[#EventSalon vol.9]河川敷を映画館に!?成功要因は”巻き込み力”。使用許可をスムーズに取った方法

イベントサロン vol.9 こんな場所でイベントが?!「会場探し」はイマジネーションで乗り越えろ!

調布のお父さんたちの挑戦!河川敷に一夜限りの映画館。多摩川にかかる鉄橋の橋脚がスクリーンに!?

ねぶくろシネマ 唐品 知浩 氏

星空の下で子供と気楽に映画が観たい。そんな地元のお父さんたちの想いから始まった一夜限りの映画館、ねぶくろシネマ。あの、京王線の橋脚をスクリーン代わりに野外イベントを開催しています。電車の真下で映画を見たことありますか?河川敷でイベントをしたことありますか?聞いただけで沢山のハードルが想像できちゃうイベント主催者の皆様、だれがどうやって企画したのか、どうやってこの会場を得たのか、どう使ったのか、どんな反響があったのか、気になりますよね!ねぶくろシネマ主催者の一人である唐品さんにお話し頂きます!

■ この記事のポイント

  • 起点となった「面白がる会」とは?
  • 最大の成功要因「面白がる会」に市役所の職員を巻き込んだこと?!
  • 拡散力を生んだのはキャッチーなネーミング

自己紹介

よろしくお願いします。順番がこんな後ろだと思わなくて、だいぶ飲んでますけれども。で、ですね、まず一番最初に映像を見ていただきたいなと思っています。

せっかく作るんであればお金をかけるような映画ではなくて、すごい一番気持ち良い環境で映画を見る。調布の父親を中心とした仲間たちもそう思ってくれて、このプロジェクトが始まっています。

僕らは、皆さんのように何回もやっているイベントというわけではなくて、とりあえずその12月に初めて「ねぶくろシネマ」というのをやってみた、という感じの状態ではありますので、経験でこんなことっていうのがだいぶ少ないんですけれども、どちらかというとどういう形で進めていったのかというのを見ていただければと思っております。

まず自己紹介をさせていただきます。唐品知浩と申します。これ、毎回言うんですけれども、名前の漢字を見ていただくと分かるんですけれども、全部の漢字に口が入っていて「口ばっかり」っていうふうに昔、いじめられたっていう話を必ずすると。これ、つかみです(笑)。

リバーサイドシネマの実行委員会としても動いていて、合同会社パッチワークスっていうのは何かと言うと、ここのco-baと一緒でco-ba調布っていうのがあるんですけれども、そこの仲間たちと「町ってイケてない部分が多いよね」みたいなところを、デザイナーさんと一緒に会社を作って、それをリ・デザインしていこうというモチベーションで会社を作ってしまったというところです。今回のねぶくろシネマはそこを中心に回しているという感じです。

自己紹介は、プロフィールはメインとして……あ、父親です。3人も男がいます。まあ、仕事はメインは「別荘リゾート.net」という別荘の不動産ポータルサイトを運営してます。物件としては2,500物件ぐらい出てます、と。あとは「YADOKARI」というウェブサイトの仲間と「休日不動産」とかっていうのを、別荘のセレクト型不動産サイトみたいなのを作ってたりもします。

土日はYADOKARIの小屋部という、大人の小屋を建てるための部活っていうのをやらせてもらっていて、

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まあ、こんな感じの。これは海の家なんですけれども、この屋台とかを作ってみたり。今までちょうど丸2年になるんですけれども19プロジェクト25棟を作っているという、多分、日本で一番小屋を作っている団体なんじゃないかなというふうには思っております。

ねぶくろシネマの起点となった「面白がる会」とは?!

