渋谷のランドマークQ-FRONT、 ドン・キホーテ、PARCOからSHIBUYA CASTの「住人」まで!? 渋谷の「場」はどのような思いで作られているのか/コミュコレ!渋谷2017 Session8

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2017年6月17日、東京カルチャーカルチャーにて、ニフティとPeatixの共催イベント、「Community Collection Shibuya ( コミュコレ!渋谷 ) 2017」を開催しました!

土曜日の夜の開催にも関わらず、スピーカー25名、参加者総勢100名近くの方々にお集まりいただき、大盛況となりました!

大いに盛り上がった9つのトークセッションのレポートです!

Session8「場 x コミュニティ」

ゲストスピーカー

清水 悠佑さん (株式会社TSUTAYA /SHIBUYA TSUTAYA 館長)

林 直孝さん(株式会社パルコ執行役員)

草津 宏樹さん(株式会社ドン・キホーテ)

藤代 健介さん(Cift Founder)

 

ー では、林さんから自己紹介をお願いいたします。

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株式会社パルコ 林さん

パルコの林と申します。渋谷のパルコ、絶賛建て替え中です。5月にPART1とPART3が一旦全部なくなりました。建て替え工事がちょうど着工したばかりで、2019年にオープン予定です。

私の仕事内容でいいますと、店舗のテクノロジーの仕事をしています。

 

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SHIBUYA TSUTAYA 清水さん

渋谷のスクランブル交差点のところにある「Q-FRONT」内のTSUTAYAの責任者をしております、清水と申します。今年から館長をしております。TSUTAYAというのは、みなさんご存知かもしれないですが、CDや映画、音楽、本を使ってみなさんの自己実現の欲求をお手伝いしたり、新しいライフスタイルの提案をしたりしています。

最近代官山や二子玉川とかに新しいお店ができていますが、自慢じゃないですが、その中でも渋谷の売り上げは圧倒的No.1です。(会場拍手) これがすなわち渋谷の持つパワーなんじゃないかなと思います。

 

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ドン・キホーテ 草津さん

ドン・キホーテの草津です。いま渋谷と新宿、赤坂、六本木と都心部の店舗をみています。

 

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Cift 藤代さん

みなさんこんにちは、藤代健介といいます。この渋谷cocotiの建物のお隣に、SHIBUYA CASTという東急電鉄さんのビルが今年4月にオープンしたんですけど、そこの13階から上が住居エリアになっていまして、そこの13階に住んでいる住人です。生活者です。よろしくお願いします。

 

モノ売りからコト売りへ

ー こちらのPARCOさん、TSUTAYAさん、ドン・キホーテさんお三方共通してこういうことを仰ってるのが気になってお呼びしたんですが、「モノ売りの時代から体験を提供する時代へ」ということだったんですね。「売る」のか「提供する」のか、その辺りも合わせてお話いただければと思います。

この辺りはPARCOさんの改装のキーワードにもなっているとお聞きしたのですが……林さん。

 

林さん:

いまはなくなった渋谷PARCOのPART1が建ったのは44年前なのですが、その時の開発のコンセプトは「劇場の中にショッピングセンターを作る」というものだったんです。一番上にPARCO劇場(当時は西武劇場)があって、その下がPARCOのショッピングエリアでした。我々の企業は50年近くショッピングセンターをやっていますが、当時から「コト」はすごく大事なキーワードで、特に渋谷PARCOはその「コト」というところ、文化情報をしっかり取り入れていきたいという思いがあります。

 

ー 清水さんも体験を売るというお話をされていたと思いますが

 

清水さん:

2013年に渋谷に来て、ずっとTSUTAYAの運営を担当しています。確かにモノはすごくよく売れるんですけど、極端にいうとモノを売るのはやめていこうと思ってまして……。

20年ほど前から、お客様の自己実現の欲求のお手伝いを、映画・音楽・本というパッケージになったモノを通じて提案してきました。その中で情報・メディアが広がってきて、様子が変わってきたんです。一つはインターネットですね。自分の「好き」が見つかりやすくなり、結果的に多様性が生まれた。で、モノの売れ方も、いままでの安室さんや浜崎さんというような、「CDが何百万枚と売れる」みたいな時代から、どんどん細かいものがたくさん生まれてくるようになった。

