気がするんです。このネタであればこれくらい固定ファンが来るだろうと。リスクを嫌うんですね。

僕らが企画すれば、周辺に人がいれば参加者は雪だるま式に増やせます。なぜなら楽しいから。参加者満足度に目を向け続けないと、持続する企画は絶対に無理だなって思ってます。なので、その地域がほんとに欲していそうなことを提供します。

そして、当日は軍師役の人に徹底的に場を盛り上げてもらいます。「余は参った。我こそは織田信長一の家臣〜」みたいに言ってもらうんです。そうするとみんなの様子が変わってくるんですよ。「僕になんか武将の名前付けて下さい!」って。やっぱりテンションあがりますし、そういうところが結局、お客さんに向き合うことかと思います。世界観に引き込み、こっちも楽しむということです。

なので、友人の口コミでの広がりがすごく今増えてますね。体験値ってずっと軽視されてきた気がしていて、みんなプロモーションでPV何万リーチ!てことばっかり気にしている。僕らのイベントは、せいぜい来ても300人とか400人とかですが、その深さは違うんじゃないかと思います。子どもが「おじいちゃん、今日ぼく、浅井長政軍だったよ! 」って話しながら手つをないで帰ってる。こういうことが見直されるようになるのではと期待しております。

 

IKUSAで体験・体感されているものとは

[Q] 概念的な話なんですが、すごく「体験・体感」っていうキーワードを大事にされてるなって思ったんですけど、参加されてる皆さんはIKUSAや合戦フェスの場で何を体験・体感されてると思いますか?

[A] その場でしか体験できないストーリーや、全く話したことない人、家族の新しい一面と必ず出会えるということです。やっぱその瞬間が興奮だと思うんですよね。

世の中、「計算されたエキサイティング」が多すぎると思うんです。ゲームにしても何にしても、勝つか負けるかだけで、絶対に安全。でも本来外遊びってそうじゃなくて、走ったらこけるし、絶対安全かというとそうじゃない。そういう「もしも」を、主催者側が覚悟するかどうかが、結構大事な気がしてます。

だから子どももすごく興奮するんです。命が落ちた落ち武者は、足がないので座って見るようにって言うんです。そしたら落ちた命を拾って、泣きながらくっつけて、4分そばで待ってるんですよ。僕らのイベントに来てくれる親御さんはそれを良しとしてくれる方が多いですね。

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望まれているものを汲み取りながら、進化させていく

[Q] 赤坂さんはもともと武将とか好きだったんですか? 武将の前に何か「体験」というテーマで色々やられたりしてましたか?

[A] いえ、武将にフォーカスしだしたのがここ2年くらいで、それ前の3年間くらい特に意味付けなく、チャンバラ合戦自体で楽しいじゃんという感じでやってました。ストーリーを乗せるようになって やっぱり色々な味付けができるようになったし、望まれてる感じはあったので、それに応じてちょっと舵を切って進化させたという感じです。


問題点を斬り、圧倒的な興奮や満足を引き出す「体験・体感」を求めて突き進む。「世界一平和な合戦」はどんどん広がっています!

 

次の戦場はどこか、チェックしよう!

▶︎ チャンバラ合戦-戦IKUSAの情報を見る

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PeatixのマーケティングとPRを担当。Peatixの思いやサービス内容を伝える仕事をする一方、イベント・コミュニティ主催者の魅力やストーリーに迫るイベントサロンの運営メンバーでもある。人に会って話を聞くこと、自分の知らなかった世界に触れることが好き。