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こんなイベントを、葉山の空き地を使って「小屋ヴィレッジ」っていうマルシェみたいなのをやらせてもらったり、あと「小屋フェス」っていうのでワークショップとかを担当してたりもします。それで、平日の夜に――これが肝なんですけれども、「○○を面白がる会」っていう飲みながらブレストする会をやっていて、その○○に当たるところが「不動産を面白がる」だったり、「調布を面白がる」だったり、「父親を面白がる」だったり、移住とか。そういうのをやらせてもらっているというのが平日の夜にやっている活動です。

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面白がるっていうところを一回お話しておきたいんですけれども、面白がるって辞書で調べるとここに書いてあるように「面白いと思う」って書いてあるんですけれども、ちょっとなんか、いまいち分からない言葉で。他の方たちがどんなことを言っているかというのを見ていくと比較的分かりやすくて、面白法人カヤックの柳澤さんとかは「自分たちのサービスに対して、まずは自分たちで面白がろう。自分たちが面白がらずに作ったものを誰が面白がってくれるだろうか」っていうふうにおっしゃっていたり、あと百ますの陰山さんとかは「本来なら自分に好ましくないことや、自分の感性とずれていることでも、あれ、結構面白いかも、と気付くことができる力だ」というふうに言っていて、この考え方を基本にブレストしていくという会議なんですけれども。

さっきの、例えば不動産とかっていう難しい話だと思うんですけれども、そういうことに対して自分ごととして捉えて、今までの慣例とか、慣習っていうのが一番ハードルになりうるので、それをいったん取り払った中で自分たちが求める幸せな世界っていうのをみんなでブレストしようよ、というのが面白がる会がやっていることです、という感じでそれが発展するとニュー不動産展みたいな。「不動産って難しいよね、もっとカジュアルでいいんじゃない」みたいな話の中で、「カジュアルなイベントやろうよ」みたいな感じで始まったのがニュー不動産展であったりします。これはツクルバと一緒にやっています。

ねぶくろシネマ本番までの時系列なんですけれども、どんな感じで進んでったかというと……河川敷。

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これ、一応サッカーやってるんですけれども、サッカーやってるようには見えないと思うんですけれども。勘違いしてる人がいるんですね、サッカーを(笑)。運ぶもんだと思ってます。ただ、運んで入れるっていう話ですね。こんな感じで多摩川河川敷でよく遊んでいるんですけれども、石投げとかをしたりするんですよね。

まあ、今回の橋脚、これなんですけれども、

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橋脚って改めて見るといろんな形があって、2つに分かれてるとか、こういうべったりしてるやつとかあると思うんですけれども、調布の京王線の橋脚はこんな感じでべったりしている。重いからか何か分かんないんですけれども、こういうタイプの橋脚で何かひらめいちゃったんですよね。

「あそこに映画映して映画館やりたいんだよね」みたいな感じでひらめいちゃったらつぶやいちゃうっていうのが僕のやり口なので。そしたら150いいね!ぐらい付いて「丸子橋でもやりたい!」とか、何かみんないろいろ言い出していてかなりFacebook上で盛り上がった。それが9月7日なんですけれども、一方で調布っていうのは日活とか大映の撮影所があって、石原プロとかあるんですよ。

「映画のまち調布」って言ってるんですけれども、映画館は1個もないです。もともと調布駅の前にパルコってあったんですけれど、そこに映画館はあったんですけどもつぶれてしまっていて。はい、すいません(笑)。つぶれてしまって見る場がなくて、映画のまち調布が何をしているかというと、作る。こう、左上に書いてあると思うんですけれども、「作る・楽しむ・学ぶ町」みたいな感じで作る人を応援しているという施策を打っていて、結構今後の対策を模索している。

「面白がる会」を市役所も巻き込んで開催!

市役所の職員さんは模索しているというのは僕らは分かっていたという中で、その面白がる会を市役所の人たちも呼んでやったというのが10月13日で、さっきのつぶやいたのから1カ月後です。調布の市役所の人と、市民と、パッチワークスで面白がる会をやって「映画見る場ないよね」とか、「1回で終わるイベントより継続したいよね」とか、「映画のまちって映画を見る回数、調布の人って圧倒的に映画見てるよね、みたいなほうが映画のまちって言えるんじゃない?」みたいな話とか。「あと、子どもに見せたい映画、名作って結構あったよね」とか、「昔、そんなこと思ったことあるよね」とか。で、「そういえばFacebookで橋脚に映す映画やりたいって言ってる人、いたよね」みたいな。「俺、俺」みたいな感じでアイデアが出てきたと。