 

さらにそこから進んでてSNSが出てきて、自分が好きなコトとかヒトに直接アプローチができたり、自分が表現する側に回ってくる時代になった。その自己表現の欲求が満たされるようなコトをポンと置くと、そこにお客様が集まってきて。「他の人と違う自分を表現する」ということが起こっているなと思います。

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外国人観光客の増える渋谷で、ドン・キホーテが考える「場」づくりとは

ー ドン・キホーテさんは外国人のお客さんがどんどん増えてますよね。渋谷に来た観光客はみんな寄っていくくらいの勢いだとか。その辺りにはどのように対応されていますか?

 

草津さん:

以前の立地(渋谷東急本店のそば)の店舗のときは、実はそんなに来てなかったんです。それが今回スクランブル交差点に近い位置に移動して、倍以上になって……。理由はいくつかあると思うんですけど、先ほどのお話にもありましたが、スクランブル交差点に来て、そこで終わらずにこちらにも来てもらえるようになったのも一つの理由だと思います。交差点から看板が見えるようにしたり、工夫もしています。

 

ー 外国人観光客のお客さんにはどのような体験を提供しようとしているのですか?

 

草津さん:

外国人の方には、体験というよりも、外国人の方が欲しいものをしっかり品揃えするということを心がけています。当たり前に売れるものというよりも、「いま各国でどんなトレンドが起きているのか」ということを察知して、そういうものを入れるようにしています。

 

例えば、中国で大気汚染が問題なっているということであれば、マスクを置くにしてもどんな機能のマスクを置くのが良いのかということを考えます。綺麗な水を使いたいというニーズに対しては、水を綺麗にするにはどのようなものがあるかを考えて品ぞろえする。機能はそれぞれあるのですが、ランクの松竹梅を考えた商品ラインアップを考えたりとか、そういうことですね。

 

いくつかの店舗を見ていますが、店舗によって品揃えが全然違います。新宿東口であれば、買い物に来る外国人の中では中国人の割合が多いです。渋谷に関しては欧米の人も結構いて、これは他のドン・キホーテではほとんどないことなんです。そういう意味では、品揃えは各国の人によって違いますので、そもそも品揃えが変わってくるんです。

 

あと、渋谷に関しては日本の方もかなり来られるので、今回の渋谷のMEGAドンキで生鮮食品を扱うというのは、かなり斬新なんじゃないかなと思います。地方の店舗ではあるんですけど、都心部で生鮮食品をやっているところはほとんどなく、ポテンシャルがあるのではと思ってチャレンジしています。そこの認知度という面でいくと、周辺の飲食店の方とも一緒にやれたらいいなと思っています。

 

SHIBUYA CASTの住民が考える「渋谷の住まい方」

 

ー そして藤代さん。店舗ではなく「住民」ということなんですけれども、「Cift」という場所はどういうスペースで、どういう役割なんでしょうか?

 

藤代さん:

SHIBUYA CASTの13階にCiftはあるのですが、ワンルームの、水周りの設備もあるような部屋が19部屋あって、共用リビングと、共用キッチンがあるという作りになっています。

 

実は1年前からSHIBUYA CASTさんに対するコンサルティング会社をやっていて、Ciftは、クリエイターと言われる人たちと一緒に、どうやって「新しい生活」や「新しい生き方」を考えていけるかというテーマに取り組むために行っているプロジェクトです。

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震災以降、日本の各地で「拡張家族」とか、「ともに暮らす」という動きが起こっていますが、都心では逆に核家族とか、一人暮らしなどでどんどん個別化が進んでいる。その中でどうやって「ともにある」とか「血縁を超えた家族」というものを作れるかということを、あえて渋谷のど真ん中に40人くらいの人が集まって実験しています。

 

19世帯の部屋なんですけれども、住民の80%くらいは僕も含めて2拠点生活をしています。渋谷の家は渋谷の家として、自分らしい一面を過ごす場所なんだけれども、そういう暮らし方をしていく中で、「渋谷というものをどういう生き方で生きていくか」ということを考えています。

 