それで、その2週間後にもう市の許可を取って、ここで市の方たちがいらっしゃったので許可を取るのは比較的簡単で、まあ「ああ、またやるの?」「そうっす」ってもう試写をしてしまった。プロジェクターも別に明るいのじゃなくて、会議用のプロジェクターとかを持っていって、取りあえず映してみようというので河原にメンバー4人で行ってやってみたんですね。

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そうしたら、すっごいかっこいいというか、すごいでかいスクリーンできちゃって「これ、やりたいね」みたいな。こう、シェアしたくなる気持ちってあるじゃないですか、いいものを見ると。何かすぐにでもやりたいっていうふうに思ってきて、ねぶくろシネマっていう名前を付けて、12月19日にやることを決めた。

最大の成功要因は?!

ねぶくろシネマっていうのは何でそういう名前にしたかっていうと、すっげえ寒いんすよ。12月19日にやるっていうことを決めて、それを前向きに捉えるためにどういう名前にしようかって思って「たき火シネマかな?」とか、「でも、たき火大丈夫かな」とか言いながらねぶくろシネマっていうところに落ち着いて、でもそれが意外とキャッチーで結構拡散されたっていうのがあるのかなというふうには思ってます。

それを決めて、コンセプトを決めて、チラシとか、ウェブを作って、プレスリリースもしたら何かバズってくれて。LINEニュースとか、FMとかで。Inter FMとかで流してくれて。で、本番スタートの当日になるんですけど、こんな感じ。

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寝袋をちゃんと持って来てくれて映画を見ると。セッティングOK!みたいな感じで見てくれるんですけれども。ダイオウイカとかじゃないですよ。着ぐるみとかじゃないんですけど、何か着ぐるみ感が結構いいっていうのもあって、みんな寝袋を何となく着ていてそれで映画を見ているっていう感覚が……あ、すいません。巻きますね。

まあ、いいのかなというふうに思って、こんな感じで電車の線路の――上に電車通ってるんですけど、

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それの真下で映画を映した。「しあわせのパン」という映画をやったんですけれども、中に出てくるカンパーニュっていうパンを実際パン屋さんに焼いてもらってそれを出したという、しあわせのパン。ちょっとピンクにしてみたんですけれども。

実際は来場が大体100人来てもらって、地元の方も遠方の方も来てくれてイベントとしては比較的成功だったんじゃないかなというふうには思ってはおります。まあVol.2、Vol.3っていうのもほぼ決まっていて3月26日は調布。Vol.3はT-SITE。今回の最大の成功要因は何だったかなと思った時に、調布市役所の人たちをその面白がる会に呼べたということ。

その場に、そこで課題と目指すべき世界っていうのを共有できたからこそ、市役所の方たちも「それに協力したい」と。「僕らでは、市役所ではできないけど、民間というか市民の人がやってくれるんであれば、全面的に応援したい」というふうに言ってくれたということが最大の成功要因だったのかなと思ってます。

それがOKだった時に河川の許可とか、橋脚の許可とか。橋脚は京王線とかにOKを取らなきゃいけないんですけど、「調布市が後援に付いてるんだったらいいよね」みたいな、結構スムーズに取れるっていう感じではあったので、そこからトントン拍子でイベントが作れたという感じです。

それで、僕らはこれからクラウドファンディングに挑戦しようと思っていて、やっぱりレンタル機材というか、プロジェクターとか、発電機とか、スピーカーとか、その辺をワンセットで用意できるっていうことができれば、どこでも屋外映画祭はできると思うのでそういうのを挑戦したいなというふうには思ってます。で、いい壁募集中。最近、「いい壁あるよ」っていうふうによく知り合いに言われるんですけど、多分キャバクラの前のお姉さんぐらい言ってくれるんですけど。「いい子いるよ」みたいな感覚で、みんな「いい壁あるよ」って言ってくれるんですけどすごい嬉しいです(笑)。なので、いい壁募集中です。

▶︎【EventSalon vol.9 こんな場所でイベントが?!「会場探し」はイマジネーションで乗り越えろ!】

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▶︎前回のEventSalon8「『つながり』が生まれるイベントのつくりかた」の動画はこちらからご覧になれます。

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