もう少し、今日の文脈で言うならば、渋谷の場所に登場するプレーヤーとして大きく言うと行政、企業があると思うんですけれど、そこに「市民」というものが三位一体になっていって、渋谷を良くしていく動きができたらと思います。「消費者じゃなく、創造者としての市民」というものを、僕たちの暮らし方から発信できたらいいなと思います。そういう思いで作った組織です。

 

ー 行政のサービスを利用したり、企業のサービスを消費するだけではなく、市民として地域に対して働きかけられる存在になる、ということですかね

 

藤代さん:

企業というのは製品やサービスを改善して、世の中を良くしていくプレーヤーだと思うんですけど、一方で、どんどんサービスが便利さを追求したり個別化されていっている中で、「よりゆっくりしたい」とか、「より共に過ごす」というような流れを作るのは、実はサービスでは無理な気がしているんです。

 

そこについては市民がある種の意識を持って始めて、共感を得ていかなくてはと思います。そういうことをしていかないと、そういう世の中の動きは生まれていかないと思っていて……。そういう思いで「協同組合」というのをやっているんですけど、行政や企業と一緒に、「自分たちが生活している」という体験を共有しながら、新しい生活のあり方を提唱していければいいなと思います。

 

渋谷の「場」はどう変わっていく?

ー それぞれの立場で「街」と「生活者」をつなぐということを実践されているように思いましたが、変わりゆく街や生活に対して、ご自身はどのように適応していこうと考えられていますでしょうか?

 

林さん:

PARCOという言葉は、イタリア語で「公園」という意味なんです。PARCOが公園になって、そこに人が集まる。という定義があるんですけど、それがコミュニティなんですね。

 

渋谷の街っていうのはスリバチ状で、中心から放射線状にいろんな通りがあります。PARCOの場合は公園通りなんですが、もともとはそういう名前じゃなかったらしいんです。PARCOができるときに、先には代々木公園があるということもあり、商店街の方と話をして、あそこを「公園通り」とすることにしたんです。そういう意味で、公園に通じる道にある「公園」ということで、より皆さんが来やすい場所にしなくてはいけないと思っています。

 

先ほどのお話にもつながりますが、海外の人も増えています。休業する前でも、渋谷の店舗が、全国のPARCOの中で一番海外の方の売上比率が高かった。そういう意味では、もっとグロ−バルに開かれた、人が集まる公園にしていきたいなと思います。

 

清水さん:

Q−FRONTは1999年に東急百貨店と、うちのCCCの増田社長と、浜野総研の浜野さんが一緒に作ってオープンしたのが始まりです。

 

Q-FRONTの”Q”は「探検・探索」という意味と、「女王」クイーンの意味を持っています。それらは今の渋谷の象徴として認識いただていると思うんですけど、これからは「Q」から「X」に進化させていきたいなと思っています。

 

進化の方向性にも3つあるんですけれども、一つはQueenという象徴の部分。これは今の時代に合わせて進化させていきたいと思っています。うちのスターバックスでいうと6割が外国人のお客様なんです。これをもっと先につなげていくということもやっていきたいですし、世界に向けての渋谷のカルチャーを発信していくということもやっていきたいと思っています。

 

2つ目は、さっきのコンテンツの話じゃないですけれども「体験」というものをフックにお客様を集客していくことです。いろんなものがあるのが渋谷なので、人と人、人が持っている情報と情報をカルチャーの中に掛け合わせていくような、ハブになるような存在になっていきたいと思っています。

 

そして最後に3つ目として、スタートアップについても、何かお手伝いができないかなと思っています。支援するということもできると思いますし、ここがハブになってお客様が集まったり、自己実現をしたいスタートアップ企業の方や、いろんな企業の方が集まって、新しいカルチャーを発信していく場所になれたらということを考えています。僕たちにとってもマーケットを作るという意味でとても興味のある分野なんです。

 

草津さん:

そんな大きなことじゃないんですけれど、渋谷を一緒に盛り上げたいと思ってまして、今回渋谷店舗の立ち上げに際してドン・キホーテとして何ができるかと考えた時に「渋谷のお土産って何だ?」という話が出たんです。で、渋谷のお土産…と考えた時に悩んじゃったんです。

 

なので、「じゃあ渋谷のお土産を作ろう」ということになりまして。渋谷区観光協会さんにもご協力をいただきまして、渋谷区の方からも推奨してもらえるようなお土産を考えまして、まずは食べ物からスタートしました。渋谷限定のお菓子を26種類です。

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これが非常にウケが良くて……ハチ公をモチーフにしたお菓子や、その他にもいろいろあるんですけど、外国人のお客様もそうですが、修学旅行生の購入も多いです。朝の8時〜9時に渋谷に来ても開いている店もなく、そんな中でMEGAドンキでこういうのを売っているのはいいみたいです。今はまだドン・キホーテでしか売っていないんですけど、できたら商店街の人たちと一緒に、渋谷区のお土産を一緒に売って、渋谷区を盛り上げるお手伝いができたらいいなと思います。

 

藤代さん:

いまはすごい時代の過渡期だと思っています。東京ではこういう都市生活が当たり前で見えにくいのですが、地方や世界の他の場所に目を向けると、この先には、みんながみんな、好きな仲間と村を作るみたいな世界が見えているような気がします。いま日本各地に「インテンショナルコミュニティ」という自給自足的な生活ができる村が実は100個くらいあるんです。僕たちの仲間にも、毎日のようにキャラバンしている仲間がいます。

 

ただ、考えなければいけないのは、60年代のベトナム戦争の時に生まれたヒッピーカルチャーの事例です。当時の若者たちは都市や、資本主義を否定して田舎に帰っていきました。で、その二世などが続いていったんですけど、いまの時代においては、「分ける」じゃなくて「どう共生していくか」方向で考えるべきだと思います。その点でCiftというのはとても面白いと思っています。

 

いまのインテンショナルコミュニティも、コミュニティの外に出たら何もなくて、社会の規範というより自分たちの規範という感じで生きているところも大きく、実は他に対する影響力はあんまりなかったりすることが多々あります。

 

それを見たときに、渋谷という街で、行政や企業と一緒に、「どういう風にその村やそこにあるものと社会を相互作用させていくのか」という形を作りたいと思います。田舎であればジビエや野菜を自給自足できるパーマカルチャーという状態が成り立っていますが、渋谷の中でのパーマカルチャー、渋谷の中の自給自足っていうのは、外の行政サービスや企業の活動などと一緒に考える必要があります。お金の概念や税金の概念をもう一度考え直すというところまで踏み込んで、新しい視点で、企業や行政のあり方を考えていきたいですね。

 

僕たちの役割っていうのは、そういう生き方ができるんだよというサンプルを示しつつ、そういう生き方を試していくことなのかなと思います。


様々なバックグラウンドを持つ人たちが、様々な目的で訪れる渋谷。そんな渋谷の地の「場」をつくる方たちがどんな思いで場所を作っているのか、とても興味深いお話を伺うことができました。これからも変化を続ける渋谷が楽しみです!

[ご登場いただいた皆さんが活躍されている場所はこちら!]

渋谷PARCO

SHIBUYA TSUTAYA

ドン・キホーテ

Cift 

コミュコレ!渋谷2017 8つのセッションレポート一覧

 

Session1 キーワードは「エンタメ」・「ダイバーシティ」!渋谷の土台の作り手が語る、これからの渋谷とコミュニティの関係性

Session2 「遊び場渋谷」から「働く場渋谷」へ!変な人と、それを支える人が集まる「新しい働き方の聖地」のつくりかた

Session3 街のカルチャーや未来のビジョンと共に作る、街を巻き込むイベントの仕掛けかた

Session4 メディアは何をつなぐもの?渋谷で発信するプレイヤーに聞く、渋谷とメディアのこれから

Session5 行政・企業・NPOの多様な30人が、半年で渋谷を巻き込んだプロジェクトを世に出すまで

Session6 大都会の中のローカルメディア。彼らが大切に書いているものとは

Session7 NHKも伊藤園もやりたがる! アイデアソンでもハッカソンでもない「プロモソン」とは?

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PeatixのマーケティングとPRを担当。Peatixの思いやサービス内容を伝える仕事をする一方、イベント・コミュニティ主催者の魅力やストーリーに迫るイベントサロンの運営メンバーでもある。人に会って話を聞くこと、自分の知らなかった世界に触れることが好き。